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テーマ:暮らしを楽しむ(384194)
カテゴリ:日記
■2017年の状況 まずは2017年に起こることを整理したいと思います。 2017年は様々な技術のインフラ整備が行われます。その中でも第5世代移動通信システム(5G)の実証実験が始まります。5Gは今のPCやスマートフォン等に使われている4Gの次の規格です。 簡単にまとめると、5Gには以下のメリットがあります。 高速通信: 最大で20Gbpsの通信速度や、LTEの1000倍の大容量化 同時多発接続: 同時接続数端末数が100倍 超低遅延: 1ミリ秒以下の遅延(自動運転等に対応) 5Gはスマートフォン等の通信だけでなく、ヘルスケアや教育、VRの分野でも使われます。 (出典 : ITU-R WP5DワークショップでのARIB 2020 and Beyond Ad Hoc Groupの講演資料 (2014 年2月) ネットワークの低遅延化・広帯域化で実現する新サービス・アプリケーション VRの分野では、人間が頭の向きに自動的に目の位置を合わせる前方動体反射(VAR)に必要な7ミリ秒を超える遅延があると違和感を生じるため、ネットワーク部分での遅延は1ミリ秒程度に抑える必要があります。 また、自動運転でも1ミリ秒以下の低遅延化が必要になります。 このような5G通信は、2020年頃には商用化され、一般の方が使用できる予定になっています。 *5G参考資料 ・ARIB 2020 and Beyond Ad Hoc Group White Paper Mobile Communications Systems for 2020 and beyond ・ 第5世代移動通信システムを取り巻く世界の状況と展望について ’17 すべてわかる5G大全 (日経BPムック)[本/雑誌] / 日経BP社 しかし、5G技術には、室内で電波が干渉したり、壁などで電波が減衰する等といった課題があります*(*telecoms.comより)。 また、従来の電波を使った技術全てに通して言えることですが、航空機内や手術室等では電波を発する機器は使用することができません*(*Light Fidelity (Li-Fi) - The bright future of 5G visible light communication systemsより)。 そこで、注目されている技術が"Li-Fi"です。 ■Li-Fiとは何か Li-Fiとは、"Light Fidelity"の略で、LEDを使った光空間無線通信の一種です。光空間無線通信とは、その名の通り光を使った通信方式で、大きく分けると、赤外線を利用したものと、可視光を利用したものがあります。古くはリモコンなどの赤外線の利用に限定されていましたが、最近ではLED照明が普及したため、LEDを通信目的に使用する技術が盛んになってきています。 光空間通信が注目されている背景としては、モバイルトラフィック(通信量)が増加していることが挙げられます。年間平均増加率は78%であり、2016年のトラフィック総量は対2011年比で18倍、対2014年比で2.6倍になっています*(*Cisco Civual Networking Indexより)。 * Cisco Civual Networking Indexに記載されている予測はなかなか面白いです。 そこで、無線通信帯域の確保をする必要があります。その中で注目されているのがLED可視光等を使った光空間通信なのです。 Li-Fiは毎秒10億ビット(1Gbps)の速さで、デバイス間のデータ通信を行います。これは今実際に使われているWi-Fiのおよそ100倍ものスピードです。 Li-Fiの使用イメージ ■Li-Fiの仕組み LED電球に定電流が流れると、電球からは可視光として光エネルギーが発せられます。電流がゆっくりと変われば、光の強さも変わります。LED電球は半導体製品なので、電流を変化させることができ、その一方で光は、光センサーで検知でき、再度電流に変換する超高速の変調が可能です。この技術により、情報はLED電球から高速で通信することができます。 ■Li-Fiのメリット Li-Fiには、Wi-Fiよりも優れている点がいくつかあります。 高速通信 現行のWi-Fiよりも通信速度が100倍以上速いです。 省エネ 大量の電気を消費する電波塔が必要なWi-Fiよりも、エネルギー効率に優れています。電波塔の送電効率はなんと5%しかないそうです*(*TED:ハラルド・ハースのプレゼンより)。 Li-Fi開発者のドイツ人物理学者ハラルド・ハース(Harald Haas)氏の構想通り、光検出器の電源を太陽電池でまかなえば、ワイヤレス充電とインターネットへの無線接続が同時にできるようになるかもしれません。 室内等でのつながりやすさ 電波の干渉・混雑や電波がつながらない場所に悩まされることがありません。 セキュリティ Li-FiはLED電球の光が直接当たる場所でなければ使えないので、家の外にいる人間は屋内のシステムに侵入できません。よって、Wi-Fiよりセキュリティ面が向上するそうです。 ■Li-Fiの応用先 以下に代表的な応用例を挙げていますが、PureLiFi社によると、以下の応用先だけでなく、様々な応用が考えられるようです。 参考:Applications of Li-Fi スマート照明 モバイル通信 電波が使えない病院内や航空機の中等 自動車、交通システム etc ■Li-Fiの動向 Li-Fi自体は以前から開発されてきましたが、近年注目すべき動きがありました。 まずは以下にLi-Fi関連技術の代表的な出来事を整理しています。 ここで注目すべきなのは、AppleがLi-Fiを将来のiPhoneに搭載すると言われていることです。 AppleもLi-Fi技術を高く評価しているのではないでしょうか。 2016年の段階でも、iOS 9.1のコード内から、現時点では未対応のはずのLi-Fiの存在を示す文字列が見つかったことが話題になっています。今のところ、Li-Fiは「近い将来、実用化が期待される超高速通信技術」ですが、Appleも対応を進めているようです。 また、シンガポールも国策としてLi-Fi導入を進めています。 シンガポールのIMDA( Info-communications Development Media Authority)では、これから来るLi-Fi技術で世界をリードし、先頭に立つことで競争優位性を高めることを目指しています*(*pureLiFi in Singapore working to implement leading wireless innovation)。 一方で国内では、豊田中央研究所がLEDを用いたV2V(車車間通信),I2V(路車間通信)の研究を進めています。 電波を使った通信ではなく、光を使った通信をすることで、車同士が速い通信(低遅延通信)を行うことができ、加減速などのスムーズなやりとりをすることができます。 光を用いたV2Vの概要 以上のようなLi-Fi市場は、2013年から2018年まで年平均成長率82%で成長していくと予測されており、2018年には60億ドル(7000億円@2017年1月レート)の市場規模になるとされています*(*prnewswire.comより)。 ■まとめ(今後の展開) Li-Fiにはまだまだ課題もありますが、次の通信技術としては非常に魅力があります。 ただ、Li-Fiが出てきたらWi-Fiはもういらないというわけではなく、両者は補完関係にあります。 例えば、パソコンとLEDでデータの送受信をする時に、パソコンに受光機はあっても、Li-Fiを使ってデータを「送信する」装置が付いていないケースが考えられます。その場合には、動画等のダウンロードはLi-Fiでスピーディに行い、アップロードはWi-Fiやケーブルを使って行うことができます。 Li-FiとWi-Fiの使用例 またLi-Fiは光を使っているため、外での使用にまだ対応できていない部分もあります(豊田中央研究所のV2Vの技術は、外での光通信対策をしています)。 一方で5G(電波)は外での通信に強いので、外では5G、中ではLi-Fiを使うなど柔軟な切り替えもできると、こちらも補完関係になり得ると思います。 僕はLi-Fiはまだ実験室レベルの技術だと思っていました。 しかし、AppleがiOSのコードでLi-Fiについて言及していることや、シンガポールが国としてLi-Fiを進めようとしていることを鑑みると、これからLi-Fi技術が一般の方に使用される日も近いのではないでしょうか。 https://www.wowapp.com/w/kaoru.ikeda/Kaoru-Ikeda http://plaza.rakuten.co.jp/kaoruikeda/diary/ http://moppy.jp/top.php?tJSJe177 http://kaoruikeda.blog.shinobi.jp/ http://blog.livedoor.jp/kaoru72/ http://kaoruikeda72.blog.fc2.com/ https://note.mu/19721023/ http://utsukebron.seesaa.net/?1481845285 http://kaoruikeda.hatenablog.com/ https://kaoru72.blogspot.jp/ http://kaoruikeda.jugem.jp/ http://kaoruikeda.tumblr.com/ https://kaoruikeda.wordpress.com/ blog.goo.ne.jp/kaoru_ikeda/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.18 18:31:24
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