Fate Grand Order その121 風と共に去りぬ
『C.C.C(カースド・カッティング・クレーター)』その言葉と共に、彼女は北欧異聞帯の空想樹を握り潰した。いともたやすく。ぐしゃりと。まるで子供が羽虫を潰す様に。あれほど頑強に天高くそびえ立っていた空想樹が、小さな破片となって大地へと崩れ落ちていく。今の彼女には容易いことだ。例え、終末の巨人であろうとも今の彼女なら軽く捻り潰してしまえるのだろう。「惨め過ぎてお話になりません」耳元で囁く声が聞こえる。いつの間にか、私のすぐ隣に等身大の姿に戻った■■が立っていた。「からかい尽くされた後に惨めに終わる。 ―――ええ、本当にお似合いです」■■がニタリと口元を歪ませる。ぞっとするほど、酷薄な笑みだ。「そう思いません?マスターさん」真紅の瞳が私を見つめている。それだけなのに、心臓が嫌な音を立てて、どっと跳ねた。吹き出した汗が、背筋を冷たく流れていく。笑って空想樹粉砕しちゃう水着BBちゃん、マジラスボス。いやまぁ、キアラ先生にしろアビーにしろヤバイことには変わらないんですけど(笑)BBちゃんの場合、宝具発動時にニャル様が顕現してるので、他のどの宝具よりも「世界を侵して壊す」っていう冒涜感が物凄くて~少なくともあと5つは世界を消し去る訳でして。余談ですが、邪神の力を借りて世界を滅ぼしてしまうって聞くと、スレイヤーズの「重破斬」思い出しますね。あれも実態は召喚魔法みたいなものですし。えー、そんなわけで水着イベントも無事終了し、遅ればせながら第二異聞帯の結末も見届けました。第一異聞帯とあまり被らないように、上手く話の展開や異聞帯の人々との交流の仕方を変えてるな、という印象です。全体的にどこか物悲しさを感じたのは、報われない人々ばかりが目立ったからでしょうか。オフェリアもスルトもスカディもナポレオンもヴァルキリー三姉妹も。みんな自分の信念に沿って懸命に戦いましたが、報われたかといえば難しいところ。まぁ、ナポレオンはその辺、気にしてなさそうですけど(笑)流石は皇帝陛下、快男児に相応しい清々しさでした。あ、シグルドとブリュンヒルデは別格。原典が悲劇なのでFGOでは報われて良かったです~。■オフェリア・ファムルソローネカルデアAチームの一員にして、第二異聞帯を担当するクリプター。宝石ランクの魔眼「遷延」の所持者で、限定的な未来視や行動遅延が可能。第二章が始まるまでは頭の固いキリシュタリア信奉者という印象でしたが、いざ蓋を開けてみると、いつも心に不安を抱えている儚い女性でした。あと、なぜか本命じゃない相手に気に入られやすい。なんか哀れ。極めて有能ながら、臆病さと生真面目さが絡み合った結果、自分の本心に踏み出すことができない後ろ向きな性格。これまでにも機会は度々あったにも関わらず、キリシュタリアに自分の恋心を伝えることもできず、マシュに友達になりたい、とはっきり伝えることもできず。自分の気持ちを言葉にできぬまま、スルト暴走の責任を取って落命してしまいました。サーヴァントと違ってイベントでの復活も望み薄(過去編とか平行世界ならともかく)なので、二次創作眺めて心癒してます。。。■スルト炎の巨人王。瀕死状態のオフェリアが魔眼を通して出会ってしまった。本来はラグナロクの際、北欧の神々を滅ぼして活動を停止する破壊装置のような存在だった模様。「燃やして壊す」以外の行動理念を持ち合せてなかった彼にとって、オフェリアとの邂逅は実に運命的な出会いであった。うんうん、それも Fate だね!英霊でもなければ神霊でもなく、そもそもサーヴァントになるような存在ではないのだが、この時の縁を通じて彼女の魔眼に憑依。クリプターとなって第二異聞帯に赴いたオフェリアが英霊シグルドを召喚した際、その肉体を乗っ取る形で顕現した。ハッキリ言ってストーカー以外の何物でもないが、オフェリアに対する想いは間違いなく本物。口も悪いし、空気も読めないし、他の男が近寄るのも許さない。ついでに手河岸もできない。真の肉体を解放し、星そのものを破壊しようとしたのも「破壊の化身」である彼なりの愛情表現だったというのが物悲しい。■コヤンスカヤ玉藻オルタなのか、タマモナインの一尾なのか未だ不明な悪女系秘書。その代わり、「愛玩」のビーストである事が判明したり。第一異聞帯に引き続き、第二異聞帯でも何かを回収して去っていきました。最初はなにかのデータとかアーティファクトかなって思ってたんですが、今は「異聞帯の人間」ではないかなーと予想中。(そもそも、蹂躙対象として人間を愛してるって以前から言ってましたね)空想樹が消滅したのに他の空間に残るかは不明ですが、ノアの方舟よろしく「異聞帯の男女を一対ずつ集めてコレクションしてる」んじゃないかなと……なにしろ「愛玩」ですし。人間をペットと見なしていて「こんな希少種を滅ぼすなんてもったいないじゃないですか!あ、沢山はいりませんけどね。産ませて殺してを繰り返さないと」と人間牧場を密かに作ったりしたり、とか。あるいは、キメラ的な配合種を生み出したりとか……そこまで行くと科学者っぽくて、ちょっとイメージと違う感じですけども。いずれにしろ、自分の殺戮趣味の為にやってることだと思うので、ぐだ子とマシュの逆鱗に触れることは想像に難くありませんが。■ゲルダぴょーん……。実に切ないラストでした。新宿もですけど、ああいう終わり方、私好きです。第一異聞帯のパツシィくんに比べると、出番やぐだ子達との絡みは少な目。でも、それで良いんだと思います。あのラストの演出を活かすために、直接的な絡みは少ない方が良く、彼女は世界の真実を何も知らない方が良い。もしも、いつかアニメ化する機会があったら、ぜひ金田朋子さんか小倉唯さんに演じて欲しいです。特に「ぴょーん!」を。「Fate/Grand Order フロムロストベルト」第9話「なにもしらない」本日公開いたしました。北欧異聞帯に生きる少女ゲルダの目を通して見える世界とはーー。https://t.co/PRpIHnOHBeコミックス第1巻好評発売中です。 pic.twitter.com/JgFfEuEie7— コンプティーク&コンプエース (@comptiq) August 5, 2021