歩人のたわごと

2018/06/06(水)17:03

若山牧水「みなかみ紀行」

読書(234)

若山牧水「みなかみ紀行」を読んだ 五月初めに行った群馬のドライブの途中 暮坂峠で牧水の詩碑に出会ったのが縁である 彼は旅が好きでよく出歩いている しかもひと昔の旅だから良く歩いている 紀行文を読むとなかなか健脚の様子がうかがえる 一日に40キロくらいは平気で歩いているようだ 歩く服装や持ち物にも気を配っている 地図、磁石、時刻表を持ち歩いていることが 文や詩からわかり、相当の歩人であると思った 草鞋よ、お前もいよいよ切れるか 今日、昨日、一昨日、これで三日履いてきた 履上手の私と、出来のいいお前と 二人して越えてきた、山川のあとをしのぶに 捨てられぬおもひもぞする なつかしきこれの草鞋よ (中略) 枯草に腰をおろして 取り出す参謀本部 五万分の一の地図 白玉の歯にしみと ほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり この有名な歌で酒好きであることは 容易に想像することができる 紀行文の中でも、昼や夜は当然のごとく 朝食時にも酒を注文している 暮坂峠で牧水の銅像と詩碑に出会い いま、著作・みなかみ紀行を読んで 旅と自然と酒が好きな詩人であり 歩人であることを知ったことで 一層の親しみを覚えることとなった。 蛇足になるが、この本ではホトトギスが ほったんかけたか、ほったんかけたか と鳴いているのが新鮮であった。

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