荒れ果てた 大地

2007/05/01(火)17:25

皇国の守護者[1]

本(18)

新城直衛中尉を中心に語られていく物語。基礎的な戦争の知識があれば凄く楽しめる内容だった。自分は残念ながらなかったので幾らか調べながら読むことになった。 新城中尉。その人物は、皇国軍の剣牙虎をすべる隊のまとめ役である。彼が生きる時代の皇国は、近隣である帝国と戦争をすることになる。お互いがお互いに相手の事を理解しようとしなかった。経済的な理由もあった。ゆっくりと貯まっていく不和のバブルはついにはじけて、両国を戦争の渦へと巻き込んでいく。その中で、勇敢に、時に汚く、時に潔く、時に自己嫌悪を味わいながら戦う様を描いた大河作品。文章力もあり、無骨のようで流麗な文章は、その人物の心理、もちろんその場の背景も描写しつくしている。読んでて最初は突っかかるが、何処かを越えれば病みつきのような味が頭の中に広がる事は請け合い。実際、自分はそうなった。 全体的に文章構成力、心理、背景描写能力に、実はこれ、ファンタジーと言う色々と良い物を混ぜ込んだような作品。ファンタジー部分もしっかりとした骨格が形成されており、読んでて不快どころか気持ちを弾ませてくれること間違いなし。腰をすえてどっしりと読みたい人向け。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る