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カテゴリ:名字の言
人生の究極・生の根源・生きる意義 ドイツの作家ヘルマン・ヘッセの作品に、こんな話がある。夫を亡くし、貧しく暮らす女性が男の子を生んだ。その際、隣に住む老人から〝お子さんにとって一番よいと思われることを一つ考えてください。かなえてあげよう〟と言われた。女性は〝皆がこの子を愛さずにはいられないようにして〟と答えた ▼願いはかなった。ただ、悪事を働いても人々に許され、甘やかされた。その子はわがままで、傲慢な大人となってしまう。享楽な人生を手に入れたものの、喜びや充実はなかった ▼失意の底で、その子自身が老人に叫ぶ。〝僕が人々を愛することのできるようにしてください!〟。再び願いはかなった。だが、今度は数々の試練が彼を襲う。それでも信念を生き抜く中で、本物の人生の価値を見出した(高橋健二訳『メルヒャン』所収『アウグスツス』人文書院) ▼この物語は、ヘッセの作品の中で最も美しいと評される。執筆当時、ヘッセは外面的、内面的に苦境の極みにあったという。それゆえ、人生の究極、生の根源、生きる意義を描けたに違いない ▼我らも信心根本に、いかなる苦境にも心強く、自身を磨いていきたい。友に尽くし、社会に貢献し、真実の人生勝利の歩みを進める一年に。
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Last updated
April 11, 2024 05:25:30 AM
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