|
テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:職業再訓練
今日、税理士事務所からメールが来ていた。
先週地元にある税理士事務所3ヶ所に研修生として受け入れもらえないかという打診のメールを履歴書などとともに送った。そのうち1ヶ所からは、その日のうちに、「小さな事務所のため、研修員を受け入れる余裕がありません」という断りのメールが来た。そして、今日別の税理士事務所から「現在のところ、研修生受け入れ予定はありません」というメールが来た。 学校の研修担当者から「ダメ元でメールを送ってみなさい」と言われ、自主的に応募しただけなので、結果は予想されたことではあるのだが、「Leider(残念ながら)・・・」というメールをもらうと、精神的に結構ダメージを受ける。これから、たぶんこういうメールを山ほどもらうことになるのだろう。精神状態が持つかどうか不安だ。 学校の研修担当者は、親身になってメールや送り状の内容をチェックしてくれるし、いろいろとアドバイスをくれる。しかし、基本的に、税理士事務所は「外国人アクセントのないドイツ語を話す人」を希望している。電話で相手の名前を一発で聞き取れない人には用がないのだ。私なんて、どうやって研修先を探していいのかまったくわからない。 私と一緒に学校に通っている人は、友人のお父さんの勤めている税理士事務所で研修することが決まっており、すでに週に1回事務所に顔を出して仕事を教えてもらっている。その税理士事務所はうちから徒歩5分のところにある。本当に彼女がうらやましい。 結構長くドイツに住んでいるのに、ドイツ語をまともに習得しようと努力してこなかったツケが一気にまわってきた感じだ。 ところで、ドイツ語では、書類を送るときにつける送り状をAnschreibenという。 「schreiben」というのは、「書く」という意味を持つ動詞だが、これに接頭語がつくといろいろな意味になる。Einschreibenなら「書留」という意味になる。 先日の簿記の授業で、領収書を記帳する練習をした。領収書に「Überlassungsgebühr für die Ausschreibungsunterlagen...」と書いてあった。私は、Ausschreibungの意味を知らなかったので、どの勘定に記帳するのかわからなかった。入札とか公募という意味だということをあとで知った。Abschreibung(減価償却)という言葉も、このコースに通うようになって覚えた単語の一つだ。 「zahlen」は「支払う」という意味の動詞だが、bezahlen(代金を支払う)、auszahlen(賃金を支払う)、 abzahlen(分割払いをする)などという派生語があり、Inzahlungnahme(下取り)、 Anzahlung(頭金、内金)という単語もよく授業中にでてくる。 こういう似たような単語は、本当に混乱する。 私が未だにしょっちゅう間違えてしまう単語の一つに、「Begriff」(概念)と「Betreff」(件名)がある。 「Unterlage」(書類)というべきところを「Umlage」(割り当て金)と言ってしまい、恥ずかしい思いをしたこともある。お店で、Badeanzug(水着)をBadeumzugといってしまった時は、本当に消え入りたい気持ちになった。 金曜日の簿記の授業では「Drohende Verluste aus schwebenden Geschäften」について勉強した。私の場合、まず「Drohende Verluste」とはなんぞや?ということから頭を悩ませる。そして、更に「schwebenden Geschäften」とはなんぞや?と首をひねる。つまり、題名を見ただけでは何の話かさっぱりわからない。早速電子辞書のお世話になる。「Drohende Verluste」とは「予想損失」と出てくる。次に「schwebend」を引くと、「宙ぶらりん、係争中の、進行中の・・・」という意味がでてくる。しかし、先生が、「商法と税法では扱いが違っています、商法249条には・・・・と書いてあります。所得税法5条には・・・と書いてあります」と説明しだすと、また頭が混乱しだす。 休み時間に、隣に座っている55歳のおじさんに「どういう意味ですか?」と助けを求めた。彼は、いつも親切に解説してくれる。今回も、具体例をあげて説明してくれた。「例えば、あなたが韓国の会社から品物を購入したとしますね。」と彼は図に書いて説明し始めた。私は「なぜ韓国? もしかして、私を韓国人だと思っているのかな?」と思ったが、黙ったまま説明を聞いた。 「去年の10月に契約をしたのですが、品物と請求書は今年に入ってから届いたとしましょう。契約した時点の為替では、10000ユーロだったのに、去年の年末には為替が変動して、価値が8000ユーロになったとします。そうすると、2000ユーロの損失が生じます。この損失を商法上では、決算に盛り込まないといけないのですよ。債権者や投資家にその時点での会社の会計状況を正確に伝える義務があるからですよ。借方が商品2000ユーロ、貸方が準備金2000ユーロと損益計算書に盛り込みます。翌年、請求書が届いた時点で、借方・商品10000ユーロ、貸方・債務10000ユーロ、のほか、借方・準備金2000ユーロ、貸方・商品2000ユーロと記帳するのです。そうすると、損益計算書では、商品が借方に8000ユーロになりますよね。」と教えてくれた。なんだ、そういう話だったのか、とここでようやく私は理解できた。 でも、毎回周りの人に聞くのは申し訳ないので、わからないまま有耶無耶にしてしまうことのほうが実は多い。授業中、「先生、もう一度説明してもらえますか?」という勇気が私にはない。 ドイツ語が必要ない世界に住みたい、というのが本音だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年05月31日 08時33分33秒
コメント(0) | コメントを書く
[職業再訓練] カテゴリの最新記事
|