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カテゴリ:心理学
「いい加減さ」を大切に 精神科医・産業医 井上 智介 伝えたいこと 「元気になれる繊細さんの生活術」の連載は、今回が最終回です。最後に私がこの連載を通して、お伝えしたかったことをお話しします。 繊細さんは、生まれつき共感性や感受性の高さを持っています。その結果、言葉に表しにくい生きづらさを抱えている人もいます。例えば、周りの空気を読み過ぎて、うまく自分の気持ちを表現できなかったり、気を使いすぎて毎日がへとへとになることもあります。 確かに、それらを完全に取り去るのは難しいかもしれません。しかし、この連載で伝えてきたように、一つ一つのちょっとした工夫で軽減できることはあるはずです。繊細さんはポジティブな気持ちに大きく共感することもできるので、マイナス面ばかりに目を向けず、人とは違った深みのある人生を送れる可能性も忘れないでください。 例えば、友達にうれしいことがあったら、まるで本人のように喜ぶことができたり、味や香り、音楽を誰よりも深く味わうこともできます。また、道端で一生懸命に咲き誇る植物の生命の強さに、自分を照らし合わせて心が震えるほど感動することもあるでしょう。 あなたは精密機械を目の前にしたとき、それを乱雑に扱うことはしないはずです。繊細さんの心は、まさに精密機械です。だから、だれよりもあなた自身が自分の心を丁寧に扱ってあげてください。時にはメンテナンスも忘れないでください。 その方法は人によって違うかもしれません。しかし、仕事も家事も人間関係も完璧主義にならないように、足すばかりではなく引くことも意識した「いい加減さ」を大切にするのは、全ての繊細さんに共通していますから、忘れないようにしてくださいね。 最後になりましたが、いつも温かいご声援ありがとうございました。 (おわり)
【元気になれる「繊細さんの生活術」▷13◁】公明新聞2021.11.4 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 10, 2023 06:07:07 AM
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