カテゴリ:小苺話
記憶が薄れないうちに、あの日の事を書きとめておこう。
こいちごはあの日の5日前に、 今晩中の可能性もある、と言われた。 ジジババや私の妹夫婦、太郎も普通は入れないけど 許可された。 それだけもう時間がないということか、と思った。 人工呼吸器を入れて3日目、良くなるどころか どんどん悪くなっていた。 こいちごは麻酔が効き難い体質らしく、 鎮静が効かなくて、覚醒してしまいむせたり、 呼吸器とのタイミングが合わなくて 自己呼吸をしようとして、全然サチュレーションも上がらない。 だから呼吸器の設定もMAXでどうしようもなくて、 吸っても吸っても吐き出せないから、 体内にどんどんCo2が溜まってしまう。 サチュレーションもどんどん落ちてきて、 Co2も溜まって・・・。 転院するまでの病院の主治医の先生が駆けつけてくれた。 こいちごに遅くなったけど、って誕生日プレゼントを持って。 3冊の絵本だった。 私はその絵本をそばで読んだ。 絶対にこいちごに聞えていたはず。 でもその夜は明けて、ICUの病室から朝日を見れた。 翌日は更に悪くなった。 でも、こいちごは頑張って、頑張ってまた夜まで持ってくれた。 サチュレーションがどんどん上がってきた。 私は持ち越した!と思い込んで、夜旦那と交代で久しぶりに病院の控え室で熟睡できた。 朝、目が覚めてこいちごの元へ行くと 旦那に「ちょっと・・・」と言って控え室に帰された。 「こいちごは、本当に良く頑張ったよ」 そう旦那は言った。 全てがわかった。 サチュレーションは戻ってるのに? 何で? CO2がもうどうにもならないくらい溜まってしまって そこまで行くと、もう数時間と私が寝ている間に 主治医に言われたそうだ。 折角寝ているから、と主人と主治医は私に気を効かせ 起こさないでいてくれたらしい。 サチュレーションが上がってるのは 多分、Co2が溜まりすぎると麻酔効果があり ボーっとしてしまうそうで そのため、全てを呼吸器に任せてしまってるからだろう、との事。 納得した。 こいちごは本当に良くがんばってくれた。 もう、お家に帰ろう、と残りの時間を大事にしたかった。 残り数時間。。。 旦那と控え室でいっぱい泣いた。 でも、二人とも同じ気持ちだった。 こいちごがいなくなっても、 「あの時こうすればよかった、ああすればよかった」 と思うのはやめようと、約束した。 それから、ジジババを呼び、みんなに話した。 そしてこいちごの前では泣かないでほしい、 やっとお家に帰れるのだから、 お家に帰ったら皆で旅行へ行こう、 約束してた事、全部やろうね 頑張ったね、って沢山褒めてあげてほしい、 と私の母や父にも話した。 お家に帰ったらみんなで旅行に行こうね。 水族館もね。 大好きな、いくらももう食べていいよ。 人ごみもいいし、うがいもいらないよ。 今まで本当に頑張ったね。 あとは、サチュレーションが徐々に下がるか 心拍や血圧が下がり始めるか・・・。 それか不整脈などで突然か、分からないと言われていたけど、 とにかくとにかく、1秒でも一緒にいられるように大事にしたかった。 そばで沢山歌を歌った。 こいちごが入院中、無菌室で押すとメロディーの流れる絵本で いっぱい歌っていた童謡。 赤ちゃんの時から歌ってあげていた子守唄。 お散歩の時に手を繋いで歌った「夕焼けこやけ」「七つの子」 大好きな絵本も沢山読んだ。 涙はあまり出なかった。 ずっと出来なかったちゅ、もした。 太郎も外では騒いでいるのに、ICUに入れる時だけ マスクをちゃんとして、静かにしていた。 主治医の先生もびっくりするほど。 ねえねのおでこに自分からいいこいいこして、 ちゅ~をしてくれた。 そしてその日の夕方、驚くことが起きた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.08.31 12:15:07
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