2024/04/09(火)14:29
<ブックレビュー>筆と槍~天下を見届けた男~(第二章 凶変・本能寺)
様々な紆余曲折を経て、宗是は信長の右筆となったわけですが、そのさなかに、信長が本能寺で討たれてしまい、その後、秀吉が天下を取ることになります。
信長を討った明智光秀が、こんな事を語ります。
天下人になる者はあらかじめ決まっていない
歴史をひもとくならば、信長、秀吉、家康・・・と、天下を取るために生まれてきたんじゃないか?なんて思ってしまうのですが、実際には、たまたまそうなってしまった・・・という偶然が重なって、そうなったにすぎない、ということなのです。
まあ、それにしても、天下を取るにしても、情勢を読み取る能力というものが必要であったりします。
いくら下剋上だからといっても、たった一人で天下を取ろう・・・と思っても、むざむざとやられてしまうだけです。もしくは無視されてしまうか。
自分に優位になりそうな人物を目ざとく見つけたり、不利になりそうなものを排除したりなど、そういったことを目ざとくやることが、天下を取るために必要不可欠になっていくのかもしれません。
第三章に続きます。
佐藤巌太郎(さとう・がんたろう)著・江戸川南斎(えどがわ・なんさい)画「筆と槍~天下を見届けた男~(第二章 凶変・本能寺)」
河北新報日刊版掲載 2024年3月8日〜2024年4月8日