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劇場通いの芝居のはなし

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2017.08.18
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声帯で作られた「声」はとても小さい。身体に共鳴させて、聞こえる大きな声にします。
音叉の実験をしたことがありますか。共鳴函に音叉の先を当てて、函中の空気を共振させ、共鳴を作ります。作られた「声」が当たるところが音叉の先端、身体の各部がそれぞれ、共鳴函です。わたしたちの身体でいえば、大きな順に頭蓋骨、肋骨、鼻腔、喉頭、口腔となります。共鳴部は固くなければいけませんので、骨のあるところが基本です。鼻腔、喉頭、口腔だと柔らかくて音がぼやけます。
頭蓋骨を使った頭部共鳴は、骨が大きな範囲を覆いますから、大きな音量になります。響きも明るく、声が上に向かって進むので、遠くまで聞こえます。声楽で重要なのはこの共鳴です。頭蓋骨は頭にぐるっとありますから、どの方向にも声を向けることが可能です。わたしは学生に前で、実際に声を360度まわして聞かせることにしています。この共鳴の欠点は、声に色がつかないこと。つまり感情を現しにくいことです。したがって、これだけだと演技が薄くなります。かつて劇団四季の演技が批判されたのは、此の発声を中心にしていたからですね。でも、ミュージカルで歌を歌うときには、都合が良かったのです。
マスク共鳴は顔・目のあたりで響かせる共鳴です。息を顔に当てる、という感じです。わたしは、顔に乗ってゆく、と表現しています。顔の凸凹、広い狭いは様々なので、共鳴も微妙に異なり、人によって違う声になります。観客に直接向かってゆく声、感情が盛り込める声になります。ただ、顔の向いている方向にしか声は進みません。また、頭部共鳴ほど大きくはなりません。
胸部共鳴は肋骨に響かせます。胸郭自体は大きいですが、隙間があります。骨の響きと隙間の響きが合わさって、穏やかになります。私は胸ではなく背中に響かせるように指導しています。
鼻腔に響かす「鼻声」は二種類の声がでます。鼻先を突き出すようにすると鋭い鼻声、鼻孔を広げるようにすると柔らかい鼻声になります。口腔共鳴はくぐもった声、喉頭共鳴は下品な声なので、あまり使わなくて良いでしょう。一応、学生の前でやって見せますが。
高い音程は頭部共鳴、低い音程は胸部共鳴に、自然になります。別の共鳴も練習しましょう。共鳴させたい身体の部分を広げるようにすると、共鳴しやすくなるようです。
なお、準備運動のとき、口の中を広げておいてください。特に、軟口蓋を上に開いてください。たいていの人は、これを下げたままにしています。これを上げておくと、口の開きが大きくなるだけでなく、頭部共鳴しやすくなります。声が明るく大きくなります。
口を開けろというと、前で、下あごを下げる人がいます。これをすると、舌の奥が持ち上がり、のどをふさぎます。下あごは、耳のところに蝶番があるのですから、ここから真下におろすと良いです。口は横からみて三角形でなく、四角形に開けます。
ついでに。喉を開けろとよく言われますが、声帯のところを開いてしまうと声が出ません。詰めてしまうと息が通りません。わたしは、(息が通る)のどの後ろは開き、(声帯が合う)のどの前は閉めなさいと指導しています。6Pチーズのような三角形をイメージするのです。
発音、活舌については、次回にします。
by  かみざわかずあき





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Last updated  2017.08.18 09:00:10
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