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2009.10.14
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・・・私だって。

ミリの心の声が聞こえた気がして、俺は、期待してミリの顔を覗き込む。
だけど、ミリは何かを押さえつけようとしているような表情で目を閉じていて。

・・・?

やっぱり、なんか変なんだ。
メールが来なかったこと。暗闇にいたこと。そして何より、シないで寝たいなんて。
一つ一つなら、ありえるかもしれない。でも、3つも重なれば、さすがの俺だって、異変に気づく。

・・・一体、どうしたんだろ?

何かをミリが隠そうとしている。こんなばればれな様子でってことは、まだ、ミリは迷いながら。

・・・それにしても、また、かよ?何で話してくれないんだよ。俺、そんなに頼んないかな?

いや、、

・・・忙しいから、気遣ってくれてんのかな?

だとしたら、きっと、今日はもうどれだけ聞いても答えないだろう。Hだってしないっていったらしないつもりなんだ。

・・・仕方ないから、乗ってやるよ、その芝居。今夜のトコは。・・だけど、隠し通せるなんて、思うなよ?

俺は心の中で呟いてから、目を閉じたままのミリにもう一度言う。
「ヤリテ~って、ミリ」
ミリは少し呼吸を整えてから、目を開き、言う。
「だ~め」
俺は、もう、ヤりたくてたまらない気持ちは抑えられていたけれど、一応粘る。
「なんでだよ?」
「シないって言ったでしょ?キスだけって」
頑張ってイジワルに言ってみてるミリ。全部お見通しだよ?だから、俺はその上をいってやる。
「分かったよ。だったら、ずーっとキスしててやる。キスだけならいんだよな?」
「え?ちょっ」
俺はミリに覆いかぶさって、キスをした。

優しく、激しく、ゆるく、強く。長く、短く、いろんなキス。

俺の愛情、ちゃんと分かるように。
俺に隠し事して、まさか、隠しきれるなんてことできるはずないって、分からせるために。
中に入る代わりに、しっかりキスだけでだって、分からせるんだ。

ミリ、愛してる愛してる愛してる。
俺に、何も隠す必要なんてないんだ。

ミリが可愛く抵抗しようが、抑えてたはずの俺のモノが堅くなろうが関係ない。

ただ、キスをずっとずっと重ねていく。

少しずつ、少しずつ、ミリの強張った心がほどけていくのが分かる。
俺は唇を解放した。
ミリは息を切らせて、俺の胸にしがみつく。
「ケースケ・・」
しっかり抱き寄せて、俺は聞く。
「何?」
「・・・眠い」
「へ?」
って、あっという間に寝ちゃってるし。
ちょっとホっとしたら、即寝かよ?
どんだけ、寝不足だったんだ?
それにしても、、、

何悩んでる?ミリ、きっと、ちゃんと、話してくれるよな?そう、多分、舞台が終わってしまえば。

ミリの寝顔に、祈るように思う俺。
寝顔を見つめたまま、俺も、うとうととまどろんだ時、
「ケースケ、、ゴメン。。ネ」
微かにしゃくりあげる声。俺ははっとしてミリを見た。目は閉じたままのミリ。

・・・眠ってる?

だけど、その頬には涙が伝っていて。

・・・どんな夢、みてんだよ。・・・夢、、なのか?ただの。

俺は不安になって、ミリを悪夢から救ってやりたくて、そっとそっと抱き寄せる。
ミリは、少し、目を覚ます。ぼんやりと俺を見て、
「ケースケぇ」
ってしがみついてくる。
「ちゃんといるよ?なんか怖い夢みた?」
背中を撫ぜながら言ってやると、
「ぅうん。。抱っこぉ」
って言いながら、また、眠りにつくミリ。
俺はまたやや力を入れてミリの背中を抱き寄せる。
「よしよし。大丈夫だからな。俺が、いるから」
やがて安定した寝息で眠り込んだ様子のミリ。

眠ってるミリに、聞こえもしないはずのミリに、それでも俺は言う。
「愛してるよ。俺が、ずっと守ってやるから」
何度も祈るように囁きながら、俺もいつしか眠りについていた。


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最終更新日  2009.10.14 00:03:50
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