ケヤキの木の下で            岐阜/愛知 自然素材でZEH READYの家

2021/08/30(月)09:15

試行錯誤

家づくりのたいせつな話(512)

​ おはようございます、 紙太材木店の田原です。 8月も最後の週、暑さの峠も明日頃までとか。 同時に2021年も残すところ4か月で、 昼間に吹く風も秋の気配があります。 先週土曜日に現場で左官屋さんと大工さんと話をしていたのですが、 二人ともその日の朝は寒くて布団をかぶって寝ていたと… 左官屋さんは飛騨地方の下呂市の金山、 大工さんは美濃市で 私の町からは共に30分ほどのところ。 二人とも寒くて暑い家に住んでるから… さて、 建築知識ビルダーズの46号が発売されてます。 編集長の木藤さんの想いが詰まった力作で、 工務店や設計事務所の実務者は必見の内容です。 紙太材木店では2014年から付加断熱をするようになって 2016年以降はそれが標準となってますが、 その施工方法は何回か変わっています。 新住協の技資料にもいくつかの手法が紹介されてますが、 コストや施工のしやすさ等 試行錯誤するところが随分ありました。 今回の建築知識ビルダーズには、 北海道の山本亜耕さんの事務所が標準仕様にしている 付加断熱の仕方が図面付きで出ています。 今後の5地域(美濃地方)でのHeat20 G3を意識すると、 参考になる部分が多くあります。 山本さんの断面図を見ると 高性能グラスウールで 充填断熱で105ミリ 付加断熱で140ミリ 内部付加断熱で50ミリ 合計壁の断熱材の厚さは295ミリ、 壁自体の厚さはPBや外壁材が加わりますから360ミリとなっています。 美濃地方で付加断熱を施工している 新住協の工務店の多くは 壁の断熱材の厚さは205~225ミリですから、 同じ16Kの高性能グラスウールなら30%ほど厚い断熱材が使われていると言うことになります。 それが24Kや32Kの物であれば ほぼ倍と言って言っていいでしょうか。 以前の北海道では 外部の付加断熱に2x4材の 210(ツーバイテン)が使われてましたが、 恐らく施工性の問題から 外部は208材に変わり、 その代わり内部に50ミリの付加断熱を入れるようになったと思われます。 単に数値を手っ取り早く上げればいいわけではなく、 トータルなコストも意識する必要があるわけで、 内地の工務店にとっては 北海道での様々な試行錯誤の変遷はとても参考になります。 美濃地方では 山本さんが標準にしているほどの断熱仕様にする必要はありませんが、 それでもG3を意識される方が今後出てくると予想されますから 何らかの方法を考えておく必要があります。 もちろん、Ua値云々ではなく 暖房負荷や冷房負荷が優先ですからお間違えの無いように。 初期コストとランニングコスト、 それに自分自身がどんな暮らしがしたいのか、 それが大切です。

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