1年間CG背景での放送を成し遂げた王様戦隊キングオージャーのアセット(CG背景セット)一覧とスタッフインタビューが一気に読めるバーチャルプロダクションガイド(玄光社)を購入しました!
玄光社公式サイト
判型はB5横長判、東映ヒーローMAXと同じサイズの横開きです
東映特撮では宇宙が舞台のキュウレンジャーや異空間が戦場になった龍騎/鎧武と様々なやり方で異世界表現を試みていて、左右反転で鏡の世界、爆発シーン等の合成カットに風都タワーなどの建築物を入れる、カメラにフィルターを挟んで色調を変える等様々な手法が使われてきました
去年のキングオージャーではリュウソウジャーで試験導入・仮面ライダーセイバーで本格導入されたリアルタイム合成を更に推し進め、かつLEDウォールにCG背景をそのまま映し出す方式の2本柱でチキュー六王国+αを成立させていきました
videosalonでのキングオ製作スタッフインタビュー
コロナ禍で設定や体制を練り直す羽目になったセイバーではLEDウォールの調達が不可能だったのでリアルタイム合成を本格導入しましたが、それから経験と余裕が生まれたドンブラ・キングオでは専門会社の協力とLEDスタジオのお陰で自由な画が作り出せたのがそれぞれのファンとしても嬉しいです
今回購入したバーチャルプロダクションガイドでは東映公式ページでのプロダクションノートにて簡潔に紹介された大道具のデータ化、もしくは大道具の活用を俺のような素人にも分かりやすく解説しています
アセットが生み出されるまでの写真や観る機会が少なかったトウフの城下町アセットも含めたCGアートをじっくり眺められるのが素晴らしい
更には北海道や長崎のハウステンボスのような実景を活かした撮影の裏話も解説!
流石にプロダクションノートと被る話題も有るんですがドンブラ以前の東映公式ページが消え去ったばかりなので仮にキングオ東映公式が無くなっても紙媒体で読み返せるのが嬉しい 東映公式サイトの貴重な記録が消えたのが辛い…
巻末インタビューではCG背景に携わった技術者の皆さんのインタビューも読めて、1年間の特撮作品でのバーチャルプロダクションの悲喜こもごもが聞けて有り難かったです
一方で各国のアセットには城の近辺使う機会が訪れなかった場所も少なからず有った様子 流石にCG背景主軸にしたのキングオが初めてだしね
キュウレンでは時間が取れる1話〜3話のパイロット版で泊まり掛け離島ロケ(Webテレビジョン)を行ったけど、キングオは日本全国の豊かな自然を無理なく撮れるのがチキューの広大な画に繋がっていたと思う
イシャバーナの美と医療の国に恥じない画が好きだったし、雪国ゴッカンを真夏でも撮れるのは今回の企画だからこそ 5話のロケで撮った栃木県那須の雪山素材は今後も活きてくるだろうしね!
関東圏では撮れない九州・北海道の景観を専用のスケジュールを組まずに撮れる実景合成技術が今後も進めば、廃墟となった新宿や高速道路上のアクションみたいな画も作れると期待したい
動く足場を使ったアクションシーンもやって欲しいな…
リアルタイム合成を初導入した令和元年のリュウソウ・本格導入した翌年のセイバーからCG背景を主軸にしたキングオまでたった5年でここまで進歩したのが恐ろしい
スタジオでは困難な広さ・動き回る歯車が特徴的なトジテンド王朝、不安定な足場が印象深い桃井陣の牢獄を更に進歩させた広大なチキュー各国の城が斬新な画を生んでいて満足感が有った
バーチャルプロダクションの関係で半年早めに製作を進められたのがキングオバーチャルプロダクションの勝因だった一方で、毎年キングオのような手間暇掛けられるとは思えないのでもっと手軽にCG背景を作る手法が固まって欲しい 後処理にも苦労したようだし
タッセルの部屋みたいな小規模な物を多く作るのも一つの手段なんだろうか?
今回積み上げたノウハウで次のCG背景を主軸にした特撮ヒーロー・一般ドラマの撮影はより進歩していくと視聴者としては期待したい
スタジオ撮影ならワイヤーアクションも使いやすいだろうし、地球の建造物では撮れないファンタジーやSF世界観をもっと様々なドラマで楽しみたい!
ウルトラ銀河伝説の無重力感の有るアクションをまた何処かで観れないだろうか
他社だからキングオに直接関係は無いんだけど円谷のギャラファイの制作頻度が上がって欲しい…
CGWorldの解説記事
最終回メイキングも載ってます
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