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テーマ:恋愛について(2606)
カテゴリ:box
「・・ミリが、なんか、俺の前から、急に消えちゃいそうで。」
・・・ケースケ・・・。 胸がずきりと痛む。 だけど、だけど、、、ひるむわけにはいかないの、私。 だから、気弱に囁くケースケの頭を、胸に優しく抱きしめて、 「・・・そんな、、そんなこと、あるわけないじゃんっ。もう、夢と現実ごっちゃになってるよ?」 私は笑って言った。顔はほとんど泣きそうになりながら。 「・・・そっか。・・だよな・・・だけど」 ケースケは、私の胸に頬をつけたまま、声だけで微笑みながらも、ポツリポツリと言葉をつなぐ。 「・・だけどさ・・病気かな、って、、思ってさ、、俺、、、」 「・・っまた、その話~?」 ・・・何度も同じ嘘つくの、、、、辛い。。またその話に戻るのやだよ・・。 そう思う私に、ケースケは、 「いや、、違うよ。そのことはもう、納得したよ。美莉があんだけ完全否定するなら、違うんだろ?そんなにひどい嘘、さすがにつかないと思うし。。」 「・・・。」 ・・ひどい嘘。ついてるんだよ、私。 私はただ息を止めて、その話が過ぎるのを待つ。待つしかない。 「・・・それに、ミリのこと・・・今夜はいっぱい抱いたし。だけど、、・・なんていうか、、違和感が消えないんだ」 「違和感・・?」 ポツリと問い返す私に、 「そう。ミリは、やっぱり、何か隠してる」 「・・・何も、、隠してなんて・・」 言いかける私に、ケースケは、笑って、 「言葉悪いか・・。少なくとも、何か、考えてるよな?」 「・・・」 「・・・なあ、聞かせろよ、美莉。今、俺を見つめながら何考えてた?」 ケースケは、そうたずねてから、 「・・・カッコイイな~ってこと、以外に」 とつけ足して、顔を上げ微笑み、私の瞳を覗き込む。 いつもの愛情だらけのケースケの瞳で。 嘘で固めた私の瞳を。 私だけを純粋に思うケースケの瞳。まっすぐ見つめられたら、嘘なんてうまくつけなくなる。ホントのココロが、、、私の決意を押しのけようとする。 ・・・ずっとずっと謝ってたの。ごめんねって。ケースケ・・・。 ただ優しく私の答えを待つケースケ。 本当のこと言うわけにはいかない私。 ケースケの、私へのストレートな愛情と、 私の、きっとケースケからすれば馬鹿げた決意との、せめぎあい。 ・・・だけど、両方が分かってる私のほうが圧倒的に有利だよね。。。 ・・・ごめんね。ケースケ。 私、、負けられない。 ・・負けられないのに。。 「ほら、言えよ。その、多分、ろくでもないこと」 決してなじる気配はなく、ただ優しく繰り返すケースケ。 私は、その優しい瞳にひかれ、言ってはいけない言葉をクチにする。 「・・・ケースケ」 「うん」 「もし、、もしなんだけど」 「うん」 「もし、、、私が別れたいって言ったら、別れてくれる?」 ←楽天外の方、ポチ逃げの方ご利用くださ~い。(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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