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ケータイの電源を入れた私。
真っ暗なディスプレイに、浮かぶ起動の画面。 ICカードの読み込みの後、見慣れた待ち受けの画面が現れて。 自動的に新着メールの受信を開始する。 受信完了の通知画面。 そして、手が勝手に始めるボタン操作。 無意識のうちにも、そのディスプレイには、ケースケのフォルダが現れる。 ケースケ:(7) 未開封のメールが7件。 『1週間、毎日メールしてたんだよ』 ケースケの言葉が耳の奥に蘇る。 ・・・ケースケ。 見ないほうがいい。 今は、まだ。 激しい警鐘を鳴らすココロに抗って、 震えを帯び始めた指は、ひとつひとつ、メールを開いていく。 『今日も愛してるよ、美莉。・・・会えない1週間って。どんだけ長いか、想像つかねぇ。』 『今日も愛してるよ、美莉。あぁ。。まだ2日目か。長すぎる。』 『今日も愛してるよ、美莉。おおお、頑張ったろ?もうすぐ半分。』 『今日も愛してるよ、美莉。おしっ。半分超えたぞ。このままなんとか、耐えてやるぞっっ』 『今日も愛してるよ、美莉。なんだかすっげぇ、、・・・会いてぇ。。。』 『今日も愛してるよ、美莉。なあ、愛してんだよ、ミリ。・・・・今、どこにいんだよ?』 そして、最後のメール。着信時間は、昨日の夜で。 『今日も愛してるよ、美莉。うしっ。見ろっ。乗り切ったぞ?今日は早く寝て備えるわ。明日は、直で言うから、待ってろよっ。・・・言わせてもらえると、いいんだけど。って弱気すぎ?でも、信じてる、美莉。愛してる、ミリ。あ、今日は、2度言っちゃったよ。ま、い、か。おやすみ。』 ・・・愛してる・・・ 言わせてあげられなかった、今日は。 ううん。 言わせてあげられないんだ。もう、2度と・・・。 私の目から、バラバラと雨粒のように、大きな雫が零れ落ちる。 それは私の視界をゆがめ、ケータイの画面を濡らしていく。 ・・・泣けそうにないなんて、間違いだった。 ただ分かってなかっただけなんだ。 理解していなかっただけなんだ。 ・・・愛してる。 言ってもらえないんだ。 ・・・もう、2度と。 たとえば、そんなことすら。 ←2コクリでよろしくお願いします。いつもありがとうございます。 今日のゆる日記の方は、こちらです。バカップルにご注意ください お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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