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カテゴリ:斬り捨て御免
一口に笑いと言っても細かく分かれていて、横文字だけでもユーモア、コメディー、ギャグなど微妙に性質が異なるものである。 日本で言えば、ドリフやギャグ漫画などのような計算された笑い。 たけし、さんまとか、ダウンタウンのように天性の資質を活かして、その場の空気を読みながらゲストをいじったりしてとる笑い。 爆笑問題やくりいむしちゅーなどの得意とする知識を活かした毒を含む笑い。 高田純次やルー大柴、江頭のような強烈な個性で笑いをとる力わざ。 落語家や物まね芸人のように「芸」を活かす職人たちもいる。
人を泣かせるより、笑わせるほうが難しいとはよく言われる言葉だが、昨夜そんな常識をぶち破るような方が当店に現れた。 強烈な個性と言えばその範疇に入るかもしれないが、この人の場合「まったくウケを狙っていない」ところがすごすぎた。 見てるだけで笑えてくる。いるだけで可笑しい存在。 ↑いや、外見はほんとに普通の人。 では、どんな人だったのか?を紹介してみたい・・・。
そのおっちゃんは勢いよく入ってきた。 「さあ、飲むぞおおおお!」と、やたらハイテンション。飲む前から酔ってるタイプである。ま、このぐらいはそうそう珍しくはない(だからといってたくさんいるものでもないが) 席を案内すると、そのおっちゃんは 「あ、ここね。OK、OK OKよ!」 と、しり上がりに声が大きくなっていく。しかもささきいさおのような声で! だみ声やがらがら声のおじさんたちも声がでかいが、まったく異質の大声なのだ。 しかも「OKよ」ってのが、なんだかなあ・・・。 まわりのお客さんになぜかウケている。 (これは使えるかも?)( ..)φメモメモ
食事が始まった。 昨夜は他のお客さんもかなり来てくれてにぎわったのだが、ひときわ響くおっちゃんのささきいさお声。 「じーざす・くらいすと!」 なんの話をしていたか知らないが、突然↑こう叫び始めたおっちゃん。 相棒の人は苦笑いするしかないと言った風情。 私の妻が呼ばれた。 「ボクに生。あ、おまえ(相棒のこと)ものむか?」このとき、相棒の人のジョッキにはまだ半分以上ビールが残っている。 「よおし!生二つね!」 と、こんな調子で相棒の方の前に最終的に生の入ったジョッキが四つも並ぶハメに・・・。 こっちは気を利かせて「大丈夫ですか?」と目で訴えるのだが、相棒の人は「いうとおりにしてやってください」みたいな目でこたえてくれる。 おっちゃんは止まらない。 やおら、携帯を取り出すと 「ボク、パソコンが大得意!」 と、高らかに宣言したのだああああ! パソコンじゃないしぃ。大得意って言いながら奥さんに電話しただけだしぃ・・・。 しかも、切り終えた直後から 「遅い!まだ来ないのか?」 と、店内をうろつく始末・・・。 これらのセリフ?はすべて大声のささきいさお調で叫ばれていたのだ。 もう、笑うしかない。 おっちゃんは、始終マジメであった。 ウケとか笑いをとろうなどとは、露にも思っていなかったことはわかる。 だから恐ろしい。 完璧な天然お笑い男なのだった。 弟子入りしようかな?(すんなよ!) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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