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浅きを去って深きに就く

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April 11, 2016
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カテゴリ:抜き書き
明日の仕事がうまくいくかどうか、それが気になって眠れないというビジネスマンもいる。彼には、うまくやってやるぞ、という前向きの意欲がでてこない。それよりも、うまくいかなかったらどうしようという、うしろ向きの不安をもつ。

うまくいかなかったらどうしよう、というのも、うまくいかないと恥をかくことになるからだ。もちろん恥をかくと思っているのは当の本人だけで、周囲の人はそれほど特別な感情をその人にもつわけではない。

明日の仕事を考えると不安で眠れないという人の中にも、恥の感覚に支配されている人が多い。失敗したら恥ずかしいということである。

にせの自信をもっている人は、どう頑張っても、本当の意欲は湧いてこない。本当の意欲とは、現実に対する挑戦の気構えである。なぜかと言えば、意識されている自己がどうであれ、潜在意識下の自己はナルシズムと恥の感覚におかされているからである。ナルシズムと恥の感覚を動機として動きながら、意識されている自己が、その行動を合理化しているのである。

したがって、にせの自信をもっている人は、仕事以外の場での楽しみというものを、仕事からの解放と考える。

よく、「今日は一日仕事のことを忘れたい」と言う人がいる。人生の楽しみを、現実からの逃避と考えている人は、にせの自信の持ち主である。


【自信】加藤諦三著/三笠書房





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Last updated  April 11, 2016 05:44:18 AM
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