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May 2, 2024
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カテゴリ:政治

共通の測定ルール

尾松 亮

海洋汚染の削減課す条約

OSPAR条約(北東大西洋の海洋環境の保護を目的としたオスロとパリ委員会での条約)は、放射性破棄物の海洋放出のゼロを目指し、問題となる放射性物質の削減を締約国に義務付ける条約である。しかし締約国(15カ国)の間で、判定方法がバラバラであれば、客観的に放出量を把握できず、汚染削減の効果を確認することもできない。測定法は条約の実効性に関わる重要問題だ。

1998年の条約発効以前から、測定対象となる放射性物質のワーキングチーム会議では「原子力施設からの液体放射性物質のデータ収集のためのフォーマット」が重要課題となった。この時点でも、関係国による放出量の報告は行われていたが、施設ごとに測定対象の放射性物質の範囲が異なるなど、データ収集規則に統一性がないことが問題と指摘された。

「それぞれの原子力施設から報告された特定の放射性物質放出量データの数に著しい差があった。66カ所の原子力施設では45種類放射性物質のデータが提出された一方で、30以上の施設で12種類の放射性物質の放出データしか提出されていない」と同ワーキングチームの議事録には示される。

この問題に対処するため、同会議では指摘された問題点を踏まえて「原子力施設からの液体放射性物質放出データ収集のための報告フォーマット改定版」(案)をまとめている。その後、この96年版の改定報告フォーマットを基盤にして、締約国は制定対象核種や判定方法を統一してきた。同フォーマットに基づいて行った制定結果をまとめた「2000年における原子力施設からの液体放射性物質放出」報告書では、測定対象となる放射性核種「トリチウム」「セシウム」(134および137)「ストロンチウム」などが定められ、それぞれの原子力施設から放出量を記述するフォーマットが提示されている。

福島第一原発からの処理水の海洋放出を巡り、近隣諸国から批判が強まる中、日本では「中国、韓国も汚染水を放出している」と正当化する向きも一部にあるようだ。しかしOSPAR条約締約国の取り組みからは、測定ルールやデータ収集の共通ルールなしに、汚染状況の評価や実効性のある防止策はできてないことが分かる。

 

 

 

【廃炉の時代―課題と対策―53】聖教新聞202327






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Last updated  May 2, 2024 04:12:28 PM
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