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でも、ケースケ、あなたはそのこと、知らなくていい。。
どれだけ口づけてもまだ足りないという様に続けられるケースケの長いキスを受けながら、私は思っていた。 ケースケに知られないように、、私は、病気のことは何も話さずに、離れる方法をしっかりと考えなくちゃいけないって。 その方法が決まったら、きちんと、病気のことを調べてもらう。 ほとんどクロだけど、、。 はっきりと診断されてしまえば、すぐに行動に移さなくっちゃならない。 それがどんな方法でも、、・・私はケースケの前から消えるんだ。 ・・・でも、それまでは、、それまでだけは、ケースケと今までどおり、過ごしたい。 たとえ、あと、わずかでも。 ケースケがゆっくりと唇を離す。でも体は抱き寄せてくれたままで。私はケースケの腕の中で言う。 「・・・だけどさ~」 私は、ココロが折れてしまわないように、イジワルな顔して笑う。 「そんな、勝手に人のコト病気にして、盛り上がって盛り下がられてもね~・・・」 ケースケは子供みたいな顔つきになって、 「別に盛り上がってないって。ああ~。よかった」 ケースケは夜空を見上げながら安堵のため息をつく。私は、それを、悲しい思いで聞いた。私は、嘘をついてるんだ。こんなに大切なこんなに自分が愛してるこんなに私を愛してくれている人に。そして、バカみたいにたずねてしまう。 「・・・病気だったら、どうするつもりだったの?」 ケースケは顔は空に向けたまま、目だけをこちらに向けた。少しだけ微笑んで。 「どうするって・・・別にこれまでと一緒だよ。そばにいる。ただ、もっとミリを支えようと思うだけだよ」 私は、胸の奥の奥で涙を流しながら、表面上は平気な顔をして聞く。 「だったら、なんであんな悲壮な顔で聞くのよ?何も変わらないなら」 「何言ってんだよ、何も変わらなくはないだろ?ミリが痛い思いしたり、怖い思いしたりするのカワイソウだからだよ。きっと、むちゃくちゃ心配だし。それと」 「?」 「なんでそんな大事なこと俺に、隠してたんだって、・・・哀しくなったからかも」 「・・・」 「いや、違うな、そんなに頼りない俺、なのかって、自分に腹が立ったのかな。・・そんな頼んない俺のせいで、ミリが、、俺に必死で隠そうとして、、、美莉に、辛い思いさせてたんだって思ったから、かな」 ただ優しく囁くように告げるケースケ。私は言葉に詰まってケースケの胸に顔をうずめた。 ・・どこまで優しいの?ケースケ・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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