『パフューム~ある人殺しの物語~』を観ました。(^^)ネタばれ有り
昨日の『ドリームガールズ』以上に、前知識ナシで観ました。存在自体、知らなかったと言っても過言じゃない状態で。『パフューム』ってタイトルしか知らなかったんですが、サブタイトルの『ある人殺しの物語』で更にナゾが…。しかもR-12だし。どーいう事?!全体的に、とても作りが丁寧で繊細でした。流れが自然で2時間半が長く感じなかったし、とても分かりやすかった。テーマ的にも女性の監督(もしくは脚本)かな?と思わせるほどの柔らかで優しい感触の映画でした。冒頭ではちょっとグロっぽい部分もありましたが、『うげっ!』と思わせるのにちょうどイイくらいの加減で、後には残りません。それよりも、女優さんがみんなめっちゃキレイで(そこがポイントなんだけど)目の保養にもなります。そして、主演のグルヌイユ役のベン・ウィショー。全然知りませんでしたが、イアン・ブラウン(ex,ストーンローゼズ)に似てて…。もしくはSHED SEVENのvo。UK産のサル顔でした。でも、あの目はすごく印象的。子供時代の子も目がキレイだなぁ~、と思いました。ひたすら『香り』だけを追い求めている真っ直ぐな目。純粋ゆえに人道からも外れてしまう狂気。何が正しいのか、観ている私も取り込まれそうな目でした。途中、グルヌイユが作った香水を嗅いだバルディーニ(ダスティン・ホフマン!)のシーンがケン・ラッセルか?!って感じで、ちょっとププッとなりましたが。ラストシーンも、最初は『えぇ~っ?!あり得なくねぇ?!』と思っていたんですが、だんだんと『あり得なくはないかも?』とか思って来ちゃったりして…。すっかり私まで感化されて、とてもあの香水を嗅ぎたくなりました。終わり方も、すごく自然の流れの中にあって心地の良いものでした。処刑台のシーンの後、グルヌイユが自殺しちゃうんじゃないかな?と思ったんですよね。結局、彼がずっと求めていた『愛』を感じる事は出来ず、逆に究極の孤独を感じてしまったんじゃないか?と思ったら可哀相になっちゃって。そして『そーきたか!』というエンディング。彼は満たされたのかなぁ…?多分、好き嫌いの出る映画だとは思います。でも私は好きです。このテーマで、この丁寧な作りは奇跡に近いと思います。派手ではないけど、じっくり映画の世界に浸りたい方にはオススメです。私はエンドロールの後もしばらく動けないほど、どっぷり浸かりました。パフューム -ある人殺しの物語-