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[NPO法人とは？] カテゴリの記事

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• ＮＰＯ法人の数ってどれくらい？

  ＮＰＯ法人の数ってどれくらいあるか知っていますか？平成１０年の１２月に法律が施行されて、まる８年になります。平成１８年１０月末現在で、誕生したＮＰＯ法人の数は２９００を超えています。内閣府のＨＰに都道府県別のＮＰＯ法人の認証数等の一覧があります。一番数の多い県はどこでしょう？正解は東京都で５０００を超えています。２番目は大阪府で２０００ちょっと、以下神奈川、北海道、千葉、兵庫、埼玉が１０００を越えています。あと内閣府の申請も２０００ちょっとあります。一覧を見ると、やはり人口の多い都市部は数が多いというのが見てとれますが、各県のＮＰＯに対する力の入れ方によって、数も違うようです。人口が多い割りに数が少ない県や、その逆に頑張っている県もあります。長野県などはそれほど人口が多いわけではありませんが、ＮＰＯ法人の数は結構あります。行政の積極的なバックアップとＮＰＯ側の頑張りがあるのでしょう。この一覧を見て面白いのは不認証の数です。各県は０か数件しかないのに、東京都と内閣府だけ異様に数が多いです。通常は書類を受理する前に各県の担当者が事前にチェックをして、問題のある所は何度も訂正をさせるので、受理をされたら、よほどの事がない限り、不認証ということはないのですが。。。東京都と内閣府の場合はちょっと勝手が違います。

  2006.12.11

• 社員名簿について

  今日は仕事のお話を少し。ＮＰＯ法人の設立の準備中のお客さんから電話がありました。内容は、「社員名簿は一般の人に公開されるのですか？」というもの。社員というのは、従業員という意味ではなく、一緒に活動を推進していくメンバー（会員）のことをいいます。もう少し法律的にいうと、総会で議決権を持つ会員のことをいいます。この社員の名簿は名前と住所を記載します。前々から僕も疑問に思っているのですが、この社員名簿は、設立の申請時は公開されませんが、1年経った後の事業報告書と一緒に提出する分は公開されます。設立の時は公開しないのなら、1年後以降も公開しなければいいのに、と思うのですが。。。ちなみに役員名簿は両方公開されます。やはり名前と住所が公開されるのは嫌だという人は多いです。設立の時は公開されないので、「社員名簿なら載っても大丈夫」と思っていても、実は1年後からは公開されるということを知らなかったりする人が多いです。公開されている書類は、各県庁に行って見ることができる以外に、最近ではネット上でも公開している県庁が増えてきました。ただし同時に、個人情報保護の観点から、この社員名簿の公開を制限する県庁もあります。法律上は社員名簿は1年後からは公開の対象になっているので、各県庁に行けば、見れるようになっていますが、ネットでの公開は社員名簿は対象から外すなどの配慮をしているところもあります。現在ＮＰＯ法人制度の見直しが進められていますが、この社員名簿の公開についても、公開しない方がいいのではないかという話になっています。名簿はＮＰＯ法人として、最低の社員数である１０人分を公開すればいいのですが、この人数の確認のためだけなら、提出するのは住所もあってもいいけど、公開するのは、名前だけでもいいのではないかと思います。果たして今後はどうなるでしょうか？

  2006.09.15

• 役員の親族制限に該当しないか？

  １２　役員の親族制限に該当しないか？ＮＰＯ法では役員を身内で固めて、私物化されることを防止するために、役員に親族制限の規定を設けています。法２１条では「役員のうちには、それぞれの役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が１人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の３分の１を超えて含まれることになってはならない。」とされています。早い話が、自分の三親等内の親族（配偶者含む）は１人までしか入れることが出来ず、１人入れた場合は、役員の最低人数が理事３人、監事１人の４人でいいのが、合計で６人以上必要になるということです。なぜ、最低人数が増えるかというのは、４人だと身内２人で役員の半数を占めてしまうので、その影響力を弱めるためです。例えば、夫婦で役員をする場合は、人数をいくら６人から大幅に増やしても、これ以上身内は入れられないので、自分たちの息子や親を入れることはもう出来ません。どうしても入れたい場合は、どちらかが辞めてその人と入れ替わりで役員に入れて下さい。ちなみに三親等内の親族とは、血族と姻族ともに曾祖父母、おじ、おば（血族の場合、彼らの配偶者も）、おい、めい（血族の場合、彼らの配偶者も）、ひ孫が三親等となるので、これよりも親等が近い人が対象になります。従兄弟は四親等になるので、該当しません。

  2006.04.26

• 役員は成年被後見人または被保佐人などの欠格事由に該当しないか？

  １１　役員は成年被後見人または被保佐人などの欠格事由に該当しないか？ＮＰＯ法人の役員は、先に述べた暴力団関係者でないことなど、特定非営利活動促進法弟２０条で役員の欠格事由を定めています。次のいずれかに該当する者は、役員になることができません。１　成年被後見人又は被保佐人２　破産者で復権を得ないもの３　禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から２年を経過しない者４　この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定（同法第３１条第７項の規定を除く。）に違反したことにより、又は刑法第２０４条、２０６条、２０８条、２０８条の２、２２２条若しくは第２４７条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又は執行を受けることがなくなった日から２年を経過しない者５　暴力団又は暴力団の構成員（暴力団の構成団体の構成員を含む。）若しくは暴力団の構成員でなくなった日から５年を経過しない者６　法第４３条の規定により、設立の認証を取り消された特定非営利活動法人の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から２年を経過しない者破産をした人でも免責許可を受けていれば、役員になれます。ここでも暴力団の影響を排除する規定が置かれています。しかし直接役員になっていれば警察の方に身分を照会すればすぐに分かりますが、役員にならずに背後から圧力をかけている場合は、これも法律上は禁止されているのですが、なかなか把握されないというのが現状のようです。

  2006.03.30

• 役員として、理事３人以上、監事１人以上がいるか？

  １０　役員として、理事３人以上、監事１人以上がいるか？ＮＰＯ法人の役員は理事が３人以上、監事が１人以上いなければなりません。「理事」は業務執行の責任者であり、会社でいうところの「取締役」にあたり、法人の業務に関してそれぞれの理事が対外的に法人を代表する権限を持ちます。ただし、定款でその代表権を制限することはできますので、代表権を持つ理事を「理事長」や「代表理事」（代表者と分かりにくいものでなければ、他の名称でも構いません）とかに限定して、他の理事には制限された権限しか持たせないことができます。役所の担当窓口が出している手引書を見ても分かるように、通常は１人に代表権を与えます。「監事」は理事の業務執行や法人の財産状況等を監査する役割を持った人で、会社でいう「監査役」にあたる人です。監事は法人運営をチェックする立場にある人なので、理事を兼任したり、その法人の職員を兼任することはできません。自分で行った仕事に対して、自分で監査をするとなると公正なチェック機能が働かないからです。後日説明します親族制限さえ満たしていれば、例えば親子（または夫婦）で理事と監事になることは法律の条文上は特に禁止されていませんが、これは今まで述べたようにチェック機能を果たすことができませんので、こうしたことは辞めて下さい。定款に特別の定めがない時は、理事の過半数をもって業務を決します。

  2006.03.09

• 報酬を受ける役員は全役員の３分の１以下か？

  ９　報酬を受ける役員は全役員の３分の１以下か？ＮＰＯ法第２１条には「役員のうちには、それぞれの役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が一人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の三分の一を超えて含まれることになってはならない。」といういわゆる役員の親族制限の規定があります。理事３人、監事１人の役員の最低人数の４人で始めた場合は、役員報酬を受けられるのは、１人だけになります。残りの人は働いてもタダ働き？と心配される方もいるかもしれませんが、役員の人でもきちんと一労働者として働いた場合は、お給料をもらうことができます。ここでいう役員報酬とは、働かなくてもその地位にあるだけで、お金が支払われるものをいい、いわゆる役職手当のようなものです。ＮＰＯ法ではこうした楽してお金だけをもらう人が増えないように、規制をかけているのです。ですので、働いた分はきちんとお金をもらうことができるのです。しかし、監事は気をつけないといけません。監事は法第１９条に「監事は、理事又は特定非営利活動法人の職員を兼ねてはならない。」という規定があります。これは監事は法人の活動をチェックする役目を担う人ですので、法人の一スタッフとして自分もそこで働いていたら、自分で自分を監査するというおかしなことになるからです。という訳で監事に報酬を支払う場合は、ＮＰＯ法でいう役員報酬にあたることになるでしょう。

  2006.02.20

• 社員（一般的には正会員）の資格に不当な条件をつけてないか？

  ８　社員（一般的には正会員）の資格に不当な条件をつけてないか？ＮＰＯ法人の社員とは総会で議決権を持つ会員のことで、一般的にはこの会員のことを正会員としている団体が多いです。これは別にどんな名称でも構わないので、Ａ会員やゴールド会員など、団体の好きな名称を付けることができます。ただし、この社員の資格に、条件を付けてはなりません。例えば、医者などのある一定の条件を満たした人しか社員になれないとすることは出来ません。これはＮＰＯ法人は、広く市民に開かれたものでなければならず、活動の趣旨に賛同して、自分も入りたいといっている人を排除することは、法の趣旨に反するからです。もちろん悪意を持った人を入れる必要はありませんが、基本的には参加したい人はみな入ってこれないといけません。不当な条件とあるので、もちろん正当な理由があれば、社員の資格を限定することも出来なくはありませんが、これは弱者救済の為などの極めて限られた条件でしか認められませんので、まずはそういった条件をつけるということは考えない方がいいです。医師会員など会員の資格を限定している団体を見ることがあると思いますが、あくまで社員（総会で議決権を持つ会員）になるのに、条件が付いてなければ問題はありません。こうした団体は、総会で議決権を持つ会員は誰でも入れ、その他にもあえて特別の能力を有した人だけがなれるといった条件付きの会員種別を別に設けているのです。医師会員のみが社員で、その他の会員は社員ではないということは、出来ませんが、誰でも入れる会員と医師会員などの条件付きの会員が社員であるという設定は可能です。

  2006.02.02

• 社員が１０人以上集まるか？

  ７　社員（総会で議決権を持つ会員：簡単に言うと、活動するメンバー）が１０人以上集まるか？ＮＰＯ法人は社員が１０人以上いなければなりません。誤解されることが多いですが、社員というのは、従業員という意味ではありません。社団の構成員を指し、具体的には総会で議決権を持つ会員のことをいいます。分かりやすく言うと、一緒に活動を推進していくメンバーが１０人以上いるか？ということです。この１０人というのはどういうことかと言いますと、活動の趣旨に賛同して一緒にやっていく仲間が１０人も集まらないような活動は、公益的な活動とは言えないだろうということです。ＮＰＯ法人は公益すなわち社会全体の利益のための活動をしなければなりませんが、その活動が公益的かどうかの１つの目安として１０人という基準を設けているのです。この基準は法律制定段階では１００人にしようという話があったというようなことを聞いたことがあります。さすがに１００人というのは、簡単に人を集めれませんので、逆にＮＰＯ法人の設立を阻害することになるということで、１０人になったのでしょう。そうした意味ではなかなかちょうどいい数なのではないでしょうか？

  2006.01.27

• ６　暴力団やその関連団体ではないか？

  ６　暴力団やその関連団体ではないか？暴力団によるＮＰＯ法人格の悪用を防ぐために、法第１２条第１項第３号の規定により、暴力団又は暴力団若しくはその構成員若しくはその構成員でなくなった日から５年を経過しない者の統制の下にある団体は認められません。暴力団そのものはもちろんのこと、その支配を受ける団体をも排除する規定です。暴力団とは、暴対法第２条第２号の定義が引用されていて、「その団体の構成員（その団体の構成団体の構成員を含む。）が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。」とあります。所轄庁は暴力団排除の実効性を保つために、警察に暴力団との関係を照会することができます。実際に山口県ではこの制度によって、警察から暴力団の統制下にあるという意見があった法人の認証が取消されています。

  2006.01.24

• ５　特定の政党や候補者の支援団体ではないか？

  ５　特定の政党や候補者の支援団体ではないか？前回のところでも政治活動を目的としないとありましたが、環境保護の推進や高齢者福祉の改善などの具体的な政策を提言し、実現を目指すいわゆる政策提言型ＮＰＯの活動が規制される訳ではありません。ＮＰＯ法人は選挙活動を主たる目的でなくてもできません。これは前回の宗教や政治活動の規定と少し違うところです。これはＮＰＯ法人が特定の候補者や政党等の選挙運動のために利用されることを防止することを目的としています。これはもちろんＮＰＯ法人の役員や社員（正会員等）個人が特定の候補者を支持することを禁じたものではありません。ただ、法人としてこうした活動を行うことは禁止されています。詳細は忘れてしまいましたが、どこかのＮＰＯ法人の理事長が地方議会か何かの選挙の際にある候補者に陣中見舞いを持って行ったのですが、それをＮＰＯ法人何々の理事長誰某として渡したことが問題になったことがあります。これが即認証の取消しになったりすることはありませんが、こういうことは注意しましょう。

  2006.01.20

• 宗教や政治活動を主目的としていないか？

  ４　宗教や政治活動を主目的としていないか？ＮＰＯ法人は宗教や政治活動を主たる目的として活動することはできません。それらは宗教法人や政党など別の組織形態があり、そちらで行うべきだという考えがあるからです。ただし、これは宗教家や議員がＮＰＯ法人の役員になったり、活動に参加することを禁止している訳ではありません。キリスト教の精神に基づいた奉仕活動を行うことを目的としたＮＰＯ法人の設立はできますが、その法人がそこで布教活動をメインに行うことはできません。主たる目的としてはいけないということですので、条文上は従たる目的、すなわちメインの活動の他にこうした宗教や政治活動をメインの事業に支障がない程度で行うことはできますが、どちらが主か従かは判断しにくいので、法律に違反しているという余計な指摘を避けるためには、これらの活動は行わない方がいいでしょう。

  2006.01.05

• その他の事業が本来活動に支障を生じさせていないか？

  ３　その他の事業（目的外の資金稼ぎ事業）が本来の目的である特定非営利活動に支障を生じさせてはいないか？ＮＰＯ法人は団体の社会的使命として掲げた本来の活動目的である特定非営利活動（本来事業と呼びます）の他に、その目的とは関係のないその他の事業という資金稼ぎ事業を行うことができます。これはＮＰＯ法人は本来事業の収入と会費や寄付金だけでは、なかなか活動を継続していくだけの資金を捻出するのは困難であるということで、本来の事業活動にあてるために、団体の目的とは関係のない、ただたんに資金を稼ぐための事業を認められてるということです。具体的な例で言えば、セミナーを開催して子どもの人権の擁護を訴えている団体があるとします。セミナーを開催するのには費用がかかるが、とはいえ参加者から高額の参加料はもらえないので、運営資金を捻出するために、ちょうど事務所は人通りの多い場所にあるので、自動販売機を設置して、その収益をセミナーの開催費用にあてることにしたというものです。（自動販売機で収益を上げるのは、子どもの人権擁護を訴えるのとは直接は関係がありません）この「その他の事業」を行うには、一定の制限があります。とういうのは、その他の事業に注力しすぎて、人もお金も本来の事業に回す余裕がなくなったりしたら、ＮＰＯ法人としての存在意義がなくなるからです。もはやＮＰＯ法人ではなくて、その他の事業を本業とする別の営利法人になればいいからです。どの程度行えば、本来事業に支障をきたしていると判断するのかは、支出規模で見ることになります。設立申請時には２年分の収支予算を提出しますが、本来事業の支出額が総支出額（事業費及び管理費の総計）の２分の１以上なければいけません。少なくともその他の事業の支出規模は総支出額の２分の１以下でないといけないということになります。売上げ規模とか、人数比だとか、時間比で見るという方法もあったかもしれませんが、この基準は内閣府の運用方針で示されました。みなさんはうまくその他の事業を行って、本来活動の事業に資金が回るようにして下さい。ただし、前にも述べましたように、あまり収益があがらないのなら、住民税の減免措置が受けられなくなるケース（その他の事業が税法の収益事業に該当すれば）があるので、よく考えて下さい。

  2005.12.21

• 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与するか？

  ２　不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与するか？不特定かつ多数のものの利益とは、法人の活動によって利益を受けるものが特定されないこと、すなわち社会全体の利益（公益）と同じ意味です。構成員相互の利益（共益）や特定の個人または団体の利益（私益）を目的とする活動は、特定非営利活動ではありません。例としては、「○○病のＡさんを救う」ことを目的とするようにある個人限定ではなく、「○○病に苦しむ人々を救う」ことを目的とするように、対象が限定されておらず、ある程度幅を持ったもので、社会全体の利益につながるものである必要があります。同業者団体や学校の同窓会のように構成員相互の利益（共益）を目的にする団体はＮＰＯ法人にはなれませんが、このような団体には中間法人という別の法人格が用意されています。（もちろん同業者団体や同窓会であっても、開かれた組織で社会全体の利益を目指す活動を行うのであれば、ＮＰＯ法人として認めれらることも可能です。）ただ、この中間法人も現在進められている公益法人改革で財団法人や社団法人と統合される予定なので、こちらの動きにも注目です。

  2005.12.12

• 活動は特定非営利活動促進法の１７分野に該当するか？

  フリーページにＮＰＯ法人の設立の要件について１６個ほどあげましたが、今日からそれらについて１つずつ、もう少し解説をしていきたいと思います。１　その活動は特定非営利活動促進法の１７分野に該当するか？自分達の活動が法で定める１７の分野に該当していないとＮＰＯ法人としては認められません。２００３年から１２番の「情報化社会の発展を図る活動」から１６番の「消費者の保護を図る活動」が追加されました。これにより、よほど公序良俗に反した活動でない限り、ほとんどの公益的な活動は該当するようになりました。この１７分野は、自分達の活動がどのジャンルに該当するか傍目に分かりやすいように、カテゴライズするためにあり、定款に記載されます。この分類は自分達が該当すると思うものを選択すればいいので、どれを選ぶか自由です。また該当するものが複数あれば、何個でも選んでも構いません。たまに全部選択している団体もありますが、個人的にはそれはどうかと思います。というのはＮＰＯ法人はある分野に特化した専門商社的な存在でないと、力を発揮できないのではないかと思うからです。何でも出来ますというのは、自分達の特色が分かりにくく、それなりの規模も求められるので、難しいのではないかと。もちろんここを何個選択するかは、団体の自由なので、たくさん選んでも、少なくても、設立の認証の際には関係ありません。ただし、定款に記載する場合は１７分野の文言を勝手に省略しないで下さい。「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」というのがありますが、学術団体が自分達はスポーツに関係ないからといって、勝手にスポーツを外したりは出来ません。あくまでここは法定された１７のどの分野に分類されるかを記すだけなのです。

  2005.12.08

• その他の事業は行うべきか？

  NPO法人の行う事業は、NPO法で２種類定められていおり、１つは団体が掲げた社会的使命を達成するための特定非営利活動（１７分野あり、本来事業と呼ばれます）、もう１つはその他の事業というものです。その他の事業は、本来事業に支障が出ない程度で、団体の活動資金を捻出するために認められており、その収益は全て本来事業に充てなければなりません。具体的な例としては、自動販売機を事務所や周辺に設置して、飲料の販売を行うことなどがあります。実際に行う際に注意をしないといけないのは、その他の事業がどれだけ収益をあげることができるのか？ということと、団体の事業（本来事業＋その他の事業）は法人税の収益事業に該当するかどうか？です。NPO法の本来事業とその他の事業の区別と、法人税法上の収益事業（課税対象事業）は全く別の基準ですので、本来事業＝非課税、その他の事業＝課税という訳ではなく、本来事業であっても課税対象の事業はあり、その他の事業でも対象にならないのもあります。（法人税の収益事業）　既に本来事業が課税対象であれば、気にしなくてもいいですが、そうでない場合は、住民税の減免措置のことを考慮に入れなければなりません。ほとんどの自治体では、法人税法の収益事業を行わない場合は、法人の住民税（都道府県、市町村合計７万円）を免除する措置を設けています。しかし、その他の事業（収益事業に該当する場合）を行った時は、この措置は受けられませんので、収益がこの住民税よりもあがらなければ、逆に損をするということになります。年１，２回のバザーは収益事業に該当しませんが、安易にその他の事業で物品販売などの収益事業を行った場合は、逆に損をすることにもなりかねません。活動資金が乏しい団体が多いので、少しでも足しにしようとして、その他の事業を行った結果がこれでは目も当てられません。また税務申告も発生し、手間が余計にかかるので、どれだけプラスになるのか慎重に考えて行って下さい。なお、収益事業を行っていても赤字なら、減免の措置を受けられる自治体も出てきましたが、まだまだ少ないので、一度各自治体にお問合せ下さい。

  2005.11.16

• NPOとNGOの違いは？

  ＮＧＯはNon-Governmental Organization’の略で、「非政府組織」と訳されますが、団体の活動内容は営利目的ではなく、社会貢献を使命としており、また政府系機関ではなく、民間の団体であるという点ではＮＰＯと同義です。団体のどの側面を強調するかによって使い分けられているようで、国境を越えて活動する団体はＮＧＯと表現されることが多いようです。海外などで政府とは違う民間の立場を強調したのがＮＧＯで、営利目的ではない社会的存在を強調したのがＮＰＯと言えます。法人格で言うとＮＰＯ法人は存在しますが、ＮＧＯ法人というものはありません。ＮＧＯとして有名なＡＭＤＡやピース ウィンズ・ジャパンもＮＰＯ法人です。ＮＧＯとして活動する団体の法人格は他には社団法人や財団法人などがあり、宗教法人なども該当する活動を行っているところもあります。

  2005.11.14

• 都道府県認証と内閣府認証に違いはあるのか？

  よく内閣府の方が格が上だと勘違いされる方もおられますが、管轄する役所が違うというだけで、その他の違いはありません。内閣府が所轄庁になるのは、東京と大阪のように2県以上にまたっがて事務所を置いた時です。これは事務所が2県以上にまたがる団体をどの県が管轄するかが、ややこしくなるので、便宜的に内閣府が管轄しているに過ぎません。都道府県認証であっても活動はその県のみしかできないということはなく、全国、全世界どこでも活動でき、内容に制限がある訳ではありません。有名な世界で活躍するＡＭＤＡやピース ウィンズ・ジャパンはそれぞれ、岡山県、東京都の認証です。　たまに実態がないのに無理やり事務所を２県以上に置いて内閣府に申請しようとする方がおられますが、事務所の分だけ経費が余計にかかってくるだけですので、イメージだけで内閣府申請をしようというのは、お勧めできません。

  2005.11.11

• ＮＰＯ法人設立の手続

  １　所轄庁はどこか？　基本的に事務所の存在する都道府県知事が所轄庁になるので、各都道府県に書類を提出して申請を行い、認証を受けます。ただし、事務所を大阪と東京のように２県以上にまたがっておく場合は、内閣総理大臣が所轄庁となり、内閣府に申請します。よく内閣府認証の方が格が上のように思われる方がいますが、各都道府県の認証であっても、活動内容や地域に制限はなく、全国（全世界）どこても活動でき、何ら変わりはありません。あくまでも２県以上にまたがると、どこが管轄したらいいのか分からなくなるので、便宜的に内閣府になっているだけです。たまに実態がないのに無理やり事務所を２県以上において無理やり内閣府に申請しようとする方がおられますが、事務所の分だけ経費が余計にかかってくるだけですので、イメージだけで内閣府申請をしようというのは、お勧めできません。２　ＮＰＯ法人設立までの流れ １設立構想法人の設立者（発起人）が集まり、団体の概要を決め、定款や事業計画などの案を作成します。２設立総会設立当初の社員が集まり、法人設立の意思決定を行うとともに、設立発起人会で作成した定款等の運営ルールや体制等について決議します。３申請書準備設立総会での委任を受け、設立申請に必要な提出書類１１種類を用意します。 住民票は日付が新しいものを用意して下さい。４申請書提出所轄庁へ設立認証申請書類を提出します。書類は、形式上の不備がなければ受理されますが、内容を厳格に審査されるため、慣れていない方が提出する場合は、修正を求められて何回か足を運ぶことになります。長い場合には数ヶ月を要することもあります。 ５認証決定受理後２ヶ月間、一般に縦覧されます。その縦覧後２ヶ月以内に所轄庁による審査が行われて認証・不認証が決定されます（合計すると受理後2カ月以上4カ月以内に決定。所轄庁によりこの期間は異なります）。審査は、原則として書類審査で行われます。６法人登記法人は認証されただけでは対外的に効力をもたず、登記して初めて法人として成立します。主たる事務所の所在地での設立登記は、認証書受領日後2週間以内に完了させます。７設立完了届主たる事務所の設立登記完了をもって、正式に特定非営利活動法人として成立し、法人としての権利と義務が発生します。（成立日は設立登記申請日となります。）設立登記完了後、遅滞なく所轄庁に「設立登記完了届出」を提出します。 従たる事務所がある場合は、その所在地での設立登記を、主たる事務所の登記日後2週間以内に完了させる必要があります。８各種届出法人として成立後、関係官庁に各種の届出をする必要があります。まず主たる事務所の登記完了日後各条例で決められた日迄に都道府県税事務所や市町村役場に法人設立の届出をし、又有給職員を雇用した時や税法上の収益事業を開始した時には税務署にも所定の届出を行います。なお、各種届出を行う際に人事関係等の内部諸規定・帳票を作成する必要があります。

  2005.11.02

• 法人格取得のデメリット

  １　事務作業量が大幅に増えます。　徹底した情報公開の規定があり、各種書類を作成し提出する義務があるので、規模の小さい団体は負担が大きくなります。　　代表的なものとしては毎年都道府県庁（又は内閣府）に提出する事業報告書があります。これとは別に税務申告の必要がある団体は税務署にも申告書類を提出しなければなりません。それぞれの求める様式が違うのでそれに合わせた形で提出しなければなりません。特に決算関係の書類は税務署が求める基準と都道府県庁が求めるのとは違いがあるので、要注意です。２　法人として税金を納める義務が生じます　法人なので当然の義務ですが、会費や寄付金に対しては原則的に税金はかかませんので、営利法人に比べれば優遇されています。　　法人税法上の収益事業を行った場合には営利法人並みに課税されます。また、活動実績がなくても法人としての住民税（市町村と都道府県あわせて７万円）がかかります。（各自治体により減免の措置あり）３　解散時に残余財産は戻ってきません。　解散した場合には、定款に定めれられた他の団体（他のＮＰＯ法人や財団、社団、国・地方公共団体などに限られる）に帰属させることになりますが、自分達には返ってきません。定款に定めがない場合は、所轄庁の認証を受けて、国か地方公共団体に譲渡することができますが、何もしなければ最終的には国庫に帰属します。

  2005.11.01

• 法人格取得のメリット

  １　団体として、事務所の賃貸借契約、電話の設置契約などの契約を結んだり、銀行口座を開設できます。　任意団体だと代表者などの個人の契約になり、代表者が変わった時などに手続をやり直したり、不都合が生じるケースがあります。２　行政や企業からの補助事業や委託事業を受けるための要件として、法人格を求められるケースがかなりあります。３　情報公開などを通じて、社会的な信用が増すと考えられます。法人格がないと参加できない事業に関わることができるというのは、言うまでもないこととして、確実に目に見える形でメリットとして感じられるのは、団体として契約をして、財産などを持つことが出来るという事ぐらいです。あとは、社会的なイメージの向上をどれだけ団体の活動の中に目に見える形として取り込んでいけるかだと思います。

  2005.10.31

• ＮＰＯ法人成立の要件とは？

  ＮＰＯ法人になるには次の要件を全て満たす必要があります。 ＮＰＯ法人設立要件チェック１ その活動は特定非営利活動促進法の１７分野に該当するか？ 　はい　・　いいえ　 ２ 不特定多数の利益の増進に寄与するか？ 　はい　・　いいえ　 ３ 営利を目的としていないか？（対価を得るのは可能） 　はい　・　いいえ　 ４ 本来の目的である特定非営利活動に支障を生じるほどの収益事業（その他の事業）を行わないか？ 　はい　・　いいえ　 ５ 宗教や政治活動を主目的としていないか？ 　はい　・　いいえ　 ６ 特定の政党や候補者の支援団体ではないか？ 　はい　・　いいえ　 ７ 特定の団体や個人の利益を目的としていないか？ 　はい　・　いいえ　 ８ 特定の政党のために利用しないか？ 　はい　・　いいえ　 ９ 暴力団やその関連団体ではないか？ 　はい　・　いいえ　 １０ 社員（総会で議決権を持つ会員：簡単に言うと、活動するメンバー）が１０人以上集まるか？ 　はい　・　いいえ　 １１ 社員（一般的には正会員に当たる）の資格に不当な条件をつけてないか？ 　はい　・　いいえ　 １２ 報酬を受ける役員は全役員の３分の１以下か？ 　はい　・　いいえ　 １３ 役員として、理事３人以上、監事１人以上がいるか？ 　はい　・　いいえ　 １４ 役員は成年被後見人または被保佐人などの欠格事由に該当しないか？ 　はい　・　いいえ　 １５ 役員には親族がいないか？（役員が６人以上いれば、自分の親族を１人までは入れられます） 　はい　・　いいえ

  2005.10.30

• 営利を目的としないとは？

  よく誤解されることですが、ＮＰＯ法人が利益を上げてはいけないということではありません。参加者に対して、お金をもらう事業を行うことは問題ありません。ただ活動により余った利益を構成員（ＮＰＯ法人では「社員」）に分配したり、また財産を構成員に還元したりしないということです。分かりやすく言うと、決算で１００万円余ったからといって、社員（従業員ではありません）みんなでそのお金を山分けすることはできないということです。営利法人である株式会社の場合は、利益が上がれば構成員である株主に対して、配当という形で利益を分配できますが、ＮＰＯ法人はこうした分配ができず、余剰利益は次年度の活動のために繰り越すことになります。ここで言う利益とは、売り上げから職員の給料等の必要な経費を差し引いた残りのことを言います。こちらもたまに誤解されますが、ＮＰＯ法人に従事する人は無償のボランティアでなければならないことはなく、きちんと労働に見合った対価として、給料を支払うことができます。むしろその人が生活していけるだけの最低限の給料を支払ってあげないと、いつまでたってもＮＰＯは安い労働力で活動するのが当たり前だというイメージを拭い去ることができず、雇用の増大の面での期待にこたえることができません。なお、ＮＰＯ法人は特定非営利活動（その団体の目的を達成するための本来の活動）に支障が出ない程度で、団体の活動経費を捻出するための「その他の事業」という収益事業を行うことが出来ます。ただし、その収益は全て特定非営利活動に充てなければなりません。例としては、飲料等の売り上げを得ることを目的に、自動販売機を事務所の建物に設置するケースがあります。

  2005.10.28

• ＮＰＯ法人とは？

  特定非営利活動促進法（平成１０年３月制定、同年１２月施行）によって法人格を付与されたある特定の分野（現在１７分野）の非営利活動を行い、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とした民間の非営利団体のことをいいます。ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展を目的としたのがＮＰＯ法と呼ばれる特定非営利活動促進法です。　ＮＰＯは英語のNon-Profit Organizationの頭文字を取ったもので、民間非営利組織（団体）と訳され、営利を目的とせず、社会的な使命を持って活動を行います。ＮＰＯは組織体を表す言葉ですので、人が集まってこうした活動を行えば、どういう団体でもＮＰＯと名乗ることは可能ですが、ＮＰＯ法人として活動するには、一定の法律的な要件を満たし、そのことを認めてもらう必要があります。特定非営利活動とは次の１，２の両方にあてはまる活動をいいます。１．以下に掲げる１７分野の活動に該当する活動１ 保健、医療又は福祉の増進を図る活動 ２ 社会教育の推進を図る活動 ３ まちづくりの推進を図る活動 ４ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 ５ 環境の保全を図る活動 ６ 災害救援活動 ７ 地域安全活動 ８ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動 ９ 国際協力の活動 １０ 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 １１ 子どもの健全育成を図る活動１２ 情報化社会の発展を図る活動 １３ 科学技術の振興を図る活動 １４ 経済活動の活性化を図る活動 １５ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 １６ 消費者の保護を図る活動 １７ 上記に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 ２．不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動不特定かつ多数のものの利益とは、法人の活動によって利益を受けるものが特定されないこと、すなわち社会全体の利益（公益）と同じ意味です。構成員相互の利益（共益）や特定の個人または団体の利益（私益）を目的とする活動は、特定非営利活動ではありません。例としては、「○○病のＡさんを救う」ことを目的とするようにある個人限定ではなく、「○○病に苦しむ人々を救う」ことを目的とするように、対象が限定されておらず、ある程度幅を持ったもので、社会全体の利益につながるものである必要があります。

  2005.10.27

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