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January 11, 2015
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カテゴリ:コラム
会社員の友人が、青い顔をしてため息をついていた。40代後半の彼には2人の娘がいる。下の子は中学生になった。そして妻が3人目を妊娠した。予定外の妊娠である。
生活は大変だし、これからはいっそう学費もかかる。会社で最も頑張らなければならないこの時期に、育児休暇をとるなんてことは不可能に近い。また高齢出産はいろいろとリスクも高いし、その子が成人するまで働ける保証もない……。彼は、子どもを堕(お)ろすのかどうかの相談を妻にどう切り出せばいいのか悩んでいる、と語っていた。
数日後、彼に「その後、どうなった?」と尋ねた。すると彼は、思い悩みつつ帰宅したら、妻と二人の娘がキャッキャしながら「どんな名前にしようかなぁ」と相談していたんです、と語った。えっ、そっちなの?堕ろすという選択肢など、ハナからなかったのだ。
            *
この社会では長い間、「産め、産め」の圧力が続いている。都議会では少子化問題を語った女性議員に「お前が産めよ」と野次が飛び、ある国会議員は女性議員に「早く結婚しろ」といい、中には「穴あき避妊具を配布したらどうか」と議会で発言した市会議員までいる。
こうした発言の背後には、昔からの「産めよ、増やせよ」の思想がある。以前、都知事だった人は「生殖能力を失ったババァが生きているのは有害だ」と言い、首相だった人は「子どもを作らない女が老後を税金でみてもらうのはおかしい」と言い、厚生労働大臣だった人は「女は生む機械」だと言い放った。
これらの政治家が求める子どもとは、国家にとっての都合のいい労働力であり、“鉄砲の弾”なのだろう。彼らは、どんな個性の子どもが生まれてもその子たちが豊かに生きていける社会を作ろう、とは決して言わない。
            *
40代での出産は確かに大変だ。しかし「どんな名前にしようかなぁ」と皆がワクワクしながら話す。“望まれて生まれてくる”とは、こういうことなのだと思う。親がどんな状態であっても、そして子どもにどんな個性があっても、その子が生きていける社会を作ることが、友人の課題になった。

【辛淑玉の「女の視点 命の視点」】灯台2014年11月号





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Last updated  January 11, 2015 07:07:36 AM
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