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かごむすめ

かごむすめ

どう接したらいいの?

ムスコに接する時、いつも気をつけていたことは、
ムスコの注意をひいてから話し始めること、
後ろや横から話しかけ始めないこと
でした。
やっぱりこれが基本なのかなと思います。

今思うと、よくしゃがんで目線を合わせていたように思います。
それだけでムスコがこちらに向ける注意がだいぶ違うと思います。

端的な例を挙げれば、離れたところでイタズラをしてるのを見つけても、
まず近くまで行き、こちらを向かせてから(あるいはこちらがムスコの正面に立ってから)叱り始める、というような感じです。

ムスコは難聴ですから、音声に対する気づきが遅い、
特に後ろや横、離れたところからの音声にです。
だから、ちゃんと気づかせてから話し始めなくては、
ムスコは何を言われているのか分からないけど怒られてる…と思うだけで
蚊帳の外、疎外感を感じかねません。

ところで、一昔前、難聴児に口話教育が主流だったころ、
「手話を使ってはいけない、両手は後ろに隠して」とか、
「口の形を隠して、聞いた音だけで理解できるように」というような
極端な指導方法もあったと聞きますが、私はナンセンスだと思います。

健聴者だって、相手のジェスチャーや顔を見て会話していますよね?
それが自然だと思います。
コミュニケーションにおいて言葉が果たす役割の比率は、たった35%なんだそうです。(成人の場合。子どもはもっと多いと思われます)
難聴だからと“言語獲得”(音を聞き分けること、発音をよくすること)だけに気を取られるのではなく、コミュニケーションの本質を思い出すことが大事だと思います。
私たちが育てるべきなのは、「しゃべれる子」ではなく、「他人とコミュニケーションのとれる人間」なのではないでしょうか?

…話がそれてしまいました。

***

私たちは親戚などからは「よく話しかけているねえ」と言われていましたから、
話しかけていた“量”は多かったと思います。
ただ、気をつけていたのは、 必ず意味のある言葉をかけるということでした。

意味のない言葉を大量にかけていても、子どもは言語を獲得しません。
これは健聴児でも同じことですよね。

我が家では、「今から起こること」をすべて言葉にしていました。
例えば、私がムスコの側から離れる時には、「オムツを捨ててくるね」「哺乳瓶を洗ってくるね」と声を掛ける(理由を説明する)ですとか、
「今日はジージとバーバが来るよ」「これから○○に行こうね」と声を掛け、
祖父母が到着したら「ほら、ジージとバーバが来た」「○○に着いたよ」と、その場面になったらまた説明をしました。
まだ小さいからと言っておざなりにはせず、どうせ分からないからと説明を省かず、必ず「今から~」と言ってました。

ツレアイの言葉を借りれば「(子どもと思わず)日本語がよく分からない外国人(大人)に話しかけるつもり」。

そのほか、 ヨーグルトのふたを開ける前に「開けるよー」、
料理しているときは「ほら、○○を煮ているよ、グツグツって」、
散歩していて猫がいたら「猫だね、にゃーん」…そういう感じでした。
(最初に通っていた聾学校の先生いわく、「「すべての事象を音で表しなさい」)

ムスコから反応がないうちは、「聴こえてない」「分かってない」とめげそうになりましたが、言葉が出始めると、張り合いが出てくると同時に「もう少し頑張って話しかければよかった」と反省しました。

それでもおかげさまでムスコは常に何かを口に出すようになりましたし、
「次は?」「明日は?」と未来に対して関心を持つようになりました。


ムスコが難聴だとわかって
どう接したらいいの?
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