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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2010年08月12日
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テーマ:海外生活(7772)
今日も就活支援コースに行ってきた。参加は実質義務で、勝手に休んだり遅刻早退は正当な理由がない限り認められない。週2回で良かった。これ以上はやってられない。

今日のスケジュールは、いつもどおり、8時から9時まで個人でPC作業、9時から12時、セミナー、12時半から4時、再び個人でPCとなっていた。ところが、セミナーは突然中止になり、8時から16時までPCの前に座っているだけだった。本当に拷問に近い。

インターネットで仕事を探して、応募書類を作成するのが私たちに与えられたメインの仕事。でも、私は、自分に合いそうな仕事も見つけられないし、どういう方向に進んでいいのかも迷っている状態なので、はっきりいって何をしていいのか困る。なんとなく、興味のある仕事について、どのような資格が必要かとかどうやったらその資格が取れるのか、ということを調べているけど、田舎に住んでいるので、自分の自宅付近でとれる資格というのはかなり限られる、という現実を確認するだけ。

小心者なので、他の人ように堂々とコンピューターゲームをしたり、オンラインショッピングのサイトを見るのは憚られる。当たり障りのない新聞記事を読んだり、エクセルやワードの練習をちょっとしたり、就職活動をしている人へのアドバイスがかかれた記事を読んだり・・・と、時間つぶすのが大変。今日は、それでも、送り状の雛形文を講師に添削してもらったり、送り状に背景画をつける練習をしたり、正味1時間ぐらいは真剣に取り組んだ。

PCルームは2-3箇所あるのだが、一番大きい部屋には18台置いてある。自由席なので、早い者勝ち。やはり最後列のPCは他人から画面をのぞかれることもないし、一番人気。
私は、前のほうに座っているのだけど、昨日も今日も同じ人が隣だった。
彼女は、ロシア人(正確にはカザフスキスタン出身)で、5年前に一家でドイツに移住してきたそうだ。彼女は、最近まで精肉工場に勤めていたが、ミスをしてしまい、首になってしまったのだそうだ。工場長はドイツ人だが、それ以外の工場で働いている人はロシア人で、工場内では普通にロシア語が飛び交っているらしい。
「ロシア人は冷たい。自分がミスをしたとき、誰もかばってくれなかった。(同じ移民でも)トルコ人やアルバニア人はお互いに助け合うのに、ロシア人は自分のことしか考えない。」とよく愚痴っている。
彼女は、PCを使ったことがないのか、全くできないので、しょっちゅう隣の私に助けを求める。最初は親身になって教えていたけど、5分置きに声をかけられれるので、「Integrationkursの二の舞になるかも・・・」と不安になってきた。私はまるで、彼女にPCの基礎教えるためにここにきているような気分になった。
でも今日は途中から講師が来て、彼女の横に座り、親身に教えて始めた。
彼女は自分のふがいなさに情けなくなったようで、泣き始めた。彼女もつらいのだから、私のできる範囲で快く助けてあげなくては・・と反省した。
しかし同時に、講師も4日目にしてようやく彼女に手取り足取り教えてあげ始めたわけで、いままでの3日間全くの初心者にただPCを使える環境を与えるだけでは放置しておいたのは、いかがなものかと思った。

講師がいなくなると、彼女の手はストップする。もっぱら私にたどたどしいドイツ語で話しかけてくる。彼女は、私と2歳違いということがわかった。しかし、彼女には、すでにお孫さんがいる。私にはまだ3歳の息子がいるのに!!!彼女の娘さんは、まだ19歳。でも、彼女いわく、ロシアでは20歳で結婚は当たり前なのだそうだ。彼女自身も20歳で結婚したそうだ。
トルコ人といい、ロシア人といい、ドイツに移住してきても、みんな早婚という「伝統」を崩さないのだなーとおどろく。

彼女は7月から失業生活に入ったそうだが、精肉工場の勤務条件は最悪で、2度と工場では働きたくないと言っていた。立ちっぱなしの肉体労働で、時給は6ユーロ。1日10時間働いても、1ヶ月に1000ユーロしかもらえないそうだ。現実は厳しいのだな。この1ヶ月で、掃除婦の仕事に10通応募書類を送ったけど、すべて断られたと憤っていた。しかし、彼女の応募書類を見てみたら、写真はついていないし、返されてきたのを使いまわしているので、紙もよれているし、間違いも多いし、書類だけで落とされても仕方ないかな、という状況だった。今回、ここに来て、講師に手伝ってもらって、正しい書類が作れたら、彼女のジョブハンティングはうまく行くかもしれない。そう考えると、やはり、こういう支援コースは必要なのだな、と思う。





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最終更新日  2010年08月13日 15時19分29秒
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