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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:職業再訓練
5月から始めた研修先探し。
3つの税理士事務所から面接に呼ばれ、2つからは色よい返事をもらっていた。 「案外簡単に見つかったなー」と思っていた矢先に、まさかのどんでん返し。 1つからは「事情が変わったので受け入れは不可能になった」、もうひとつからも「他の事務員に研修員を受け入れることに難色を示された」と言われてキャンセルになった。 その後は、夏休み後に5つの事務所に応募したが、どこからも「研修員を受け入れる予定なし」という返事がきた。 私たちのクラスは7人いるのだが、9月の時点で翌年1月からの研修先が決まっていたのは2人だけ。 私以外の4人は面接にさえ呼ばれていない状態だった。 そこで、学校の研修担当者が私たちに代わって研修先を探してくれることになった。 自分が研修をしたい事務所のリストを担当者に渡し、担当者がその事務所と交渉してくれることになったのだが、担当者が忙しすぎてなかなか相手の事務所に連絡をとってもらえない。いつも「電話をかけたが、担当者がいなかった」とか「メールをしたが、返事が来ない」とか「そこにはまだ連絡していない。これからする」というまるで蕎麦屋の出前のような返事ばかりだった。 学校の講師で義父が税理士の人がいる。学校側がその講師に義父の事務所で研修生を雇ってもらうように頼んだ。比較的その事務所の近くに住んでいるクラスメート二人がそこで2日間づつProbearbeitをした。しかし、その事務所の出した条件が「午後働ける人」ということだったので、そのうちの一人は自分から辞退して、残った一人がその事務所で研修できることになった。 別のクラスメートは、先週面接に呼ばれた。その税理士事務所はものすごく大きくて、支社もあるのだが、「本社」だけで28人の事務員がいるそうだ。彼女は面接でいきなり「希望の給料額はいくらですか?」と聞かれてびっくりしたと言っていた。私たちは「無償」の労働力。それでもなかなか研修先が決まらないのは、受け入れ側にとって、「無償」ではなく、ものすごく「時間」を投資しないといけないからだ。私たちは18ヶ月理論を学んでいるが、実践とは別物。即戦力になるどころか、最初の3ヶ月間は確実に足手まとい。それに、一人前の机やPCや簿記用ソフト(このライセンスが非常に高価)などの設備も必要なので、受け入れ先にとっては、決して安価な労働力ではない。それなのに、最初から給料を払うと言ってもらえたので、彼女は喜んでいた。その場で受け入れを約束してくれたそうだ。 しかも、その事務所は全面ガラス張りのおしゃれな複合施設のビル内にあり、そこに勤めているというだけで、エリート気分が味わえる。 その分、社内での張り合いもすごいらしく、女性同士の嫉妬が渦巻いているという難点もあるらしい。 先週の金曜日に、研修担当者に呼びだされた。「次はあなたの番ね。ストラテジーを変えたのよ。あなたからもらったリスト(そのリストをわたしは1ヶ月以上前に渡していた)をみて、電話で確認しないで、昨日いきなりメールで履歴書を送ったの。そしたら、今税理士事務所から電話がきて貴方と一度会いたいっていうんだけど、いいかしら?」と言われた。 月曜日に事務所担当者に、「言葉の面で少しハンデがあるということは伝えてあるわ。だから、緊張しないで大丈夫よ。それに、息子さんも一緒に働いているのだけど、息子さんはアジア人と仕事をしたことがあるそうで、その点も問題無いわよ。木曜日に面接の約束を取り付けたから、頑張ってね。」と言われた。 で、今朝、面接に行ってきた。 昨日は想定問答集を作って、最初の挨拶から最後の挨拶まで、セリフを考えた。 しかし、面接という感じではなかった。 事務所は外に看板すらなく、普通のアパートの一角。 ドアを開けてくれたのは、20歳代後半の男性。わたしは息子さんだと思って、「Guten Morgen,HerrXXX」と言ったら、「僕は000です」と言われた。別の部屋から税理士の女性が出てきて、「よく来てくれたわね。お名前はなんでしたっけ?」と言われた。その後、彼女の部屋を見せてくれた。大きなテーブルがあり、そこで面接をするのかと思ったが、「息子を紹介するわ」といって、息子さんの部屋に連れて行かれた。「英語で話しましょか?」と言われたので、「いえ、ドイツ語で大丈夫です」と断った。「ドイツ語が話せるの?」と聞かれた。「そうでなければ、学校に通えません。」と伝えた。一体、学校の研修担当者はどのように伝えていたのだろうか? そして、ドアを開けてくれた若い男性の仕事部屋もみせてくれ、あとは、「ここがトイレ、ここが物置、ここが洋服掛け、ここが台所」と事務所の中を案内してくれた。すごく小さい事務所で、簡単に言ってしまえば2LDKのアパート。どの部屋も机の上に書類が山積みで、物置のようだった。 その後受付前で、彼女、彼女の息子さん、そして若い男性とわたしの4人で雑談。 若い男性は3ヶ月前にここに雇われた「新人」。 そのほか、息子さんがもう一人いて、今は休暇中らしい。 つまり、わたしより少し年上の女性の税理士さんと男性3人の体制。 税理士事務所というと、女性の事務員が多い印象なのだが、この事務所は全然違った。 中国語はできる?と聞かれた。実は以前にも、学校の研修担当者から「中国語ができる研修生を探している事務所があるのだけど、あなたはできるわよね?」と聞かれたことがある。今は日本語ではなく、やっぱり中国語のほうがビジネス面で使える言語なんだなーと強く思わされた。 わたしは正直に「できません」と答えた。「でも、電話ぐらいはできるでしょ?」「少しはわかるわよね?」と学校でもここでも食い下がられた。「できない」というわたしの答えにたぶんがっかりしたと思う。 唯一新人男性だけが、「中国語と日本語は全く違う2つの言語と考えたほうがいいと聞いたことがあります。」と言ってくれた。 日本語を使うチャンスはないですよね?と一応話を振ったら、「今のところはね」と言われた。「そうですよね。デュッセルドルフならまだしも・・」とわたしが言うと、新人の男性が「デュッセルドルフにはドイツ最大の日本人コミュニティがあるらしいですね。」と応じた。税理士さんが「えっ?なんでデュッセルドルフ?」と聞いた。新人男性は「確か、AJINOMOTOがそこに進出したのがきっかけとなんかで読んだような・・」と言った。わたしは「明確な理由は知らないです。」と答えた。新人男性は「味の素って化学系の会社ですよね」とわたしに聞いた。私は「クノールとかマギーみたいな食品会社だと思います。」と答えた。 新人男性の情報は合っていなかったようだが、それでも、結構雑学がある人だなーと思った。 「何か質問は?」と聞かれた。 「なければ、じゃあ、来年の1月4日の8時から来てください」と言われて、びっくりした。 これで面接が終わり???? 新人男性と一緒の部屋で仕事をさせてもらえるようだ。「わからないことも多いと思いますが、よろしくお願いします。」と言ったら、「わからないことは僕が説明しますから、大丈夫ですよ。」と新人男性が言ってくれた。この新人男性の立ち位置がよくわからなかったが、ただの事務員という感じではなかった。 その後、学校に行って報告した。担当者はすごく喜んでくれて、立ち上がって私にハグをしてくれた。「本当にありがとうございます。貴方の助けなくては、ここまでこぎつけませんでした。」と伝えると「それが私の仕事だから」と答えた。 クラスメートもすごく喜んでくれた。担当者は早速契約書を作り、私がサインし先方に送ってくれた。 11月に入り、3人の研修先が決まった。でもまだ2人残っている。 半年後には、今年の7月に始まったコースのフルタイムの人が研修に入る。10人いるそうで、担当者は来年の6月までに更に10人分の研修先を見つけないといけない。そして、私たちより1年遅れて今年7月に始まったコースのパートタイムの人たちが研修に入る。彼らは14人もいる。 そして、来年の7月にはまた新たに同じコースが開講になる。 税理関係事務員の数が足りない、ということで、職安はどんどんこのコースに職を探している人を送り込んでくる。学校で授業を受けることは問題ないが、その後の研修先を見つけるのは年々難しくなっている。 しかし、そんなことを私が心配しても仕方がない。 とにかく今は、自分の研修がうまくいくことを考えることに専念しようと思う。 その前にあと2つテストがある。なんだか、エンドレス。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月27日 04時15分51秒
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