案山子の世界

クラシック奏者ではないが、ギターを始めたころに影響を受けたアーティストが２人いる。一人めはロス・インデォス・タバハラス。一人といってもデュエットだが。この伝説的な人物達がかもし出す音色は、実にすばらしいものだった。欲にタバハラス奏法といわれ、メロディを弾く兄のギターは右側のフレットがすべてえぐられていた。それによってポルタメントがかけやすくなって、より甘い音色を出すことが出来た。我がギターもそれによってフレットを削られる運命になったのだが・・・。彼らのテーマ曲といっていい「マリア・エレナ」はすばらしい曲だが、彼らが弾くショパンの「幻想即興曲」は鬼気迫るものがあった。インティアンの酋長の息子達が、ある時白人が置いていったギターをおもちゃにして弾きこなすようになった・・・なんて触書を信じていたが、どうみてもクラシックギターを二人とも本格的に習ったとしか思えない（笑）彼らのレパートリーの中で「縁は異なもの」が一番好きだった。
二人めはチェットアトキンズ。やはり彼もアトキンズ奏法なるものがあるが、映画曲の入ったＬＰの中で彼の演奏が際立って目立っていた。思えば、グループサウンズなるものが出現する以前に、アンプを通して初めて聞いた電気ギターの音だった。最近、百金でベスト盤を買ったが、何か今一だったのは耳が肥えたからか、抑揚のない音のせいか・・・。アトキンズ奏法をひったてて、鳴り物入りでデビューした、ムリエル・アンダーソンもクラシックギターとして聞くと、同じ女流ギタリストの村地佳織のほうが数倍いい。
後、ヤマハのデモテープで、おおっ！て思ったアーティストが三人いた。一人はかの高中まさよし、そして増尾良明、最後はシモンズの太ったほうと結婚した人（名前忘れた・汗）中でも高中まさよし（これも正確な名前忘れてる）の弾く曲はエスプリがありキラキラ輝いていた。多分、サデスティック・ミカバンドに入る前ぐらいだったのかもしれない。その後フリーになっての活躍は周知のところだが。
それにしてもベンチャーズで始まったグループサウンズ。雨後の竹の子のように乱立した集団に殆ど何の感銘も受けなかった。ビートルズですら、ちゃらちゃらしたグループサウンズと同等だと認識していた。今でも彼らの曲すべては受け入れられないが、曲そのものはすばらしいものが多数あることを知った。音楽性として、ベンチャーズラー達（笑）と一線を引くものだと思った。
グループサウンズで思い出したが、ブルーシャドーを歌ってた、え～と名前思い出さない・・・のグループは本格派なんていってるものが多いけど、音楽性では他のバンドと似た物。それに比べて、ジャンルは違うが、クレージーキャッツの面々の個々の実力たるや彼らには到底真似できないだろう。昔、桜井千里が地元に来たとき、調律をしてリハに立ち会ったが、すばらしい演奏家なのでびっくりした思い出がある。谷啓のトロンボーンも超がつくくらい一流。
脱線、脱線（笑）
鶴岡正義とアントニオ古賀。二人の共通点は・・・・。彼らは一方は演歌。他方はポピュラーだが、クラシックギターの基本をかの阿部保夫に師事している。道理で芸能界では技術面が突出しているはずだ。それにしても小野リサのボサノバギターは誰に習ったのかなぁ。