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2005年10月19日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
そのまた、昔のまた昔。
ずぅーっと昔のまた昔。

美しく、気高い女皇がおりました。
女皇は幽玄の丘の神殿に住み、日の神に仕えておりました。

女皇にはひとりの弟君が居り、
弟君の仕事は、女王の詔(みことのり)を聞き、
詔の如く国を治めることでした。

未だ暗き朝。
夜露を踏んで弟君は丘の上の神殿に参内し奉ります。
姉君である女皇を、まどろみからお起し奉り、
絹衣を脱がせ、湯殿にとお連れ申します。

真白き肌に触れ、その裸身を浄めることは弟君だけに許された仕事でした。
そして、弟君は女皇の裸身を朝日の射る褥に横たえます。
やがて高窓から朝一番の陽が差し込み、女皇を照らしはじめます。
女皇は日の神と契り、厳かな快楽へと身を委ねます。

その間、弟君はお側に控え、静かに神と皇との契りを見守ります。
身の内に巻き起こる甘美と嫉妬とに絶えながら。。。。

弟君は姉上を愛しておりました。
命、賭けて。。愛しておりました。

しかし、それは皇と臣故、
姉と弟と故、
姉は神と契る者故、
永久(とわ)に、秘められた恋情でございました。

ある時、姉と弟の国に、隣国荒ぶる神の国の軍勢が攻め込みました。
荒ぶる神の軍勢は、鉄の剣と鉄の盾を持ち、
黒い騎馬に乗る強大な軍勢でありました。
弟君は、姉君を護って槍を取り勇敢に戦いましたが、
やがて、槍は折れ、矢つき、傷つき倒れてしまいました。

女皇は囚われ、丘の上の神殿に幽閉され、
荒ぶる神と契り、妃となることを強要されてしまいました。

弟君は八雲立つ国に逃れ、隠れ棲み、
血の涙を絞って、お誓いになりました。
七度、生まれ変わってでも、荒ぶる神を滅せんと。

今度こそ、皇と臣としてではなく、
彼のひとを褄として愛さんと。。。。
歴恒の時を経ても、必ず、必ず、愛さんと。。。。。

むかし、むかし。
そのまた、昔のまた昔。
ずぅーっと昔のまた昔。





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Last updated  2005年10月19日 11時45分48秒
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