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瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内シーカヤック日記

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October 28, 2006
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カテゴリ:カヤック
生名島連泊ツーリング二日目は、伯方島の塩ラーメン目指してパドリング! 岩城島のレモンも楽しみだ。

***

夜中、テントから外を覗くと満点の星空。 しばし夜の空に見入った後、再びシュラフにもぐり込み、朝まで眠りを貪る。 考えてみれば、ここ何週間か週末は、テント暮らしと旅するシーカヤックの日々だなあ。

まさに、人生は旅であり、旅とは人生である。

朝5時過ぎにテントから這い出し、まずはお湯を沸かしてコーヒーを飲む。 空は快晴。 天気予報でも、晴れ一つだ。
朝食を食べ、再びコーヒーを飲み、着替えて出艇の準備。

フネや道具を浜に運んでいると、向こうからおばさんが袋を手に歩いてくる。
『何が採れるんですかー?』 『これはひじき。 そしてこれはベラ。 浜でベラが寝ていたんで拾ってきたんよ! おおきいじゃろ』
たしかに大きい。 20センチは越えている。 『寝てたんですかー! 良かったですねえ』

***

8時半。 生名島の浜を漕ぎ出す。 目指すは伯方島。

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青いレモンと造船で有名な岩城島の北端をかすめ、岩城島の西岸側を南下していく。 小潮であるのに加えて、干潮の潮止まりでもあり、順調に漕ぎ進む。

今日は、久し振りにカーボン製のワイドブレードパドルを引っ張り出し、フェザリングで漕いでみた。 いつもは、ナローブレードのパドルでアンフェザーで漕いでいるのだが、たまにはフェザリングも試しておかないと忘れてしまうのではないかと思ったのだ。

カーボンパドルなので軽く、久し振りのフェザリングも、懐かしくこそあれ特に違和感もなく漕ぎ進むことができた。

***

出発してから50分後には岩城島の南西端を越え、1時間後には岩城島と伯方島との間の海峡の真ん中。
そして1時間半ほどで、伯方島の港の近くに有る浜に到着した。 そこそこ良いペースである。

***

浜にフネを揚げ、まずは近くで畑仕事をしていたおじさんに話し掛ける。

『こんにちは。 この道路は、会社の敷地とかじゃないですよねえ?』 『うん、違う』
『伯方の港までは、こっちに歩いて行けばいいですか?』 『そうそう。 海沿いに、こっちに歩いていけばいいよ』

『この畑は、おじさんのですか? 広いですねえ!』 『わしは倉敷に住んでおるんじゃが、休みには帰ってきて草を刈ったり、手入れをしたりしとるんじゃ』
『そうですか。 大変ですねえ。 でも、橋が架かってから便利になったでしょう』 『まあねえ』
『じゃあ、塩ラーメンを食べに行ってきます』 『あの塩ラーメンは、有名なんかのう?』 『ええ、有名ですよ』

***

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10月が終わろうとしているとは思えない、暖かい日差しの中、海沿いの道を歩いて行く。 途中の造船所で、建造中のフネを見る。 やっぱりシーカヤックとはスケールが違うなあ。

***

『さんわ』 伯方の塩ラーメンで有名なこの店。 以前、妻とロードスターでドライブに来て、民宿でもある『さんわ』に泊った事がある。 その時は、リーズナブルな料金で、海の幸と塩ラーメンを堪能した。

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今日は、開店とともに一番乗りで店に入り、塩ラーメンと貝飯のセットを注文。

待っている間にも、店にはどんどんとお客さんが増えてくる。
いつ食べてもウマい。 このあっさりだがコクのある塩味。 うーん、たまらん!

***

再び歩いて、シーカヤックを揚げた浜に戻る。
おじさんは、まだ畑仕事の最中だ。

『食べてきましたよ!』 『どうでした?』 『いやあ、やっぱり美味かったです。 あのあっさり塩味がなんともいえませんねえ』
『ちょっと風が出てきたねえ。 やっぱり、昼になると風が出てくる』 『そうですねえ。 早めに帰りますよ』 『それがええじゃろう』
『じゃあ、今日は帰ります。 ではまた』

***

伯方島と岩城島との間は、潮流が複雑だ。 あちらこちらでザワザワ、グルグル、ボコリボコリと横渦、縦渦を巻いて潮が流れている。 今日は小潮だが、バウがあちらこちらに振られかかる。 しっかりとしたパドリングが要求される。

小潮でこれなのだ。 大潮なら冷や汗もの? というかバクバク、ドキドキ、そしてヒエーという叫びが聞こえるかも知れない。

パドリングソングは、TOKIOの『宙船』
『その船を漕いで行け! お前の腕で漕いで行け! お前が消えて喜ぶものに、おまえのオールを任せるな!』

自分の手で、自分のオールならぬパドルを順調に漕ぎ進み、津波島を越え、青いレモンの岩城島へ。

***

いつもの浜にシーカヤックを揚げ、町に散策へ。
スーパーを覗き、風情のある静かな町をプラプラと歩き、再び港へ。

港の待合室に併設されている、レモンハートへ。
店の前に、様々な種類のアイスクリームが置いてある。 岩城島の名産であるレモンを使ったアイスクリームやシャーベットもあり、注文しようかと思って眺めていると、おねえさんが店から出てきた。

***

『すみませーん。 ここで注文すればいいんですか?』 『そうですよ』
『レモンアイスとレモンシャーベットとどっちが人気なんですかねえ?』

すると、そのおねえさんは苦笑いしながら、『うーん、個人的にはチョコチップとか、バニラの方が好きかなあ』
『えー、そうなんですか? 困ったなあ』 おねえさんは、ニコニコしながら、『チャレンジします?』 チャ、チャレンジー?

『せ、せっかく岩城に来たんで』 『そうですよねえ』 『じゃあ、レモンアイスで! お願いします』

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150円、安い。 200円を払い、おつりを待っていると、『まだ食べてませんか? 食べたら感想を聞かせて下さいね!』

***

40歳を越えた、坊主頭のおやじが独り、カップコーンに盛られたレモンアイスを食べながら、岩城島の海沿いの道をテクテクと歩いて行く。 うーん、おもいっきり怪しい。
でも、このレモンアイス、あっさりとした中にも、しっかりとしたレモン味が感じられておいしい。 おねえさん、これは本当に美味いよ。

感想は伝えられなかったけれど、やりとりも楽しかったし、岩城島ならではのおいしい檸檬アイスも堪能した。
個人的には最高だったこのレモンアイスは、他の人にも絶対薦めるよ。 本当にありがとう!

その後、スーパーで岩城島名産の青い檸檬を買い込み、浜に向かう。

***

カヤックを揚げた浜に戻ると、子供を連れたお母さんとその友達らしい人が、話しをしていた。 通りがかりに、『こんにちは』と挨拶を交わす。
すぐ先の階段を降り、出艇の準備をしていると、振り返ったお母さんが、『えー、このフネで漕いで来た人?』
『そうです。 今日は、生名島から出て伯方に行き、塩ラーメンを食べてから、この島に遊びにきたんです』

『えー、伯方島で塩ラーメン? すごいねえ』 『生名島からクルマで伯方島まで行ったら、いくつも橋を渡らないといけないし、そのお金だけで大変ですよ。 シーカヤックなら一時間半で行けるし、タダですからねえ』 『そういえば、そうねえ』

これを切っ掛けに、話しが弾む。
岩城島のレモンの事、幼稚園、小学校の事、島の主要産業は造船である事、買い物は今治に行くよりも広島に行く方が交通費が安くて便利なこと、島で生まれ育った人の多くは島を離れる事などなど。
『ここは、本当に良いところですよねえ』 『まあねえ。 たまに来るといいかもね。 でもやっぱりのんびりしてるよ』

『カヤックは乗った事ないですか?』 『ないない。 大三島には、体験できるところがあるらしいけどねえ』 『ここは、少し潮流が早いけど、カヤックを楽しむには良いところですよ』

伯方島方面を眺めてみる。 海は凪いで、キラキラと輝いている。
『いやあ、今日はほんとうに良い天気だし、海もきれいですよねえ。 こんなところでお喋りしていたら、いつもでも終わらないんじゃないですか?』 旅人の新鮮な視線からの指摘を受けて、あらためて海を眺め、『本当ねえ、たしかに海がキラキラしてきれい』

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『おじゃましました。 それじゃあ、生野島に帰ります』 『じゃあね。 今度は子供といっしょに来たら!』 『バイバーイ』

私の場合、ほとんどはソロツーリングなのだが、一人旅という気がしない。 旅先で様々な人との出会い、触れ合いがあり、本当に充実した旅を堪能させていただいている。
『あるく、みる、きく』 これぞまさに、旅の醍醐味。

***

再び漕ぎ出し、今度は岩城島の東岸を漕ぎ登り、生名島の浜に戻った。
午後3時。 8時半に出てから、約6時間半。 実漕4時間ほどのパドリングであった。

***

フネを揚げ、管理人さんに戻った事を伝え、キャンプの手続き。
『もう、温水シャワーは使えないんですよねえ?』 『そう。 水ならだせるんだけど』 『じゃあ、水のシャワーを使わせてもらっていいですか?』

シャワー室を開けてもらい、水のシャワーを浴びる。 すこし冷たいが、体に付いた塩/潮を流せる心地良さ。 あー、スッキリだ。

***

『ありがとうございました。 スッキリしましたよ』 『今日もみかん持ってきたのよ。 今日のは、この近くのみかん農家の人がくれたの。 間引いたり、キズものだけどどう?』 『よろこんでいただきます。 昨日のもおいしかったですよ』

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夕方、町に買い出しに行き、浜に戻って夕食。

***

伯方島で畑仕事をしていたおじさん。 伯方の塩ラーメン。 岩城島のレモンアイスに出会わせてくれたおねえさん、そして岩城島のお母さん達。 生名島の管理人さん。
ほんとうに様々な人達に出会え、思い出に残るしまなみツーリングだった!

ひとつひとつの出会いを思い出し、かみしめながら、生名島のきれいなキャンプ場でビールを飲む。 楽しい思い出、これに勝る酒のつまみはないだろう。

***

夜が更ける。 まじめに漕いで疲れた体をシュラフに包み、ヘッドランプの明かりで、異邦人(カミュ)を読む。
私の場合、ムルソーとは異なり『太陽のおかげ』で様々な人に出会う事ができ、しまなみならではの、瀬戸内ならではの旅を楽しませてもらっている。

明日は日曜日。 朝は、のんびりまったりのお散歩ツーリングでも楽しむか!





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Last updated  October 29, 2006 08:17:04 PM
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