ニホンイシガメの甲羅の構造
今日はニホンイシガメの甲羅についての話です。今回の写真は人によっては不快感を覚える方がみえるかも知れませんので予めご了承下さい。ニホンイシガメさんです。。。裏返すと。。。中身は空っぽです。。。腹甲と背甲がふちだけでなく4本の梁でつながっているのを確認できます。近寄ってよく見ると人の頭蓋骨のようなイメージです。腹甲板継ぎ目の部分でバラバラになっています。。。だいぶ風化が進んでいるようです。骨の部分と角質の部分が剥がれています。骨の断面を見るとかなり密度が高く強度を重視した構造のようです。陸棲の生物は軽い事が重要ですが基本的に水の中で暮らすニホンイシガメは軽さよりも強さを選んで進化したようです。陸上では重たい分四肢に負担が掛かりそう。。。もっと皮膚の硬化した角質の部分に厚みがあるかと思ったら意外にペラペラです。甲羅の角質部分と骨の部分ではそれぞれのつなぎ目の部分がずれているのが確認できます。この構造で甲羅の強さを高めているそうです。首の付近の皮が残っているのが確認できます。何歳まで生きたのかな?寿命で亡くなったのなら良いのだけど。。。。卵のようです。死ぬ時までお腹に卵を抱えいたようです。。。。。もしかして卵詰まりが原因で亡くなったのかな?基本的に甲羅は骨で出来ている!といっても良さそうです。これだけしっかりとした骨を持っていれば他の生物よりもカルシウムの要求量が多いと思われます。雑食のヌマガメはカルシウムの豊富な魚やエビや貝などを食べているので良いと思いますが、草食のリクガメでは植物から摂取したカルシウムを残らず吸収するために紫外線を浴びる事が重要になってきそうですね。「紫外線不足によって甲羅が脱皮不全になる」というような話を聞きますが、脱皮で剥がれるのは皮膚の角質化した部分・・・これは主にたんぱく質から出来ているので紫外線は関係ないように思います。紫外線灯で飼育していたら脱皮不全を起こしたが太陽光で甲羅干しをさせていたら正常な脱皮をするようになったとしたら、それは紫外線に由来するものではなく赤外線・温度に由来するように思います。。。真夏の太陽の下でバスキングをしているカメたちの体温は一体何度になっているのか・・・?ゼニガメと呼ばれるニホンイシガメやクサガメの甲羅の異常は紫外線不足よりも過乾燥(乾きすぎ)によるものが多いように感じます。陸場の温度が低すぎると、いつまで陸にいても体は乾いても体温は望むところまで上がらないためいつまでも陸場にいて甲羅が乾きすぎてしまうのかな?本来ならば水に入ったり陸に上がったりしながら体温の調節をしますからね。うちのちび太も家に飼い始めのころは圧倒的に陸にいる時間が長く、その頃に成長した甲羅はいびつな形になっています。。。小さな頃から座敷亀にしていると・・・・・・・。健康に状態良く育った亀の甲羅は滑らかで美しいものになります!甲羅の異常=紫外線不足!などと決め付けるのは危険かもしれないですね!