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2007年03月18日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2006 アメリカ・イギリス  監督:ケヴィン・マクドナルド
出演者:フォレスト・ウイッテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソンほか
125分 カラー R-15指定


 今年のアカデミー賞主演男優賞を獲得した映画ですが、早速見て参りました。あの食人大統領がどのように描かれているのか、楽しみなところです。

 アフリカの国、ウガンダで実在した独裁大統領イディ・アミンを主題に扱った人物伝的映画。ウガンダ陸軍大佐兼副司令官だったアミンは、1971年1月25 日に軍事クーデターを起こし大統領に就任する。当初は、「ウガンダの独立と自由、愛と友情」をもたらすと宣言し、国民の熱狂的な支持を受けた。アミンは元ボクシングチャンピオンというスポーツマンであったうえ、ユーモアに富んだ弁舌は国民のみならず、海外の多くの人々をまでを魅了したと言われる。
 しかし、その反面、貧しい家の出のアミンは、他人を信じることが出来ず、敵対するオボテ元大統領派などとの抗争などにより、次第に孤立しはじめ、冷徹で残虐な一面性を強く出すようになってくる。より過激なイスラム教国とのつながりを強化し、1972年8月の「非ウガンダ国籍アジア人追放令」で国内の貴重な技術者であったインド人を追放して経済を悪化させたり、1976年6月27日のPFLA(パレスチナ解放戦線)が起こした「エア・フランス139便ハイジャック事件」を支持し、イスラエル軍がウガンダのエンテベ空港で奇襲救出作戦を行うなど、宗主国イギリスやイスラエルとの関係を悪化させ、ついに 1979年4月11日、タンザニアに支援されたウガンダ民族解放戦線によって政権を追われることとなった。その間、反抗的な部族や敵対する人物など、身内や側近まで30万人とも50万人とも言われる人を虐殺した。また、アミンは5人の妻を持っていたが、第二夫人のケイは外科医ムサカとの不貞で妊娠し、見せしめのために四肢バラバラで惨殺されている。ほかにも行方の知れない妻もいるといわれる。「アフリカで最も血にまみれた独裁者」「人食い大統領」とも呼ばれた。
 
 本作は、こうしたアミンの半生を題材に描いたジャイルズ・フォーデンの小説を原作に、架空のスコットランド人青年外科医の視点で、第二夫人ケイやエア・フランスハイジャック事件を交えたものである。スコットランド人医師ギャラガンは、複数の実在した白人をモデルにして作り上げられたものらしいが、あくまでフィクション的存在であり、映画はノンフィクションをもとに作り上げられたフィクションである。
 アミンの人物像や行った言動についてはかなりの真実味があるらしい。アミンを演じた主演のフォレスト・ウイッテカーはこの作品で見事、アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ男優賞、英国アカデミー賞をはじめ、多くの男優賞を総なめ状態にした。それだけ、真に迫る名演技だったことは間違いない。アミンの懐の広い優しさとカリスマ性、そして残虐性と孤独感が豊かな表情で画面に問いかけてくる。これまで、ウイッテカーは「プラトーン(1986)」「グッドモーニング・ベトナム(1987)」「グリーン・ドラゴン(2001)」など戦争物でも名脇役として存在感があったが、主演として大役を十分果たしたと言っていいだろう。ただ、残念なのは迫真の演技ではあったが、アミンの持つカリスマ性表現はもっと演出できたのではないかと言う点。観客までが引き込まれるほどの演説やインパクトがあった方が映画としては成功しただろう。
 もう一人の主人公ギャラガン医師役はジェームズ・マカヴォイで、「ナルニア国物語」で有名らしい。世間知らずで傲慢な青年が、権力と愛欲とに魅惑されながらも、正義に目覚めていく姿を好演している。このギャリガン青年の行動は見ていてとてもイライラさせられるのだが、アミン政権の重圧的な圧迫感と、アフリカのもつ根深い絶望感に陥りがちな題材に、明るく起伏のある展開をもたらしている。
 
 本作は実在の人物が多く登場するが、映画中のほとんどのエピソードは、架空の人物ギャラガン医師をめぐるフィクション仕立てとなっている。ノンフィクションとフィクションがうまく融合した成功例の一つとも言え、ストーリー展開に厚みと明確な起承転結をもたらしている。ただこの手法は、映画としてのストーリー性を面白くする上で、非常に効果があったものと思われるが、実在の人物アミン大統領とウガンダという国を理解する上ではいささか障害ともなっている。
 本来、アフリカを題材にした場合、アフリカに根ざす様々な問題を明確にしなければならない。白人国家による長年の植民地支配、宗主支配、キリスト教とイスラム教などの部族間抗争、急速な独立化による政治腐敗と虐殺など。いずれも、白人国家の関与が原因の一つであり、特に近年の性急な独立と、熟成していない民度と社会経済が大きな混乱を招いているのだ。アミンという存在も、決してアフリカの地が作り上げたのではなく、イギリスなどの宗主国によって作り上げられた人物なのである。ところが、本作ではこのあたりの描き方が曖昧で、アミンの個人的な残虐性ばかりが強調されている感がある。むしろ、スコットランド人青年の無知やイギリスの植民地支配贖罪という側面も描いて欲しかったところだ。このあたりが、イギリス人作家原作によるイギリス・アメリカ製作映画たる所以なのだろう。映画の起承転結としての完成度は高いのだが、最後にどうもしっくりこない感があるのだ。イギリス、アメリカは決して悪者じゃない、アフリカが愚かなだけだという見下した思念を感じてしまう。
 本作はR-15指定がかかっている。ごく僅かだが残虐シーンとSEXシーンがある。そんなに酷くはないが、気にする人は注意。

 ロケはウガンダ本国で行ったそうだ。従って、市街地映像等は現代のものが写っていたりもするが、アフリカに行ったことがない者にとっては無問題。登場する兵器には、アミン大統領クーデターシーンでT-55戦車が1台。1990年代に輸入した機材と思われるが、1970年代にはT-55は保有していないはず。
 
 全体として、商業的映画としてはかなり面白い部類。映像、音楽、ストーリー共にバランスが良く、アクション性、ヒューマンドラマ性ともに及第点。ただ、この映画がウガンダ、そしてアミンの真実だと思ってはいけないという点でマイナス要素。主題となるテーマ性はやや薄く、商業ベース作品と思ってみるならば良いだろう。
 ちなみに、「エア・フランス139便ハイジャック事件」をイスラエル側視点から映画化したものに、「エンテベの勝利(1976米)」「特攻サンダーボルト作戦(1976米)」「サンダーボルト救出作戦(1977イスラエル)」があるので、こちらと比較してみると面白いかも。

興奮度★★★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 1970年スコットランドの医大を卒業した青年ニコラス・ギャリガンは、自分の力を発揮したいと地球儀を回して選んだウガンダのムガンボ村の診療所で働くこととする。ムガンボ村にはすでにイギリス人医師がおり、その妻サラが出迎える。ちょうどその時、ウガンダではアミンがクーデターを起こし、新たな政権ができようとしていた。
 サラは新大統領アミンに興味も持たなかったが、ギャリガンはアミンに大いに興味を抱く。村に遊説に来たアミンの演説に感銘を受けたギャリガンは、帰りに事故を起こしたアミンの手当をすることになる。その際、泣きわめく牛を射殺したことから、アミンが興味を抱き、ギャリガンがアミンの嫌うイギリスと敵対するスコットランド人と知るや否や彼の着ていたシャツの交換を申し出る。
 後日、厚生大臣のワッサワがギャリガンのもとにやってくる。アミンが首都カンパラに招待したものだが、アミンはギャリガンに主治医になるよう申し出る。一旦は断ったギャリガンだったが、ムガンボ村では人妻のサラと危ない関係になりそうだったことも助け、アミンの申し出を受けて主治医となる。
 当初は単なる医者であったが、ギャリガンの歯に衣を着せぬ発言に、アミンは次第に信頼を置くようになり、重要な会議への代理出席や施策への助言を求めるようになる。その度に、アミンからベンツをプレゼントされるなど贅沢三昧な生活を送るようになる。また、ギャリガンはアミンの第二夫人ケイの息子の病気を助けたことをきっかけに興味を抱くようになる。
 ある日、アミンを車に乗せたギャリガンは反政府ゲリラの襲撃に遭遇する。危うく難を逃れるが、アミンは内部に裏切り者がいると疑心暗鬼になっていき、側近すら信用しなくなる。そんな、アミンの一面性を見てギャリガンは恐ろしさを感じ始める。それでもアミンを信用するギャリガンは、イギリス人と会話するワッサワをアミンに報告してしまう。イギリス人の高等弁務官ストーンから、ワッサワが行方不明となったことを知らされ、ギャリガンは自分の一言の重みを感じる。次々に消える要人に、ギャリガンは主治医の辞職とスコットランドへの帰国を希望する。しかし、アミンはそれを許さなかった。
 完全に幽閉されたギャリガンは、ケイと急接近し不倫の関係となる。パスポートまで奪われたギャリガンはストーンに助けを求めるが、これまでの非協力のために断られ、暗にアミンの暗殺以外道はないと示唆される。
 アミンは非ウガンダ国籍のアジア人追放令を計画する。ギャリガンはこれに反対するが、アミンの罵倒で一蹴される。しかし、その後何故強引に止めなかった非難され、アミンの二面性に恐怖を感じる。それでも、アミンに会見を開くべきだと進言し、補佐役としての存在感をアピールしていく。
 しかし、ケイが妊娠し大問題となる。不貞が発覚すれば命の補償はない。堕胎の手配をするギャリガンだったが、一足先にケイは病院で四肢バラバラにされて処刑される。ギャリガンは意を決してアミンに毒入り薬を手渡す。その時、パレスチナ解放戦線のハイジャック機がウガンダの空港に着陸する事件が発生。アミンは、ギャリガンに同行を命じる。
 空港に到着した一行は、人質の処遇をマスコミに発表するが、ギャリガンが渡した薬に不信感を持つ護衛によって毒薬であることがばれてしまう。ギャリガンはアミンの激怒を買い、生きながら皮を剥いで殺されるという処刑にかけられる。それを助けたのはウガンダ人の前主治医だった。彼を解放される人質に紛れ込ませて飛行機に乗せるが、前主治医は護衛によって殺されてしまう。間一髪ウガンダの空港を飛び立った飛行機をアミンが眺める。

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最終更新日  2007年03月18日 09時33分48秒
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