季語と暮らす生活!  歳時記で知る日本の四季

2005/01/29(土)10:05

狐火(きつねび)

映画・ドラマ・DVD(39)

狐火(きつねび)【狐の提灯】《季 冬》 《狐の口から吐き出された火という俗説から》闇夜に山野などで光って見える燐火(りんか)。鬼火。また、光の異常屈折によるという。狐の提灯(ちようちん)。 りん‐か【s×燐火】墓地や湿地で発生する青白い火。人魂(ひとだま)。鬼火。狐火(きつねび)。(三省堂「大辞林」第二版より) さびしんぼう   高校2年生のヒロキは、下校途中に見かけるピアノを弾く憧れの君に"さびしんぼう"と名付けていた。そんなヒロキの前にピエロの化粧をした不思議な女の子が現れ、自ら"さびしんぼう"と名乗る。「人を恋することはとっても寂しいから、だからあたしは、さびしんぼう」。たびたび現れて騒動を巻き起こすこの"さびしんぼう"を、ヒロキは最初は煙たがるのだが…。 大林宣彦監督の「転校生」「時をかける少女」に続く"尾道三部作"の第3作。美少女とピエロ姿の少女の2役を演じるのは「アイコ16歳」でデビューした演技派女優、富田靖子。ヒロキには大林映画の常連、尾美としのり。ショパンの「別れの曲」のメロディにのせて描かれる、切なくて優しい恋物語である。ヒロキの母親役・藤田弓子のコミカルで味のある演技にも注目して欲しい。 狐火のゆらゆらと我が心かな   岩崎すず いまだに狐火というものを見たことはありません。ただ、狐火とは関係はないのかもしれませんが、大林宣彦監督の映画「さびしんぼう」の終盤で、主人公が失恋し、傘もささず雨に打たれながら家路を辿っている時に、路地を折れて更に坂道にさしかかるその角で、雨の中に青白く揺れていた焔が印象に残っています。 心もとなくゆらめき続ける焔。つい自分の心を投影してしまうのも、ずっと秘め続けてくるしかなかったさびしさからなのでしょうか?(秋桜歳時記)

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