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カテゴリ:戦争映画
1998 イギリス 監督:トム・クレッグ
出演者:ショーン・ビーン、ジェイミー・バートレット、ケヴィン・コリンズ ほか 117分 カラー BRAVO TWO ZERO DVD検索「ブラヴォー・ツー・ゼロ」を探す(楽天) 湾岸戦争に参加したイギリス陸軍特殊部隊SASの隊員アンディ・マクイブ軍曹の実話手記をもとに製作したドラマ。SAS自体は極秘任務の部隊であり、SASの参加した作戦が公になることは珍しい。湾岸戦争を題材にした映画も決して多くはなく、本作はイラク北部の主軸部隊通信線切断とスカッドミサイル破壊任務に出撃したB中隊の話しである。 監督のトム・クレッグはこの後にS・A・S英国特殊部隊というテレビドラマシリーズの作品を手がけている。こちらは主に国内等のテロ対応などを描いたもので、結構良くできている。 湾岸戦争は1990年に起こったイラクによるクウェート侵攻を発端に、1991年に米英等多国籍軍がイラクと戦った戦争で、最新兵器を用いた近代戦となった。序盤はイラク軍のスカッドミサイルでイスラエル等の近隣諸国に被害が出たが、圧倒的な装備の差で2ヶ月余りでイラクは敗戦した。本作はその序盤の出来事と思われ、当初脅威となったスカッドミサイル破壊のミッションを負っている。ちなみに、このSAS中隊はアンディ・マクイブ軍曹を指揮官とした8名で構成され、うち5名だけが生還している。 SASの実態は良く知らないが、映画中ではどちらかというと一般歩兵のようなイメージ。実態がそうなのだろうが、厳格で堅物というのではなく、結構おちゃらけていて陽気な隊員の姿が新鮮だ。反面、SASらしい格好良さはなく、最新装備は壊れすぐにイラク軍に捕まってしまう。実際の戦場とはそんなものなのだろう。 ストーリーは実話を元にしたリアル感は多少あるが、映画としては全体にまとまりが悪い。場面ごとのつながりや、個人個人の性格掘り下げも甘いので、今ひとつ感情移入はできにくい。やはり実話で実在の人物であることが、ストーリーの面白みという膨らみを阻害してしまっているのだろう。 また、原作に忠実にしたからなのか、終盤のストーリー展開が駆け足でちょっとお粗末。尻切れトンボ的な終わり方もどうにも消化不良。原作者の自伝、邂逅記という意味合いが強すぎて、映画という娯楽作品として見た場合は残念な出来。 登場する兵器類は少なめで、ヘリと若干の装甲車類が登場するのみ。南アフリカロケという砂漠シーン以外のスケール感も思ったよりも狭く、撮影自体はかなりお手軽なようだ。その代わり、湾岸戦争時の記録映像が用いられており、多国籍軍の空爆、砲撃シーン、破壊されたイラク軍車両などが出てくる。 ストーリーの起承転結がなく、全体にインパクトのない作品だった。実話だと思って見ても、なかなか心情移入できなかったのが残念。逆に、格好良かったり、衝撃的だったりする他の戦争映画の方が脚色等による虚像なのかもしれず、戦場の実態とはこんなものなのかもしれないと思えば、新鮮な作品だったとも思える。 興奮度★★ 沈痛度★★★ 爽快度★★ 感涙度★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) 1991 年1月湾岸戦争が勃発し、サウジアラビアの多国籍軍基地から英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)のB中隊が出動する。家族との別れをしたアンディ・マクナブ軍曹を指揮官とする8名は、イラク北部の主軸部隊通信線切断とスカッドミサイル破壊ミッションのために出動する。 コールサイン「ブラヴォー・ツー・ゼロ」と名付けられた中隊はヘリでイラク北部の20km南に着陸。徒歩で敵s60高射砲陣地に接近する。しかし、そこで羊飼いの少年に見つかってしまい、やむなく撤退を始める。しかし、敵装甲車と遭遇し交戦。無線機が壊れてしまい、170km先のシリア国境に脱出することにする。 だが、折からの砂漠の寒波でマークが低温症にかかったうえ、3人がはぐれてしまう。アンディらはイラク軍の検問所でタクシーを奪って逃走。イラク軍施設を破壊し、さらに徒歩でシリア国境を目指す。国境近くに達するが、そこにはイラク軍の大規模陣地があった。アンディらは攻撃を仕掛けながら突破を図る。バズ、ティンガーは川をわたっていく。アンディとマークはイラク軍兵と銃撃戦を繰り広げ、マークが撃たれてしまう。バズは低温症で死亡する。 一人になったアンディは国境まであと2kmというところでイラク兵に見つかってしまい、捕虜となる。イラク軍はアンディをイスラエル兵だろうと尋問し、拷問を加える。さらにティンガーが捕まって送られてくる。アンディは歯を抜かれるなど過酷な尋問に耐え、近距離観測小隊の兵と嘘を突き通す。バグダッド軍情報部刑務所に移送され、そこでスタンも加わり3名となる。いつ処刑されるかとびくびくしているところだったが、イラク軍幹部からSASの英兵がシリア国境を越えたとの情報を聞く。クリスが脱出したようだ。 時間がたち、スタンとティンガーが連れ出される。残されたアンディーは銃殺の覚悟を決めるが、イラクが停戦を決め、アンディーは病院に収容される。そこで負傷したマークと再会を果たす。1991年3月10日、アンディはイギリスに帰国する。結局8名の隊員のうち、帰還できたのは5名だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月29日 10時42分14秒
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