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2007年02月16日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2005 カナダ  監督:シドニー・J・フューリー
出演者:カーティス・モーガン、ザン・カラブレッタ、ジョーダン・ブラウンほか
104分 カラー 


 兵器類は銃器以外ハマーとトラックしか登場しない低予算映画だが、端から期待しなければ意外に楽しめる。イラク戦争を題材にした本格派戦争映画としては先駆けとも言えるし、現在もなお死者を重ねているイラク駐留米軍の内実を知るには良い作品だろう。ただ、監督はかつてワースト監督賞にもノミネートされたこともあるシドニー・J・フェリーで、ちょっと平和主義的な思想かぶれの嫌いがあるB級映画監督。あのスーパーマンシリーズでは駄作と評判の高い四作目を手がけた人でもある。今作は出身国のカナダで制作したもので、その辺りを差引いて鑑賞するなら無問題(笑)。

 本格派戦争映画だけあって、戦闘シーンは銃撃音やRPGの攻撃などかなりの迫力があり、頻繁に登場する死体等のシーンはかなりエグい。敵のRPGは米軍車輌になかなか当たらなかったり、格闘戦で米兵がやたら強い、といういくつかの不自然さはあるものの、次から次へと迫り来るテロリストの姿はかなり緊迫感のあるストーリー展開を見せる。これでもか、これでもかと襲いかかるテロリストの恐怖は「ブラックホーク・ダウン(2002)」を彷彿とさせるものがある。時間を表示させて時系列形式で描いていく手法は、「ブラックホーク・ダウン」やTVドラマ「24」でも用いられる手法で、ドキュメンタリー的なリアル感と緊張感を高める効果があるのだが、本作の場合、それぞれが短めの単発戦闘にまとめられてしまっている上、いちいち暗転フェードアウトで編集されるため、緊迫感の持続が著しく阻害されてしまったのが残念。視聴者側の緊張感の持続時間とメリハリを考慮し、もっと戦闘シーンの回数を減らしてロングシーンにしてみたり、兵士の心情をじっくりと描いてみたりすれば良い作品になったであろう。
 その兵士の心理描写については今ひとつで、演技と会話のミスマッチが気になった。迫り来る恐怖や、戦友を失った悲しみの言葉を羅列している割には、表情が淡泊だったり行動が伴っていない。最も気になったのは、何か事がある度に隊員が集合するのだが、感傷にひたっていて周囲の警戒を完全に怠っている点。いつどこからテロリストに狙われるかわからない、という恐怖と緊張感が重要なはずなのに、そこが抜け落ちてしまっているために、映画全体に緩みを感じる。また、腹部に重傷を負った軍曹が時を追うごとに元気になっていく、というのも緊迫感を阻害する。このあたりが、テレビドラマのようなチープな雰囲気を感じる要因となっているようだ。
 映画中では幾度となく米兵の死の意味、価値が問いただされており、本作の最大のテーマになっているようだ。イラク人にとっての聖戦(ジハード)と米兵の正義の矛盾。「何のためにイラクで死ななければならないのか」米兵の自問自答する姿が切ない。結局は「仲間のために戦うのだ」という、あきらめにも似た軍隊特有の義務忠誠心に返っていく。
 また、イラク人警察との連携協力シーンではイラク国民と米軍の緊密感がアピールされる。個人的にはここで登場する警部補が最も好きなキャラなのだが、米軍を救援しに来るイラク警察が格好良いし、ストーリー的にも面白く、もっとこの設定を引きずっても良かったのではないかと思った。反対に、虐待されていたイラク人テロリスト捕虜の救出シーンは面白くない。アメリカCIAの息のかかったイラク人組織の犯行ということでオブラートに包んではいるが、米軍の行為を暗に非難している。映画のストーリーとしては突飛すぎるし、蛇足としか思えない設定だった。
 このほか、衛生兵(ドク)の苦悩も大きなテーマの一つとして描かれている。一人の仲間の命すら救うことができない苦悩と葛藤は観ていて苦しくなってくるが、こうしたことはどの時代のどの戦争でもあったことであり、当事者にとっては最大の関心事なのであろう。
 
 軍装や兵器については結構細かい考証がなされているようだ。武器の名称も事細かに登場するし、銃声音もリアル。主役の所属は陸軍第一騎兵師団で、三等軍曹が率いる分隊のようだ。途中から合流する部隊は陸軍第一歩兵師団でオハイオ州兵。中尉が率いるミリタリーポリス(MP)中隊だ。本作のエンドロールには本作で戦死した兵士の名前、階級、出身地が流れる。ということは、本作は史実ということなのだろうか?。そのあたりについては今ひとつ判然としないが、本作で描かれていた内容は、イラク戦争における日常としてあり得なくはない話なのであろう。ノンフィクションならば、なおさら緊迫感と切実感が増してくるのだが。
 撮影はカナダ国内のようだが、道路や建物などは実に良くできており違和感はない。

 全体に、都合の良いように脚色した感が強く、完成度としても決して高い映画ではないが、イラク戦争の日常や米兵の苦悩を垣間見るという点では良くできていると言える。粗も目立つのだが、何だかんだ言って映画に引き込まれていくのは、やはり題材がイラク戦争という未知の世界だからこそなのであろうか。

興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★★★
感涙度★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 イラク戦争が終結宣言されたのちもイラク駐留の米兵は死傷者を重ねている。2004年4月12日、午前6:25、米陸軍第一騎兵師団の一分隊を乗せたハマーとトラックがパトロールに出かける。
7:00 橋の上で警戒中の分隊にイラク人テロリストが83mm迫撃砲で攻撃を仕掛けてくる。指揮官のデルベッキオ三等軍曹はテロリストへの攻撃に転じるが、その過程で新兵のダウディ上等兵が崖下に転落し孤立する。テロリストは殲滅するも、その援護に当たったデルベッキオ軍曹は腹部に重傷を負ってしまう。緊急の縫合手術が必要であり、指揮を代わったストーカー三等軍曹は近くの民間病院に向かうこととする。しかし、テロリストがいつ現れるかわからない。
7:40 民間病院に到着。ダウディ上等兵、カーバー特技兵が見張りにつき病院内へ。そこには治療を受けるテロリストがいた。院内での銃撃戦の末、デルベッキオ軍曹は腹部の縫合手術を受ける。その間にも病院付近にテロリストが終結し、絶え間ない銃撃とRPG攻撃を仕掛けてくる。危険を感じた分隊は病院を脱出することにする。
8:15 移動するトラックの後方からテロリストのRPG攻撃を受ける。ピーナ上等兵は「ルイジアナ2ステップ」と呼ばれる待ち伏せ攻撃で敵を殲滅する。大声でイラク兵の死体を罵るダウディをストーカー軍曹が敬意を払えと諫める。初めて死体を間近で見たジョンソン上等兵は顔が青ざめるのだった。
8:50 通りでIDE(仕掛け爆弾)を発見。処理の際に飛び出したイラク人少年をかばったカーバー特技兵が負傷。治療に当たった衛生兵コーエン特技兵(ドク)は軽傷だと笑い、何故イラク人をかばったのかと聞く。カーバーは自分にも似た歳の妹がいるからだと答える。
9:20 自動車爆弾を発見し、退避中にRPGの攻撃を受ける。この攻撃でハマーが損壊し、ストーカー軍曹が負傷する。トラックごと近くの倉庫に退避するも、周囲をテロリアスに囲まれてしまう。ドクは懸命な治療を続けるも、ストーカー軍曹は死亡してしまう。ストーカー軍曹は死に際に「仲間を助け合え」と言い残す。指揮は黒人のジャクソン特技兵に移る。無線で大隊本部に救援を求めるが、大隊も襲撃を受けており断られる。絶体絶命の危機にイラク警察部隊が救援にやってくる。分隊はイラク警察部隊とともに倉庫を脱出する。
10:30 分隊はイラク警察署に身を寄せる。救援してくれたのはアーメド警部補の部隊で、本職の警官はほとんど死亡しているが、その親兄弟がともに戦っているという。警察署前で腹に爆弾を巻いた男が自爆する。間一髪の所をアーメド警部補に助けられるが、側では多くの民間イラク人が巻き添えで死亡する。
 警察署にもテロリストのRPG攻撃が迫ってくる。この攻撃でデルベッキオ軍曹の縫合が破れてしまう。ドクは初めての外科手術に挑む。ジャクソン特技兵は一人のイラク警察官がスパイであることに気づく。携帯電話でこちらの情報を流していたのだ。アーメド警部補が射殺するが、テロリストの攻撃でアーメド警部補が気を失い、テロリストに連れ去れそうになる。そこをジャクソン特技兵が助け出す。さらに、テロリストは大型トラック爆弾を差し向ける。警察署直前でこれを撃退する。
 無線連絡で救援ヘリがやってくることとなる。
13:00 イラク警察と別れた分隊はヘリ到着地点で待つ。しかし、ヘリは来なかった。途中でRPGに撃墜されたのだ。分隊に生存者救出の命令が下る。
13:25 ヘリ撃墜現場に到着するが、生存者はいない。イラク人の子供たちは米兵の遺体を弄び、テロリストもまた死体をさらに痛めつけている。怒ったジャクソンらはテロリストを射殺する。エイカース上等兵は殺したイラク人テロリストが少年であるのを見て、ショックを受ける。
13:45 テロリストのRPG攻撃を受け、トラックが故障。敵兵に囲まれて往生しているところに、陸軍第一歩兵師団のMP中隊の狙撃部隊が通りかかる。バニング中尉が指揮する部隊に窮地を救われた分隊は、バニング隊に同乗して基地に向かう。
14:25 イラク人捕虜を移送中だったバニング中尉はCIAに一任された組織が管轄する収容所に到着。イラク人の青年を収容所のフェデリコ司令官に引き渡す。しかし、その収容所では捕虜への虐待、拷問が行われており、ジャクソン特技兵は正義感からこれに反抗することにする。他の隊員も同調し、バニング中尉もまたこれに参加し、捕虜を解放して連れて行くことにする。
15:35 捕虜を連れて移動中にRPG攻撃を受ける。近くの倉庫に逃げ込んだ一行だが、バニング中尉の狙撃兵が戦死。さらにカーバーがRPGの攻撃を受けて戦死。兵達は何故、こんな国のためにしななければならないのかと苦悩する。
 さらに、移動中にIEDでトラックの一台が炎上。乗っていたバニング中尉の部下とイラク人捕虜が死亡。
17:40 一行はテロリストの車列に追跡を受ける。逃げられないと悟った一行は待ち伏せ攻撃に転じる。敵兵を倒していくが、ついに全員の銃が弾切れとなる。一行はナイフでの格闘戦に持ち込み、イラク人テロリストを打ち倒す。
18:00 さらにテロリストのRPG攻撃を受ける。デルベッキオ軍曹は最後の力で敵に立ち向かい戦死。結局、助けられなかったとドクは自問する。
18:20 ジャクソン特技兵らはバニング中尉と別れ、18:40に帰還。長いイラクの一日が終わる。


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最終更新日  2007年02月16日 07時31分51秒
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