トウ艾さんの話
三国時代末期に登場する魏の名将・トウ艾。元々、貧家の出自だった彼が若い頃のエピソードにこんな話があります。『トウ艾は若くして魏の官吏となったが、生来の吃音に悩まされ、屯田関連の下役しか任されず、貧困な生活を送っていた。しかし、軍事に関心があった事から、仕事の傍ら、高い山や低い沼を見ると測量や製図を行い、軍営の設置場所をあれこれ考え、同僚からは失笑された』そんなトウ艾が都に使者として赴いた際、あの司馬懿に抜擢されて、尚書郎(行政長官!)に任じられると、民政では運河の開発や屯田の整備、軍事では姜維率いる蜀軍の侵攻を度々防ぐなど目覚ましい活躍を遂げるようになります。彼の最期の働きとなった蜀への侵攻においては、剣閣攻略に本隊が手間取るや否や険しい山中を迂回強攻し、成都を奇襲するという大手柄を上げました。トウ艾の判断力と実行力が如何に非凡であったが、伺えますね。その後、トウ艾は蜀攻略の責任者であったショウカイと司馬一族の対立に巻き込まれる形で落命してしまいますが、若い頃から不遇を囲っても腐らずに努力し、権力に近づく機会を得ると目覚ましい働きを示した姿は素晴らしいの一言に尽きます。私も見習いたい。