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2010年08月08日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1932 アメリカ 監督:フランク・ボーゼージ
出演者:ゲイリー・クーパー、ヘレン・ヘイズ、アドルフ・マンジューほか
78分 モノクロ A FAREWELL TO ARMS

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 かの有名なヘミングウエィの小説「武器よさらば」を映画化したヒューマンドラマ。小説が一世を風靡した直後の1932年製作で、主演はゲイリー・クーパーということもあり、戦前作としては不朽の名作に位置づけられる。モノクロ映像でオリジナルは150分だが、現在DVDになっているものは78分とかなり短く編集されているようだ。

 映画の舞台は第一次世界大戦のイタリア戦線で、英米伊などの連合軍とオーストリア・ハンガリー・独の同盟軍が戦っている。主人公はアメリカ人の義勇兵で、衛生士官でありながら恋のために前線から脱走するという恋愛悲話なのだが、恋のためなら脱走兵の汚名も辞さないという熱情と、悲劇による死と戦争による死をオーバーラップさせた反戦平和観が世の人々を熱狂させたようだ。
 だが正直言って、今視聴すると恋への熱情も平和観も、どうもしっくり来ない。当時の恋愛観、戦争観、倫理観との相違が大きいような気がするのだ。もちろん、視聴したものが短縮版で肝心な所がカットされているのやも知れぬが、恋愛や脱走の契機が陳腐で新鮮味に欠ける。その最大の理由はやはり時代による齟齬なのだろうと思う。第一次大戦時の倫理観、特に英国女性(主人公は米人だが部隊は英軍で恋人も英国人看護婦)の性に対する倫理観はかなり制約されていたと思われ、本作で描かれる兵士と看護婦の恋は禁断以外の何物でもなかったはずだろう。また、兵士の無断前線離脱は即銃殺刑というのが第一次大戦時の厳しいセオリーであって、現在我々が感じるような恋人に会いたいから逃げちゃったというような生やさしいものではないはずなのだ。しかし、残念ながら本作からはそのあたりのニュアンスがほとんど伝わってこないのだ。当時の人々にとっては、そんな事は説明せずとも周知の大前提であったのだろうが、時代を経て理解しがたくなっているのも事実なのだろう。
 また、映像やストーリー編集も古くささを感じてしまうため、単に映画というくくりで見ると、やや物足りなさを感じてしまう。その映像だが、随所に主人公視点やオマージュ風カットなど、当時としては斬新だったろう箇所も見られるが今見るとさほど活かされているようにも見えない。
 
 とは言え、出来るだけ当時の人間になったつもりで、様々なバイアスを排除した上で見ると、やはり衝撃作だったのだろうとは思う。第一次大戦の戦傷者数は異常なほど多く、残酷で非情なものであった。その重苦しく悲痛な死の代償から新しい光明を探そうとする時代の中、戦場での栄誉の死よりも愛を選ぶという選択は、タブーからの衝撃的な脱却だったと想像できる。現実には実行できずとも、映画や小説の中で救いを求めていたのかも知れない。

 なお、登場する兵器類はほとんどない。救急トラックがそこそこ登場するほか、同盟軍側の複葉爆撃機がミニチュア特撮で出てくるのみ。空爆や砲撃シーンはそれなりの火薬量が使用され迫力はあるが、破裂位置や場所という点ではイメージ的なレベルでリアル感はない。

 総じて、映画としてはたいして面白いというものではなかったが、製作年代や時代背景を考えるとやはり名作と言っても過言ではないのだろう。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 第一次大戦時のイタリア。イタリア、イギリス軍はオーストリア・ハンガリー軍と戦闘状態にあった。イギリス軍衛生部隊にはアメリカ人義勇兵の衛生兵ヘンリー中尉がおり、イタリア軍207部隊の前線勤務から戻ってくる。迎えたのは旧友の軍医リナルディ大尉でバーで酒を飲み、惹かれている看護士のキャサリンとその友人ファーガソンを紹介する。ヘンリー中尉はすぐにキャサリンに恋してしまい、横恋慕されたリナルディ大尉はあっけにとられる。キャサリンもヘンリー中尉に次第に惹かれるようになるが、兵士と看護士の恋愛は御法度だった。
 そんな中207部隊にプラバ北の前線に出動命令が出る。ヘンリー中尉はキャサリンに別れを告げなかったことを後悔し、勝手に戻ってきてしまう。そんな姿を見た上官はキャサリンをミラノの病院に勤務がえさせる。
 前線に戻ったヘンリー中尉だが、なんの勤務もせぬうちに砲撃で頭と足を負傷してしまう。リナルディ大尉が治療にあたり、リナルディの好意でキャサリンのいるミラノへ後送される。
 ミラノの病院で再開した二人は直ちに熱い恋に落ち、牧師のもとでささやかな結婚式をあげる。だが禁断の恋であり婦長らはいまいましく思い、傷が癒えたヘンリー中尉を再び前線に送り出す。切ない別れを終えたキャサリンは一人で待ち続けることを恐れ、スイスのプリサーゴへ移住しヘンリーに手紙を出す。だが、虫の居所が悪かったリナルディ大尉はキャサリンからの手紙を返送してしまい、ヘンリー中尉はキャサリンと音信不通になってしまう。
 不安を覚えたヘンリー中尉はミラノへキャサリンを探しに行くことを決意。無断の前線離脱は脱走兵となるが、敗残兵らの列に混じり、軍警察の追っ手をまいてミラノに辿り着く。だが、そこにはキャサリンはおらず、誰も行く先を教えてくれない。唯一看護士からキャサリンが妊娠していることを知る。
 ホテルで隠れてキャサリンの行方を追うヘンリー中尉は、リナルディ大尉に捜索広告を出してくれと頼む。さらに、上官の少佐の取り計らいで、ヘンリー中尉は精神記憶障害で前線から離脱したということで昇進の上前線に戻れることに。だが、ヘンリー中尉はそれを断ってキャサリンに会いたいと大尉に告げる。リナルディ大尉はヘンリー中尉の情熱に負け、キャサリンがスイスにいることを告げる。
 ホテルマンとリナルディ大尉の手助けでヘンリー中尉はボートでスイスに向かう。だが、スイスでは手紙が届かないことに動転したキャサリンが流産に。しかも死産の上キャサリン自体が生命の危機に陥る。ようやくヘンリー中尉がスイスの病院に到着するが、もはや手の施しようがなかった。ヘンリー中尉は手術中に神に祈り、ようやくキャサリンと面会できるが、キャサリンは瀕死の床で「アメリカに帰って建築家になってね」と呟き息絶える。
 ちょうど休戦宣言が出され戦争は終わった。ヘンリー中尉はキャサリンの遺体を抱き上げ、「平和が訪れたよ」と言うのだった。





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最終更新日  2010年08月08日 20時39分03秒
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