ビジョンについて
いちおうやることが多くなるといろんなことが忘れがちになるので、思い出し作業。【企業理念】・アマチュア作家をプロ作家に転換すること。・読者とプロ作家が交流できるプラットフォームを作ること。【運営方針】・低コスト小規模経営。末永く事業を続けるため。・文芸ジャンルに限定。ブランドをつくるため。【ブランド戦略】・アマチュア作家だから質が低いとは言わせない高品質な作品を提供する出版社になりたい。カエデ出版だから面白いと出版社の名前で買ってもらうことが出来たとき出版社としての到達点だと思っています。・最初はまずプロ作家の作品と勝負していただく感じになります。もちろん正攻法で勝てないでしょう。アマチュアでも勝てる土俵で、アマチュアでも十分に勝てるように準備をした上で勝負することになります。セールスではなく(というか大手相手じゃ無理でしょうが)。コンテンツ力で上回らなければ、とてもじゃないですが勝負になりません。ですから、自然とエンタメ路線を狙うことになります。たとえるならば吉田修一さん・『悪人』にはどうあがいても勝てないだろうけれど、角田光代さん・『八日目の蝉』には勝負できるのかなと。私の中では吉田修一さん=アーティスト、角田光代さん=職人という感じでして、吉田修一さんの、描写力は誰にも真似できない天性のものを感じますが、角田光代さんの作品は、計算され尽くした職人の技を感じるのです。それで私の目指す出版社の方向性は『職人』なのです。天才を作るのは、運や才能が必要ですが、職人であれば、努力とノウハウ、経験があれば出来ますので。天才を輩出するのはもちろん出版社としての夢になりますが、まずは職人を作ることから始めないといけないですからね。社名の一つであるカエデの意味は、単なるプロ作家の輩出をなぞらえたわけではなく、本質的な意味では、天才の出現を期待してつけられたものです。あと、なぜ文芸専門なのか、なぜアマチュア限定なのか(将来的に限定するつもりはありませんが)よく聞かれます。 それって無謀なんじゃないのと文芸は売れるジャンルと思っています。書店のどこに行っても文芸の新刊コーナーは一番目立つところにあると思うのです。ビジネス書や新書も読みますが、私の中では本屋というのは小説を買うところだと思っていますので。それに可能性(広がり)も大きい。売れたら映画化の流れは、文芸作品の既定路線と言っても良いのではないでしょうか? 一応ビジネスとして考えた場合、もっとも現実的な方針だと思っています。アマチュア作家限定の理由は、使いやすいからですね。ちょっと今の出版社の実力はプロ作家の方を相手に出来るとは思いませんし、うちなら出版してもらえるだろうという考えを持ったライターが作家を名乗って応募に来られても困るので、とりあえずはお断りします。まあうちに来ることはないと思いますが念のため。たしかにアマチュア作品のレベルは落ちると思いますよ。私は、プロ作家が片手間に書いた作品と、新人賞作家の荒削りの作品を比べて読んだ場合、総合的な力でプロ作家の実力が上回っていたとしても、一点でも新人作家が上回る部分があれば新人作家を選ぶと思います。新人作家の大きな魅力の一つに未来があると言うことです。瑞々しさは大きな武器です。ただ瑞々しさを作家の感性という言葉に置き換えて文学作品として売り出そうというつもりはまったくありませんし、いちおう新人賞作家ぐらいのレベルを持っているものとして比べた場合ですが。もちろん、向き不向きはあると思います。作家に向いていない人というのは私が言うのもあれですが、必ずいると思います。そういった人のお尻を下から持ち上げようとは思っていません。長篇を書ける文章力があって、怠惰な方でなければ(やる気があれば)、あまり問題はないと思うのです。それ以外のことは編集の立場からサポートが出来ますのでね。ただ私は思うのですが、文庫本コーナーに入るとたくさんの作家の著作が並んでいますよね。あれだけ多くの数の作家をみると、なんというか作家というのは才能で選ばれるものではないと思うのですよね。時代の空気と応答できた人が、売れっこになって、著作として残すことが出来るわけで、努力したからと言うよりも、なるべくしてなった人だったのではないでしょうか。そして中には作家として適合しない資質を持った人もいたと思うのです。作家として生きる事で、書き続けることで次第に作家に近づいていくというか。とりあえずは冒険なんですかね。一緒にその船に乗ってやってみようかという人とやっていきたいというか、まずはご連絡頂きたいなと思っています。