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行ってきますのキス。行ってらっしゃいのキス。
お互いにどちらがどちらにしても、ただいつもどおり、玄関先でのキスだと、 軽い気持ちで受けた私は、 ケースケの唇から与えられる愛情の量に、 一瞬、しゃがみこみそうになってしまう。 ・・・どーして・・・。 よろけそうになる私のコシに手を添え、片手は顎からはずして私の手をとり、 ケースケはその手ごと、壁に私を押し付けた。 そしてずっとずっと続けられるキス。 ・・・こんなキスされたら、、とても立ってはいられない。 私は自由な方の手で、ケースケの背中に触れ、シャツを握った。 唇を離しては、また、重ね、何度も何度も繰り返し、乱れた息で、私からやっと離れるケースケ。 自然に私はケースケの胸の中に凭れこんでいた。 やさしく髪を撫ぜてくれるケースケ。 ゆっくりと深呼吸を重ねる私。 「・・・ミリ。。?」 私は静かに顔を上げた。ケースケはエロイ目つきで私を見下ろしてイジワルにたずねる。 「どした?ひょっとして、キスだけでイっちゃった?」 「・・バカっ」 口を尖らせてそう言った私だけれど、、、。本当に、ただキスだけで、とってもとっても気持ちよくて。 「バカってなんだよ?」 「だって、、びっくりして、、、軽いキスだと思ってたもん」 「いいだろ、別に?・・気持ちよかったろ?」 「・・・そりゃ、、そうだけど、、、」 「俺から・・離れられないだろ?」 ポツリと耳元に囁くように呟くケースケ。はっとして、ケースケの瞳を覗き込む。 ただ得意げに微笑むケースケの笑顔。 ・・・・軽い冗談、だよね。 私は、ほっとし、はっとしたことがばれないように、 「それはそっちでしょ?」 って軽く言ってから、玄関に向かう。 背中を向けて、一瞬だけきつく目を閉じる。 ・・・お願い、ケースケ、もう、これ以上、、、。 泣き出しそうになるのを必死でこらえながら、私は、強く思う。 ・・・もうこれ以上、ココロを揺らされたくない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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