懐かしのニュース、あの人はいま
11月23日は勤労感謝の日。この祝日が近づくと、私は毎年いつも思い出すことがある。それは山一證券、自主廃業。1997年11月22日の土曜日。起きてテレビをつけたら、どのチャンネルもこのニュースをやっていて驚いた。勤労感謝の日がある3連休。火曜まで会社と連絡がとれず、顧客をはじめ多くの人が大慌て。四大証券の一つ、誰もが知っている大手の会社も、いきなり潰れてしまうんだ・・・。あれからもう10年も経ったんですね。就任して間もない社長が、「社員は悪くありませんから! 一人でも多くの社員が再就職できるよう、お願いします!」って泣いていた会見が印象に残っている。その前に、株主とか顧客に言うことあるでしょう、って突っ込みたくなった人は少なくないはず。勤めていた社員も、その年内定していた学生も、テレビを見て初めて自主廃業を知ったという。その後メリルリンチに就職できた人もいれば、全く違う職業について新しい人生を歩んだ人もいる。子どもを私立の学校に行かせ、マンションのローンを抱えたある部長は、げっそり痩せて、これからどうしたらよいのかと困っていた。あの後、仕事に困った人はきっと多かっただろう。内定していた学生に対しては説明会が開かれた。セミナーや面接、内定式で何度もみた人事部の社員と、入社式ではなく残念なかたちで再会。つい10日前に、配属支店の希望をとる面接があった会場で。就職活動中の面接では真面目ぶっていた学生も、一部の人はロビーで煙草を吸い態度デカイ。説明会では、就職斡旋しろ、補償金払え、なんだかんだとうるさい学生多し。その後山一の人事部が、内定取り消しとなった学生に、そんな時期でも採用してくれる会社のリストを何度か自宅に送り、できるかぎり就職先がみつかるよう斡旋してくれた。実はわたくし、大学4年の時に山一證券に内定し、突然の内定取り消しを経験した学生の一人なのです。テレビ出ちゃったわよ。説明会での学生の態度がひどくて恥ずかしい、って言ってやったわ。雑誌には、インタビューで私が言ったことが嫌なふうに曲げて書かれていて気分悪かった。私は人事部の方たちが好きでした。さすが、「人の山一」。お世話になりました。証券会社で働く予定だった私が、今ではなぜか看護師です。人生どうなるかわからない。不思議なものです。あの年内定していた他の学生の皆さん、今は何してるのかな・・・?