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カテゴリ:社説
■大切な“周囲の適切な関わり”
うつ病をはじめ統合失調症やパニック障害など「心の病気」になる人が近年急増し、国内の患者数は300万人を超える。治療を受けていない人も多く、日本人の約15人に1人が、うつ病を経験しているともいわれ、誰でもかかる可能性がある。 厚生労働省のホームページでは、心の病気の症状や、支え合うことの大切さを紹介。回復への鍵となる、早めの受診と治療、本人だけでなく多くの人による正しい理解を呼びかけている。 「憂鬱」「元気がない」「不安」「イライラする」「食欲がない」「熟睡できない」「誰もいないのに人の声が聞こえる」といった症状が長く続く時は、一人で抱え込まず、保健所や保健センター、精神科や心療内科等の医療機関など、専門機関に相談することをお勧めしたい。 心の病気は、自分では症状に気づきにくいのも特徴なので、周囲の人も気に掛けてほしい。 発症にきっかけは、職場環境の変化、近親者との死別、日々の人間関係などさまざま。結婚や出産など、“うれしいこと”が引き金になるケースも。その多くは「ストレス」の過多に起因しており、心の弱さから起きるものではない。 結婚後、28歳で統合失調症みなった女性は、身内の不幸があっても明るく努めたことがストレスになり、幻聴や妄想が始まった。入院や投薬による治療で回復し、介護の仕事をするまでに。友人から「つらい時はつらいと言っていいんだよ」と言われ、うれしかったと語る。 一方、大学生の時、うつの症状が始まった男性は、就職活動が思うようにできない状態に。それでも父親から「お前には前途洋々たる未来がある」と言われ、励みになった。反対に一番つらかったのが「病気だから無理」という周囲の言葉だ。 うつ病の苦しさ、つらさは、周囲の無理解によって増幅され“二重苦”になることもある。 世界保健機構(WHO)憲章では、「健康とは、病気でないとか、弱まっていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」と定義している。 人間は一人では生きられない“社会的な生き物”だからこそ、周囲の適切な関わりが大事だ。 池田先生は、「病気をした人は、その分、人のことを思いやれる。慈愛が深まる」と言う。 その偉大な使命ある人々と共に、病を成長の糧に自分らしく輝く“健光”の時代を築きたい。 【社説】聖教新聞2018.3.15 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 18, 2018 05:20:38 AM
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