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いきなりですが、この映画で最も気になるのは「白い尻」です。何のことかといえば主人公と恋仲になる女性市民義勇兵が主人公との抱擁の際に見せる尻なのです。映像的にはほんの1秒たらずなのですが、真っ白の白が妙に印象的なのです。スカパーの情報誌で井筒監督が同じ事を書いていたので、同じ感性の人がいるものだと妙に感心した次第です。
さて、映画の舞台は第二次世界大戦のソ連対ドイツの攻防で1942年9月のソ連スターリングラードでの戦いです。スターリングラードは、その名の通りソ連の指導者「スターリン」の名を冠した主要都市で、ドイツとしてはどうしても占拠したいし、ソ連としては名を汚すわけにいかず絶対に落としたくない拠点だったわけです。 ドイツ軍はここまで快進撃を進めてきており、絶対優勢だったわけですが、実態は補給線が伸びきっており限界に来ています。対するソ連は敗走の末、すでに兵士や兵器が足らず、一般農民等を緊急召集した急造部隊で、兵器の扱いも知らず、数もないままいわば「人海戦術」に出ている局面です。ソ連兵の主人公はそんな中、ハンターの技術を持つが故に「狙撃手」として認められ、次々にドイツ軍将校を狙撃し、ソ連共産党の青年政治将校によってソ連国民の英雄に祭り上げられていくのです。窮地に追い込まれたドイツもまた、狙撃兵として名高い少佐を送り込んできます。ソ連狙撃兵ヴァリシとドイツ軍少佐の一騎打ちが始まっていきます。 日本公開は平成13年の1月だったと思いますが、その当時のキャッチコピーが「愛するターニャ、今日も僕は君のために、またひとり敵を撃つ。」となっていましたが、映画は全くそのとおりではありません。冒頭の白い尻の主がターニャなのですが、愛し合ってはいるが、狙撃はそんなためにやっているわけではないですね。精神的にも極限にまで達している中でどうしてそんなこと思うかな。映画の中でもヴァリシは狙撃を嫌がっていますし、狙撃しなけりゃ同志から粛正されちまうという究極の選択の中にいるわけです。映画の初めの方で出てきますが、ソ連軍はかき集めた召集兵が退却してくるそれを味方が機関銃で撃ち殺してしまうんですよ。恐怖で縛り付けたソ連軍規律が良く描かれていますね。 そんなわけで、スターリングラードでのはちゃめちゃぶりが良く描かれており戦史的にも背景がわかりやくできあがっています。兵器類はあまり出てきませんが、戦場のリアル感は良く出てます。ちなみに、この2ヶ月後には逆にドイツ軍がソ連軍に包囲されてしまうのです。 まあ、白い尻でも見て下さいな。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年04月05日 20時23分00秒
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