カテゴリ:社会保障を守れ
ゆりかごから墓場までーイギリスの場合に思う日本の急激な貧困が国民全体を巻き込んでいる今日の状態から貧困問題に対して真剣な研究や模索が始まっているのは当然である。私のブログでも互いにコメントしあう交流のなかで数々に見解が出されている。今回のイギリスの件もそういう中の1つであるが、それを日本福祉大学社会福祉学部教授柴田嘉彦先生の世界の社会保障という本を交えて私の意見を述べたいと思う。 意外と知られていないがイギリスが社会保障をこの世に最初に行ったということである。その時期は1601年エリザベス救貧法だという。日本は戦国時代で群雄割拠の時代である。 貧困者をキリスト教の恵みという博愛主義で救済せよというもので、その後友愛組合、労働組合共済活動と進み、1908年には無拠出老齢年金が始まり、1911年には今の健康保険や医療保険をかねた国民保険法が確立し、戦前の1941年には失業を組み合わせゆりかごから墓場までの社会保障を確立させ、病院を国営にし、医療費を無料にしたのだ。地上の楽園である。 しかし、その後、冷戦から再軍備に入り、イギリスの社会保障は40年間の1990年までに大砲かバターか、サッチャーの軍事拡大で大きく後退した。 しかしである、腐っても鯉ということわざがあるが、すべての制度がなくなったわけではなく、一進一退の歴史であり、はるかに進んだ制度がある。 例えば、児童や低所得者は、眼鏡は無料で提供されている。又胃腸薬、下剤、風薬、ビタミン剤は、サービスだ。出産一時金、手当てが2種類あって会社や国から出産費が支払える。葬祭実費支払いもある。 医療保険代をアレコレ理屈つけて請求するが国民はこれを負担しない。病院は国営であるからして安心・安全で病院での医療は原則として無料である。 日本のように医師不足で地域で医者にかかれないとか金を払わないと病院に行けないとか、そんな野蛮なことはない。医療費で国民の85%が不安なんてことはない。 軍事費拡大で社会保障がずいぶん後退したといえ、日本と比べれば天国である。大企業優遇は薄いし、アメリカへ軍事費購入の貢ぎもない。金の使い方が違う。日本ほどアメリカや大企業が横暴ではない。 だから、イギリス国民は医療費支払いに対する不安はわずか3%と無いに等しいのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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