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2024.09.09
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カテゴリ:読書
最近、東野圭吾さんの作品をずっと読んでいなかったのですが、突然読みたくなって「希望の糸」という作品を手に取りました。



「希望の糸」については事前の知識がないまま読み始めたのですが、読み始めてから阿部寛さんのドラマで有名な加賀恭一郎シリーズ作品と気が付きました。加賀恭一郎シリーズでは「嘘をもう一つだけ」という短編集しか読んだことがありませんでしたが、その時はその作品に短編の限界を感じて私としてはあまりピンとこない感じでした。その後、加賀恭一郎シリーズは全く読んでいません。

今回読んだこの作品は、加賀恭一郎がメインではなく従弟の刑事松宮脩平が主人公になって話が進んでいきます。親子・夫婦の繋がりと愛情をテーマにした作品で、事件の謎解きを楽しむようなストーリーではありません。それだけに、登場者の心理描写が重要な位置を占める重厚な作品に仕上がっています。


震災で二人の子供を亡くした夫婦の再生の物語、松宮脩平の出生の秘密にかかわる物語、喫茶店を経営している女性が被害者となった殺人事件、被害者の元夫の家庭、とバラバラに描かれる物語が後半で一気に収束していきます。そして多くの疑問点が繋がりながら回収されていきます。

この展開は見事というしかありません、さすが東野圭吾さんです。間違いありません!
ミステリーというよりもヒューマンドラマと言った方が当たっているかもしれません。
作品の後半からは一気に読み進め、止まることができませんでした。
そしてラストは、あの「容疑者Xの献身」に匹敵するほどの感動が待っていました。号泣です。

加賀恭一郎がちょい役でしか登場しない加賀恭一郎シリーズですが、傑作ですね!
今までこのシリーズ、読んできませんでしたが読まないとだめですね。


希望の糸 (講談社文庫) [ 東野 圭吾 ]





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最終更新日  2024.09.09 11:12:59
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