|
カテゴリ:哲学
教学随想(四国男子部教学部長 藤代 悟)
日蓮仏法は「因果一念の宗」 簡単に言うと、原因と結果の間に時間的経過がなく、両者が「具時」、つまり同時に存在する、という考え方が「因果倶時」である。 通常の現象、常識では、原因と結果は必ず「異時」。過去に何らかの原因があり、それから時間がたった後、それに応じた結果が起きる。「因果異時」である。 因果倶時は、法華経で初めて明かされた生命観を示す哲学である。 爾前経では、九界の衆生が仏道を行じても、仏果が得られるのは遠い未来とされた。因果は「異時」であった。 また爾前経では、歴劫修行によって、九界の煩悩をすべて断滅することにより仏の境涯を得る、と説く。 仏界という最高の「結果」に至るためには、九界という「原因」では不十分。そうした不十分な原因は取り除いたほうがいい、そうすれば新しい違った結果が生まれるはず、と考えるのである。まさに、原因と結果の関係性を断ち切ろうとする「因果異時」である。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[哲学] カテゴリの最新記事
|
|