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November 19, 2016
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カテゴリ:心理学

セブン—イレブン・ジャパン創設者の鈴木敏文氏の話です。

 

鈴木氏が、本家本元のアメリカのセブン—イレブンの買収による再建を決意したときに、640億円ほどつぎ込んだそうです。

 

鈴木氏の著書『挑戦 我がロマン』(日本経済新聞出版社)によると、鈴木氏は「これ以上ビタ一文出しません。ただ、もし失敗したら申し訳ありませんが、一番に責めを負うのは社長で次は私です」と当時の伊藤雅俊イトーヨーカ堂社長に了解を求めたそうです。

 

こういうのが損切の発想です。

 

株式投資でもよく使われる言葉です。損をするとなかなか売れなくなる。「ここまで我慢したんだから」とか「買ったときの値段以上じゃないと」とか、いろいろなことを考えて、手をこまねいていると、ずるずると大きな損を被ってしまって、結局投資を続けられなくなってしまう。

 

そうしたじたいをふせぐために、損をしていいから、再起不能になる前に損切をするわけです。

 

ファーストリテイリングの社長・会長の柳井正氏が『一勝九敗』(新潮社)という本を書かれてベストセラーになりました。

 

19敗で、柳井氏があれほどの成功者になれたのは、9敗しても、ひとつひとつの負けを小さく抑えて、大きな1勝をものにしたからです。

ところがリーマンショックの時には、9勝していたトレーダーが、1敗で破産していました。勝ってばかりいたものだから、リスクに対する備えが甘くなって、バブルの時のように、勝った分もどんどん投資してしまったからです。

 

だから本当は19敗でも、最終的に勝ち残ればいい。逆に91敗だって、その1敗で破産したら大変なことになるわけですから、負けても大きくは負けないようにして、次にチャレンジできるチャンスを残す、という発想が必要なのです。

 

 

【悩みの作法】和田秀樹著/ディスカヴァー携書






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Last updated  November 19, 2016 06:48:35 AM
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