島原へ行ってみた
「嬉野温泉は何処に」の続編です。今日は一日長崎を観光できるのでどこに行こうかということになりましたが、サヨコさんが島原に行ったことがないというので、島原鉄道を利用して島原へ行くことになった。島原鉄道は諫早から島原港までを結ぶローカル私鉄で全長43.2キロある。歴史は相当古く1908年創業というからもうめちゃくちゃ古い。かつては蒸気機関車で運営されていたそうで、明治維新の時に新橋~横浜間を走った1号機関車を譲り受けて走り出したそうだ。その機関車は、大宮の鉄道博物館に現在も展示されていた。ぜひ見に行ってほしい。島原鉄道に乗るためには長崎から諫早へ行くことになる。諫早が島原鉄道の始発駅になる。長崎から諫早まで新幹線も出ているが、在来線でも33分で着くので今回は在来線で行くことにした。長崎から諫早まで480円だ。早速長崎駅のホームに上がる。長崎駅は以前の駅の面影は全くなく高架のホームになっている。ホームの向こう側は一段高い所に九州西新幹線のホームが並んでいる。ホームに上がるとすでに電車はホームに進入して停車していた。しかし、いけず(意地悪)なことに電車のドアは閉まったままだ。ホームにはチラホラ他のお客さんもいる。「なんで、ドア開けてくれへんかなぁ、寒いやんなぁ」「ホンマやね、開けてくれたらいいのにな」「こんな愛のないサービスしてたら会社として失格やでホンマ」僕は、こんなしょうもない(つまらない、些細な)事で腹が立ってしまた。ウーム、人間が小さいのがJR九州が悪いのか。電車の車内に入れないので、しかたなしにそこら辺の硬いベンチに座ってさっき買ってきた酎ハイを「プシッ」ともう開けてしまった。「飲んで怒りを抑えよう」ということだ。ホームに停まっている車両は最新型のYC1という形式だ。列車の先頭部分は黒塗りのガングロ系はJR九州の最近のトレンドだ。僕は好きではない。以前の長崎駅なら在来線の特急が次々やって来て、大村線へ入るキハ47などの気動車が広いヤードに停まっていたが、新しい長崎駅は何の風情もない。在来線の車両も全てYC1で統一されているようだ。やっとドアが開き車内へ入れた。デザインはあのななつ星を手がけた水戸岡さんが担当している。車内は明るくてオシャレだ。テーブルがあったり変則なシートのレイアウトだ。僕ら2人の他に法事で集まって帰省しているファミリー8人組が乗ってきている。テーブルこの車両に1箇所しかないテーブルとロングシートに分散して座り楽しそうだ。おじいちゃん、おばちゃんから孫世代までいる。小学生ぐらいの女の子が手塚治虫の漫画「ブラックジャック」の4巻を読んでいた。僕も何回も読んだ漫画だ。いいね。しばらくすると、YC1系の快速シーサイドライナーは定刻どおり発車した。加速はモーター駆動だけあって力強い加速だ。発車してすぐに発電用のディーゼルエンジンがやかましく回るが仕方がない。ちなみに形式名のYC1のYCはやさしくて力持ちの「YやさしくCちからもち」なのだそうだ。快速シーサイドライナーは長崎本線の新線を走って行く。大村湾沿いの旧線の方が圧倒的に景色はいいのだが時間がかかるのだ。法事の御一行のおばあちゃんはその昔学生の頃長崎まで長崎本線で通っていたようで当時を懐かしがっているようだ。しかし、おばあちゃんの話が当時通学していた時と食い違っていたようで「あれっ、こんな駅は昔無かったわ」「あれ、この駅も知らないわ」「おばあちゃん、本当にこの電車で通ってたの?」「そう、間違えるわけないでしょ」結論から言うと、おばあちゃんの間違いだ。この線は長崎本線の新線なのだ。おばあちゃんが乗っていたのは湾沿いを走る旧線の方だ。僕は旧線の方が海の際を走っているので好きだ。新線は山の中を進み、30分程で諫早駅に到着した。諫早駅で島原鉄道に乗り換えである。