ラベンダーの風に吹かれて

フランスでは労働時間の基準が法律で決まっている。
もちろん日本でもそれはあるのだろうが現状はほとんどのサラリーマンがそれ以上に働いている、とわたしは思う。ところがフランス人の大半の一般人はそれをほとんど守っていて休日はきっちりととっておられるようだ。
だからたいていの家庭は年に最長４、５週間のバカンスをとれる。
以前同僚とこんな話をしたところ、もし日本人もそんなに長期間休暇をとれて海外旅行したり心身をいやせたらどれほど普段の仕事にやる気がでることか！と心からうらやましがったことがある。
そんなわけで今年もフランスのバカンスのピークが丁度今の時期なのだ。たいていの会社は社員に７月から８月にかけて休暇をとらせるようだ。たぶん小さい子供の居る家庭なら学校の夏休みに合わせるからだろう。
そんなことで経済社会がいったいやっていけるんだろうか？と日本人的常識から考えると余計な心配をしてしまうが。
昨日のテレビのニュースでは昨日の１日で３００万人の人々がバカンスに旅立ち２００万人の人がバカンスから帰ってきたそうだ。ロワシー(シャルル・ドゴール空港の愛称)は大混雑、幹線道路も車で大渋滞の様子をカメラは映し出していた。ちなみに総人口は６３００万人だそうだ(夫情報)わが夫は交通関係の仕事をしているのでバカンスは年間を通じて好きな時期にとることができる。というか一般のバカンスの時期には休めないのだ。幸か不幸か、おかげで飛行機のチケットの安い時期に日本に来ることもできるが人々が皆バカンスで浮かれてる時期に働かなければならないことを嘆く時もある。贅沢な！と日本人の私は思うが。
でもこのバカンスの季節のおかげでたびたび腹のたつことに出くわす。先週レストランでランチをしたが、最初は日本レストランに行く予定だったのだ。その店の名は「teppanyaki」。私は久しぶりに日本の食を味わえるとすごーく楽しみにワクワクしながら出かけたのだ。事前にパソコンで営業時間や休みなどちゃんと検索して行ったにもかかわらず店の前まで行くと閉まっていた。扉には何のお知らせの貼紙もない。一切無いのだ！がっかり落ち込んだ私に夫は「バカンスだから仕方ないな～」。おかげで｢ローランサン」で　buchon　lyonnais　を味わえたわけだが…。そして昨日、私たちは復讐戦ということで(あまりに私ががっかりしていたのでさすがの外食嫌いの夫も可哀想に思ってくれたらしい。)また別の日本レストランに出かけた。こんどは[sushi-do」。やはりパソコンで営業時間等を調べ前日に電話もかけて確認した。(これは留守電だったが月～金曜営業中と確かに言っていた。)地図で場所もばっちり確認し近くのパーキングも調べて行ったのに…やはり閉まってたのだ!!!
半ば予感はあった…。腹立ちもあったがだんだんフランスのええかげんさに徐々に慣れてきたみたいだ。(慣れたくない!!そんなモン)近くの焼き鳥レストラン[nipponn　tori」と日本食材店「japon　store」もやはり閉まっていたがこちらにはちゃんと貼紙がしてありバカンスの休業期間を明記してあったので、まだ許せる。夫が言うにsusidoとかはベトナム人かカンボジア人、あるいはフランス人がオーナーで後者はきっちりしてるから日本人がオーナーに違いない。だと。ま、ちょっと偏見かもしれないが。しかしこんなこと日本では絶対ありえないよね。
お得意様失っちゃいますよ～。　　　でもこれがフランス、C'est la France　なのだ。　結局あいていた中華レストランで思い切り海老チリソースやネム、ラビオリ(ギョーザみたいなの)、ホタテなどを食べてしまった。ちなみにほたてはフランス語でcoquille　ｓａｉｎｔ　Ｊａｑｕｅ　(コキーユ・サンジャック)という素敵な名前。