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May 2, 2021
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大事なことは何かを見直す

生命倫理研究者  橳島 次郎

コロナウイルス禍のなかで

昨年1月から9月まで、先端医療の発展が私たちの生老病死にもたらす、さまざまな問題を考える論説を連載させていただいた。今般の新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みのなかで、連載で取り上げた先端医療にも影響が及んだ。

3月初めに日本移植学会は、期待が可能な臓器移植は停止するよう勧告する基本方針を出した。人工透析で命をつなげる腎臓の移植が主な想定対象だ。命に関わり期待が困難な心臓や肝臓の意匠句は、リスクを検討したうえで実施の可否を判断するとされた。

移植を受ける患者は免疫抑制をしなければならないので、感染するリスクが一般の人より大きい。移植する臓器を運ぶために大勢の医師から全国を飛び回ることで、感染リスクが広がる懸念もある。そのために自粛が求められたのだ。5月末、緊急事態宣言が全国で解除されると、再開を認める新指針が出された。

また、日本生殖医学会は4月の初め、三回に、人工授精や体外受精を行う生殖補助医療(不妊治療)の延期を患者に提示するよう求める声明を出した。不妊治療を続けて妊娠すると、万一感染した場合、治療薬は胎児への副作用の恐れもあって妊婦には投与できないので、リスクが大きいからだ。

不妊治療は命に関わる医療ではないが、年齢が進むと妊娠できる可能性が減っていく。75年半は、首都圏や京阪神などを除く地域で緊急事態宣言が解除されると、生殖医学会は延期した不妊治療の再開を検討してよいとする通知を出した。

コロナウイルス禍のなかで、私たちは不要不急の活動を控えるよう求められた。自分の暮らしが何が大事で何がそうでもないか、見直すいい機会だ。常にそうした仕分を心が蹴ることが、コロナ後の新しい生活様式の基本だと私は思う。

自粛が求められた臓器移植や生殖補助医療も、すべて元通りに戻すのがよいか、改めて自分のこととして考えてみてほしい。先端医療には、知っておくべきさまざまな問題がある。それらを分かりやすくまとめた本を、このたび出すことができた。本紙での連載に大幅に加筆したものだ。

今後も私たちは感染防止に努めなければならない。だが生老病死を巡っては、他にも大事なことがたくさんある。コロナ対応に追われる日々にあっても、それが忘れられてはならない。今度出した本では、どんな事態のもとでも変わらず問いかけるべきことを、丁寧に示してみた。多くの方にお読みいただければ幸いである。

 

 

【生老病死を巡る問い掛け番外編】聖教新聞2020.6.16






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Last updated  May 2, 2021 04:45:15 AM
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