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今日も他人事

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2024年03月05日
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カテゴリ:ガンダム


元の記事が長過ぎて、スマホでもPCでも開くのが重かったので、分けました。

※補足1."持つ者にして、持たざる者"ブラックナイツ、そしてアグネス



ぶっちゃけ、全く魅力ない訳ですよ、あの連中。ただ、豪華で強いだけ。顔が良くて、パイロットの才能とか、マシンの性能とか、保有している戦力(宇宙艦隊、アルテミス、レクイエム)が凄いだけ。言動とか、エリートチンピラ以外の何者でもない。

あんな連中の言葉に感化されて、キラ裏切って、シュラに飛びつくアグネスも大概ですけどね。彼女の場合は、あの窮地で裏切らないと自分もブラックナイツに殺される可能性があったので多少、同情の余地はありますが……。




結局、ブラックナイツってなんだったのか、というと、凄い才能と英才教育と凄いマシンを与えられた超エリートが自分達より才能や装備で劣る格下の相手を侮ってぼこって、ふんぞり返ってる若手エリートでしかないわけです。

正直、ああいう露骨な三下ムーヴって萎える。漫画的過ぎるというか、そんな奴いねえよって。なんつーか、オタクに優しいギャルとかと同じレベル。だからこそ、需要あるのかもしれんけど、まさか、ガンダムの映画でそれをみる羽目になろうとは。いや、『OO』二期のイノベイド連中も大概だったけどさ。そういえば、あいつらも魅力無かった……




本当、二時間の尺の中で、主人公達を馬鹿にして苦しめて強敵感をだした上で、後半ぼこぼこにされて、主役キャラ達の見せ場を作るため(ひいては、視聴者の鬱憤晴らし)のための体のいい生贄ですよね。

で、それがダメかというと、別に悪くはない。だって、都合の良い三下悪役は単発映画の常套手段ですからね。それこそ、私が子供の頃から好きな東映漫画祭りの映画の劇場版に出てくる敵キャラなんて、大体、それですよ。『聖闘士星矢』然り、『ドラゴンボール』然り。




そもそも、二時間の尺で起承転結やらにゃいかんので、そりゃ敵キャラもある程度、単純化されるのは仕方ないと思うんですけど、まさか、誰一人、主人公サイドを圧倒してくるキャラが出てこないとは思いませんでしたよ。

シュラはアスランに翻弄というか完封されてますし、オルフェ&イングリットもキラ&ラクスに完全論破されてる。結局、彼らの指導者にして母親ともいえるアウラに全くカリスマ性というか、思想的魅力がない。なんだかんだ言って、『SEED』のアズラエルやクルーゼ、『SEED DESTINY』のデュランダルには、思想とか言動にある種の抗いがたい力があったんですよね。だから、キラ達も論破しきれないというか、「それでも!」と言いながら排除したり、「覚悟はある」とだけ答えるしかなかった。だからこそ、シンやレイもデュランダルサイドに立ってるわけですし、延々、あの世界でブルコス思想が続いているのも、アズラエルの思想・言動が、少なくともあの世界で生きている人間にはある種の説得力があるっていう証左だと思うんですよね。

それに対して、今回のアウラの言動って、宇宙で暮らしてるコーディネイターにしか向いていないんですよね。だから、アグネスとか、一部のコーディネイター不満分子を焚きつけることだけはできた。ただ、それだけ。主要人物の誰一人、彼女の言動に従おうとしていない。勿論、視聴者も。

だから、最終戦の消化試合感が凄まじい。シュラぐらいかな、結構、頑張ってたのは。そのシュラも、アスランに歯牙にも掛けられてないし。



結局、あいつらって何だったんだろう、って考えると、「凄い才能と凄い機体と凄い教育を与えられたレベル1エリート」みたいなもんかなって。だから、他人とか敵を下っ端に見下して、相手が自分達の想定外の動きをして逆転してくるなんて微塵も考えてない。常に自分達が主導権を握って、自分達が予想した通りに物事が進むとだけ考えている。つまり、経験値が圧倒的に足りてないんですね。だから、隙が生まれるし、そこに付け込まれてあんな無様な死に方をしてしまう。

で、それって実は『SEED』1話時点のイザークとかディアッカに近いんですよね、これ。立場も考え方も。多分、当時のままの二人だったらファウンデーションに合流してた可能性もあるかなって。それこそ、アグネスみたいに。実際、『SEED』序盤の二人って全然、キャラとしては魅力ないんですよね。中盤でニコルが死んで、憤りを見せるようになってから、キャラが立ってきたと思う。それまではストライクに翻弄される敵兵A、Bって感じでしたし。





ブラックナイツの子達も、そういう負けの味とか、実戦の恐怖とか、仲間の死別を経験した上で、それぞれ成長していけば、一人か二人は良いキャラになったかもしれませんけどね。まぁ、そういう機会も与えられなかったという意味では、世界観的には超絶幸運な"持つ者"なわけですけど、作劇的には成長する余地も反省する機会も与えられず格下相手にサンドバッグのようにざまあさせられる"持たざる者"な訳です。なろう小説のイキリカスと同レベル。これは悲惨ですよ。



あと、徹底的だな、と思うのは、制作側が彼らに同情する余地を一切与えてないことですね。どれだけ、母親であるアウラの歪曲教育(洗脳)が大きいとしても、生まれて十数年の間、外部の情報や歴史、思想に触れる機会もあったし、やろうと思えばいくらでも離反する機会も選択肢もあった筈なんですよ。でも、それをせず、与えられた「支配者(虐殺者)」という立場と敷かれたレールに甘んじて乗っかり続けてる時点で、同情もクソもないよねって。そこが、従来の強化人間の子達とはまるで違う。あっちは貧困と薬物という首輪をはめられてますから。




比較的、悩んでる描写のあったイングリットちゃんでさえ、ラクスを見逃しただけで、キラ達に協力しようとはしませんでしたし。オルフェへの愛ゆえに、なんでしょうが、それって結局、自分の好きな男と添い遂げようって気持ちが全てってことよね……自分達の行いの是非に関しては、基本的に関心がないんでしょうね。

「他者から強制された暴力」「他者から推奨された暴力」って同じ暴力でも、まるで意味合いが異なるんです。前者にはまだ第三者視点から見れば同情の余地があります。やらなければ、自分が殺されていた可能性がありますから。相手から、または、強制してきた他者から。
が、後者は違う。
やった方がいい。やる方が正しい。やるべき。
だから、やる。
それが、同調圧力や洗脳教育の影響だとしても関係ありません。その根本にあるのは自己保身、ひいては利益追求(社会的欲求含む)でしかなく、これは自由意志に基づく選択と何ら変わりません。これに同情するのは無理があるでしょう。まぁ、暴力を振るわれた被害者側からしたらどっちも「てめえの事情なんて知るか、クソがっ!」だと思いますけど。だから、報復が続くのは当たり前というか、結局、自分の恨みを我慢できず報復したい奴は全部、殺し尽くして、生き残った連中でやり直していこうていう割と、救いようのない極論になっちゃう訳ですが……

そもそも、いくら毒親の影響があったとしても、仮にも一国の行政トップだった以上、「まだ子供だから」「毒親が悪い」なんて言い逃れは流石に許されないよ……(==

というか、「毒親のせい」って言葉が乱用され過ぎだと思うの。確かに「毒親のせいで精神的に不安定」とか「毒親のせいで他人に暴力的(自分も暴力を振るわれたから)」とかなら分かるんよ。でも、「毒親のせいで裕福な生活を送り、毒親のせいで自国を核で焼き払い、毒親のせいで地球をレクイエムで虐殺する」っていくら何でも「それ、毒親のせいにし過ぎじゃない?」ってなる。免罪符じゃないんだよ、毒親は。



この敵キャラから魅力を剥奪するってやり方、『SEED DESTINY』でも、ちょくちょく見られたんですよね。対比関係にある人物を意図的にダメダメに描くことで、もう片方の誠実さや有能さを示そうってやり方です。別に悪くないんですけど、あまりに露骨だと、萎えちゃうんですよね、正直。

『SEED DESTINY』に自分が不満に残ったのがこれで、デュランダル陣営とラクス陣営を良く描く為に他を悪く描いちゃう。これが好きじゃない。まだ、『SEED』終盤はザフト(パトリック=ザラ、クルーゼ、イザーク)、連合(アズラエル、ナタル、三馬鹿、フレイ)、三隻同盟に有能だったり誠実な人間を混在させてたのでバランス取れてただけに。だから、あの辺りのお話が一番好きだったんだろうなと思います、『SEED』は。






※補足2. もし、レイが生きていたら?




今回、アウラ達がデスティニープランを再掲してザフトの不満分子(と言ってもネームドキャラは皆無)を焚きつけることに成功したわけですけど、仮にデュランダルの懐刀的存在だったレイが生存していたら、それに同調したかというと、多分、絶対にしなかっただろうな、って。

っていうのは、アウラのやってることって「遺伝子に従うべきというデスティニープランという思想を、最も優れた遺伝子を持つように遺伝子改造されたアコードによる世界支配の正当化に利用」でしかないんですよね。

で、それって本当にデュランダルの目指してた世界か、というと、全く違うと思うんですよ。あの人がやりたかったことって、全ての人間が適正に従って暮らした方が幸福になれる、平和な戦争のない世界を実現できる、いや、なんとしても実現しなければならない、っていうある種の悲壮感なんですよね。その為には暴力も恐怖も辞さないって構えだったから、三隻同盟や連合の反発を招いて、ああいう瓦解してしまったという展開だったわけですけども。

アウラ達のやってることは、それを利用して「遺伝子こそ絶対!だからこそ、自分達が正義!自分達が人類を支配すべき!集え、コーディネイター達よ、我が陣営に!」っていう完全な曲解と私物化で、それってザビ家がジオニズムを歪めたのにどこか似てるよなって。で、本当にデスティニープランに可能性というか希望を見出そうとして戦ってた人達からすると、それってデュランダルに対する冒涜も同然だと思うんですよね。だから、もし、レイが生きていたらアコードに「ギルの願いを穢すな!」って激怒したと思うし、当事者でもあったシンやルナマリアも、ひょっとするとデュランダルを倒してしまったことで自責の念に駆られていたキラも思うところがあったのかな、と思う今日この頃でした。こうなると、レジェンドspecⅡでシンと一緒にブラックナイツ相手に無双するレイも観たくなるね。『Gジェネ』オリジナルで実装されんかな……



ちなみに私は、全ての思想には一考の余地はあるものだと思いますし、誰が何を考えようが、信じようが構わないと思っています。デスティニープランは勿論、ブルーコスモスだって別に絶対悪だとは思わない。その源流に込められた思いや背景はきちんと尊重すべきもので、そもそも、ジョージ=グレンがコーディネイターであることを暴露したことも、CE世界の科学者がコーディネイターを生み出したことも、本来は人類の可能性や幸福を願っての所業だった筈なのですから。

問題は、その思想を他人に強制したり、力をふるう為の道具(後ろ盾)として利用してしまう人間が絶対に出てくることでね。デスティニープランに関していえば、前者がデュランダル、後者がアウラだったという話。





※補足3.『SEED』続編の可能性は?



興行的に超成功しているので、無いとは言い切れないんですけど、どうなんでしょうね。既存のキャラ達に関しては綺麗に纏めちゃったし。

私的には不満が残ってた『SEED DESTINY』の後始末が見たかったから、『SEED FREEDOM』はなんだかんだ、あの描き方でも受け入れられましたけど、「ここからまた続編やる意味ある?」っていうと……正直ないよねって。ザフトの不満分子&メンデル研究所関連は今回やったし。一応、ブルコス残党とか、ロゴス残党でまだ広げられますけど、今回の映画でもう完全に落ち武者レベルと化してるので、アコード以上の強敵として描くのは無理があるし。

個人的には、これでもう『SEED』本編はお終い、でいいんじゃないかな、という気はします。キラ、アスラン、シンを無理に戦わせても、これ以上、面白くなりそうにないし。もし、やるなら、『SEED FREEDOM ASTRAY』で、劇場版の外伝としてブルコス関連の後始末と、アコード関連の補完を別キャラにやらせるぐらいか。ブラックナイツとエクステンデッドは番外としてキャラ増やせそうですし、この時間軸のジャンク屋や傭兵部隊がどうなっているのかは地味に気になりますからね。




ただ、『ASTRAY』って『SEED DESTINY』以降も勝手に話が展開してるっぽいので、今更、『SEED』本編と合流できるのか、よく分かりませんが。『ASTRAY』は本編の裏話だけやってれば良かった気がしますね、正直。






あるいは、『F91』や『V』みたいに時間軸を一気に飛ばして、既存のキャラをリセットして、という形でしょうか。『SEED』の世界観やメカデザイン自体はなんだかんだ好きなので、それはそれで気になりますが、興行的には今回のようなヒットは望めないので多分、無さそう。『コードギアス』と同じで、やっぱ、原作キャラ人気が強い作品ですし。『SEED』って。

寧ろ、今回の映画の内容を踏まえて、『SEED FREEDOM』ならぬ『SEED FINAL』とか、そういう二次創作が小説投稿サイトとかに投稿されたりとかしたりしてね。『SEED FREEDOM』の続編じゃなくて、逆に思いっきりアンチテーゼ的な if ストーリーの奴。



でも、多分、誰も『SEED FREEDOM』を超えられない気がする。なにしろ、今回は公式が強すぎるんよ。どんな二次創作が出ようとも「でも、アスランがズゴックで出ないんじゃねえ」ってなっちゃう(==








※4月2日追記




メイリン「シンに撃墜された時は、もうダメかと思いましたぁ~」

なにわろてんねん

メイリンって……こんなキチみたいな娘だったんだ……いや、おもろいから良いけど(^^;



ステラ10位、イザーク6位はマジ嬉しいね。アスランの「よし、イザークに勝った。よし、シンにも勝った」に思わず、クスリ。本当、おもしれー奴。MS部門のズゴック4位は、そりゃねぇ(笑)

後、フリーダム1位は、なんか分かる。私も好きだよ。続編でシンに撃墜されて退場した点まで含めて。




なんていうか、良い意味で「前作主人公機」なんよね。ストフリやライフリは、フリーダムのお兄さんって感じ。マイフリは、ちょっと傲慢が過ぎる。








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最終更新日  2024年07月25日 21時47分00秒
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