ひとりの時間
【ひとりの時間】(Photo: Interstate Highway Route-90, Spocane, USA 1991)仕事が立て込んでいてなかなか自分の時間が作れない。自分のために何かをする。それは今の日常では食事・睡眠・入浴・排泄といったたぐいのことだけ。趣味や娯楽を楽しむ時間を持つことになぜか罪悪感を感じることもある。 そんな時、ふとひとりになって広大な原野に佇(たたず)む自分自身を思い返してみる。360度目前に広がる地平線を追いかけた日々、あるいは砂漠の大平原にただひとり、月明かりで本を読んだキャンプの夜…。今となっては遠い昔ではあるけれど、確実に僕はそこに存在していた。 どうしようもなくひとりきり。でもひとりになることで、自分自身と対話しながら、それまで生きてきた人生を振り返り、良かったこと悪かったことのひとつひとつを吟味している自分がいた。ひとりでなければ、決してそのような時間を堪能できはしなかっただろう。孤独であるがゆえに人は強くなれる。ひとりでいることを恐れてはなるまい。 (…続きを読む)