2009/05/06(水)10:36
保坂正康+半藤一利著「昭和を点検する」
帯には
「なぜ、無謀な戦争に突入していったのか」
「五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点」
「昭和史研究の第一人者がどうしてもいま語っておきたい歴史の虚実がここにある」
と、ある。
裏表紙には、以下の本文の内容が紹介されている。
保坂 歴史の上で「しかたなかった」というのは、じつに微妙な言葉です。
それを言った人の全人格、全人生が問われることになる。
半藤 後世の人が「そのとおりだ、あなたは精一杯やった」とうなずいてくれるか、
それとも「なんて無責任な野郎だ、ふざけるな」と怒り出すか。そのためにも
資料は残しておかないといけない。証拠湮滅は歴史への冒とくです。
保坂 ただね、関係者が生きておられるうちは、なかなか公正な判断がしにくいと
いうのも事実です。
半藤 また責任を痛感しておられる人ほど、批判に対しても甘んじて受けるという
姿勢の方が多い。
保坂 責任ある人の沈黙、あるいはわずかに残された言葉をどう解釈するかは
非常に難しい。 (本文より)
以下、目次
序 章 ありふれた言葉で昭和史を読む
第一章 世界の大勢
‥近代日本の呪文
第二章 この際だから
‥原則なき思考
第三章 ウチはウチ
‥国際的視野狭窄の悲喜劇
第四章 それはお前の仕事だろう
‥セクショナリズムと無責任という宿痾
第五章 しかたなかった
‥状況への追随、既成事実への屈服
5つのキーワード、「世界の大勢」「この際だから」「ウチはウチ」
「それはお前の仕事だろう」「しかたなかった」を切り口にしての対談と
いうところが面白い。これらの言葉は日常生活や諸組織の中で
しばしば耳にする言葉であり、読んでいる時に現在の風景と、つい
ダブらせてみたりしてしまった。